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第14話 賢者、自身のステータスを知る

 それで色々と漁っているわけだが……。

 ふむ、どうやら盗賊の中に女性が二人ほどいたらしい。顔は分からないが胸は割と大きい子が多いな。殺していなかったら多少は……いや、そういう煩悩は捨てるのだ。


 でも、少しだけ、揉むくらいなら……。

 おう……少し硬くて嫌な気持ちになった。あれ、πって柔らかいものじゃないんですか。結構、硬くて焦ったんだけど……まぁ、いいや。そのうち本物を揉めるだろうから気にするだけ無駄だ。


 それにこれはπでは無い。きっとππ似の別のなにかだ。アレに夢や希望が詰まっていてたまるか。きっとあれこそが脂肪の塊のππという奴だな。


 という事で、使えそうなものだけ集めてみたけど色々と集まったな。まずステータスプレートが二枚、これは恐らく僕やイリーナの身元を確認するためのものだろう。誰かの情報が書き込まれていたりとかはしないからね。


 裏を返せば僕の今のステータスを見る事だってできるというわけだ。最高だね……まぁ、そこら辺は荷物整理が終わってからにするけど。


 それで次に使えそうなのが得物類、恐らく伯爵家を襲撃した時にでも手に入れたのではないかな。四点だけ明らかに価値の高そうなものがあった。それを使おうとしていた人達がアレだったし……本当に宝の持ち腐れだな。


 そして極めつけは麻の小袋。

 ただの小袋と思うなかれ、これは空間魔法が付与された一級品だ。何でも物が入る優れもので売れば高級地に家が一つ建てられるんじゃないか。まぁ、あって損がない事だけは確実だ。


 こういうのも持たせられていたのに……いや、単純に頭が物の価値を知らなかった可能性がある。というか、盗賊からしても使い道が多いだけで本来の値段とかは知らなかったのかな。そうじゃないと普通は保管しておくよね。


 僕としてはありがたい限りだから良いけど。

 適当に並べておいた使えるもの、そして遺体を小袋の中にしまってからステータスプレートを手に取る。銀で作られた板状の何か、初見では銀のインゴットの薄い版とかかなって思ったけど、今だったらすぐに分かる。


 触れて軽く魔力を流し込む、それだけで僕の求めている事が分かるはずだ。……一応、ステータスプレートを壊さないように少しずつ魔力を流し込んでいって……。






 ____________________

 名前 アルフ・リーフォン

 種族 ヒューマンLV15

 年齢 0歳

 レベル 13

 HP 65/65 MP 48550/56550

 固有スキル

【成長促進】

 スキル

【隠蔽LV5】【魔力操作LV4】

 魔法

【火LV6】【水LV5】【風LV8】【土LV4】【炎LV2】【光LV3】【闇LV5】【毒LV10】【空間LV10】

 ______________________






 お、おう……化け物ですか……?

 簡易ステータスだから分からない事も多いけど間違いなく最強の部類だ。元の僕でMPが八万くらいだったし超えるのも時間の問題……ただ、明確にHPが低いなぁ……。いや、しょうがねぇだろ、赤ちゃんなんだし。


 それにしても……毒魔法や空間魔法はいざ知らず成長促進もあるんだな……。これはあれか、元の僕の一部のスキルが引き継がれているのか。だとすれば、毒魔法と空間魔法が最大レベルで覚えているのも納得がいく。


 ぶっちゃけ、この二つは基礎もできていない時点で練習しても覚えられないと思って何もしていなかったが……これだったら、多少は使えるか確認するべきだったな。いや、それでも空間魔法はあまり使いたくないけど。


 あって嫌な事は特に無い。

 ただ個人的に空間魔法に良い思い出が無いんだよなぁ。強過ぎるが故に使いたくないというか……まぁ、別次元に異空間を作って物を収納するとかくらいにしか使いたくないかな。後は素材の自動回収とか、そういうQOLに関する事だけ利用するって感じにしよう。


 そして毒魔法……これは手に入れられて本当に良かったって思っている。というか、賢者だった時の僕のメインウェポンがこれだ。この毒魔法は文字通り『毒にも薬にもなる』使い方次第で何でもできるような魔法だからな。


 加えて僕個人の熟練度だって……。






 おっし、これで準備は完了したな。

 盗賊の遺品を漁っている最中にマウス達がアジトらしき場所を見付けてくれているから……後は本当に突撃するだけだ。


 特に盗賊の頭は気になって仕方が無いな。別に頭自体に興味があるわけではない。単純に伯爵家から娘を誘拐できるだけの力が先程の盗賊達には見受けられなかった。つまり、頭はそれだけ強者という事になるだろう。


 そんな人と今の僕はどれだけ渡り合えるのか。

 考えれば考えるほどにワクワクしてくる。アルやヴァンレベルの強さは求めていないが、少なくとも対等に渡り合えるだけの存在ではあって欲しい。いや、そうじゃないとわざわざ出向く理由が無いんだ。


 伯爵家の娘とか、本音を言えばどうでもいい。

 その人がリーフォン家に仇なすとなれば適当に殺して他の地方に遺体を放置するだけだ。そうなればリーフォン家には少しの問題も残らない。ただ運良く遺体があった場所がリーフォン家とは仲が悪かった家系になるってだけ。


 適当にローブを引っ張り出して羽織る。

 このままだとブカブカで赤ちゃんが着ているのはバレるから闇魔法で軽く表向きの体を作って、その内部は空間魔法で触れられれば人の体と錯覚できる程度の柔らかさを作っておいた。一応、手をニギニギさせてみたけど……さすがに感覚までは作れないか。


 まぁ、それでも寝間着のままで攻めに行くよりは断然マシだ。もっと言えば、この体なら近接戦も難しくは無い。アイツらから奪った得物の切れ味も確かめたいし、ちょうど良い。


 さっさと伯爵家の娘を助けに行きますか。

女の子(死体)でした。って事で、次回、遂に本当の女子が登場します。

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