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三角関係

作者: あいたん
掲載日:2024/02/12

 4月8日 彼が死んだ。私の心はズタズタに引き裂かれたように苦しい。私はどうしても、どうしても彼の仇を取りたい。どうすれば出来るのだろうか?


 私はいつものように夜の商店街を歩いていた。いつもは明るく私を楽しませてくれるお店たちも今は何の役にも立たない。彼を失った私は絶望だった。全てが色を失っていた。なぜ彼は死んだのだろうか?私を残して。彼はその原因を私に話してくれなかった。誰が彼を苦しめたのだろう?誰が彼を死に追いやったのだろうか?私はどうしても真相を知りたくて思い悩んでいた。そんな時、商店街の裏道に占いショップを見つけた。「こんなところに占いショップなんて?」何も考えないまま私は入店した。


 店内は狭かった。棚やテーブルの上にタロットカードや占い関連の書物、ペンダント、輸入品のお香や書籍が置かれていた。占い?オカルトショップ?お店の店員が声を掛けてきた。


 私は事情を話した。彼を失った私は抜け殻だと自分で言い切った。彼は私にとって全てだった。ありのままを全て打ち明けた。店員は私にある物を差し出した。それは護符だった。寝る前に枕元に置くだけで効果があると言った。あなたの悩みはその護符がきっと導いてくれると。


 半信半疑だった私はその言葉を買った。そう、護符を買った。その日の夜、私は枕元に置いて寝た。寝つきは悪かった。頭の中は彼のことだけだった。そんな私も気付くと寝てしまっていた。


 そこは夢の中だった。夢の中で彼がいた。彼は思い悩むように一人でぶつぶつ言いながら部屋の中を歩いていた。私は声を出したが聞こえないようだった。彼には私の姿が見えていないらしい。彼は机に座り何かノートに書いていた。彼は書き終えると部屋を出て行った。


 私はこれは彼の最後の日の記録だと思った。彼は一体何に苦しみ、誰が彼を苦しめているのか。私からはノートを見る事はできない。開くことができなかった。こうして彼の最後の幻だけを見ているのだ。やがて幻が変わってゆく。彼が誰かと言い争いをしていた。よく見ると、彼は言い争いをしているのではなく、誰かの言い争いを止めようとして光景だった。彼は争いを止めようとしたができなかった。そしてそれは彼のノートを書く幻へと繋がっていく。私は彼の死の真相に触れてドキッとした。私の知らない事情だったから。



 私は何とかして彼を救いたいを願った。護符に力を与えて欲しいと本気で願った。その願いが叶ったのか、私は彼と接触することができた。彼は私が前に現れて驚いたようだ。私は彼に願った。「お願い。死なないでください。私にはあなたが必要です。」と。彼は非常に戸惑い泣いていた。彼の胸に飛び込もうとした私を彼は制止した。彼は私を受け入れてくれない?なぜ?私たち付き合っている恋人同士なのに。どうして?私は彼に「どうして!」と強く言った。その時、私たちの間に誰かが割り込んできたのだった。


 割り込んで来た人物を見て私は凍り付いた。それは私だった。今の私より少し前の私がいた。彼女は私と彼が喧嘩をしていると勘違いして割り込んできたのだ。彼女は私に言った。「あなたなの?彼を苦しめているのは!お願い。彼を自由にしてあげて」私は何を言ってるのか分からなかった。彼の面前で、過去の私が現在の私に言ってるだ。「彼を苦しめないで!」と。そのまま私たちは言い争った。彼は「もうやめろ!やめてくれ!!」と言うと、そのまま離れて行く。「待って!お願い!!」二人が叫ぶのは同時だった。過去の私はそのままビルから身を投げて命を絶った。私はその光景に一人喜んだ。彼の仇を取った。これで変わるはずだと思った。でも、現実は違った。彼はそのまま命を絶った。過去の私を失ったショックで・・


 私は目が覚めると全てを悟った。護符の効果は確かにあった。彼が悩み苦しんだ原因は全て私にあったのだと。

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