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(二)-3
拓弥は女に対しては、そんなこと言われようがお構いなしに連絡をとることがあった。
しかし翔太に対しては、そんなことをすると、二度と会えなくなってしまうようで怖くなった。だから、その言葉は絶対に守るべきだと、拓弥は思っていたのであった。
そんなこと考えているうちにバスが目的地に到着した。拓弥はこの先端医療センターの入口前のバス停でバスを降りた。患者さんは目の前の建物に入って行くが、拓弥はここから建物の外側を迂回してこの敷地内にある別棟の建物に向かう。
二棟がつながった建物の脇を抜け、すぐ後ろの「十三号館」の建物も通り過ぎ、さらに奥にある「十五号館」の建物に入った。
この建物の奥に図書館がある。拓弥はその入口の自動改札機に学生証をタッチして中に入っていった。
(続く)