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もしもゲームのライバルキャラが全員転生者だったら~未プレイ主人公と既プレイ転生者の鬱ゲー攻略~  作者: 紗沙
魔法師団編

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第76話 アクセサリーに興味があるお年頃

魔法師団で任務を受けてから数日後。

私たちは馬車でエディンバラの東にある港町エーゲを経由して、北の貿易都市エクシアに向かっていた。


港町エーゲでは海の向こうにアズマ領を見た。

聞いた話によると、私たちが出発する前にセリア先輩の小隊が向かったそうだ。

私たちは今回の任務で訪れることはないけれど、いつか行けたらなと思う。


(それにしても……魔物の発生か……)


馬車に揺られながら、私はエーゲで聞いた話を思い出していた。

少し前まで、エディンバラでは魔物の被害が相次いでいたという。

魔物は昔から居たが、最近では数が増えて困っていたのだとか。


だがその元凶を、エディンバラ皇国がなんとかしたらしい。

どこが行ったのかは分かっていないらしいが、おそらく国内を警備する騎士団のおかげだろう。


(港町の人、すっごく感謝してた)


立ち寄った道具屋さんの店主さんなんて、ニコニコ笑顔だった。

ああやって人に感謝されるなら、私たちの仕事もやりがいがあるというものだ。

喜んでくれる人の顔が見れるというのも、前世では体験したことがない仕事でやりがいがある。


「見えてきましたね。あれが貿易都市エクシアです」


仕事のやる気を出していると、ロゼリアさまが声を上げた。

馬車の窓から外を見てみると、遠くに大きな都市が見えた。


あれが貿易都市エクシア。

キルシュ国と国境を接する、大きな都市。

その門に向けて馬車は走っていく。


入口にて衛兵さんに馬車の人が紙を見せる。

すると衛兵さんは目を見開き、大げさなほど敬礼をしてみせた。

おそらく、なにかお偉いさんの文書か何かなのだろう。


(な、なんかごめんなさい)


ちょっと申し訳なくなって、思わず馬車の中から頭を下げてしまった。


「お姉様、余計に衛兵さんが委縮しちゃうって」

「あ、そ、そうだね!」


エヴァの言う通り、衛兵さんは顔を強張らせていた。

そんな彼らを横目に、馬車は中へと入っていく。


やがて少し進んだところで、馬車は停車した。

どうやら魔法師団の駐屯所のようだ。

馬車から降りて、伸びをする。ずっと座っていたので、少し疲れてしまった。


「皆さんはエクシアを観光してきてください。私はいろいろと話をつけてきます」


最後に降りたロゼリアさまが全員に声をかける。

部隊長でもあるロゼリアさまには色々と苦労を掛けてしまうだろう。


「ロゼリアさま、いろいろと任せてしまって、すみません」

「大丈夫ですよ。私の仕事ですから。代わりに準備などはお願いしますね」

「はい、任せてください」


ロゼリアさまと別れて皆で街に繰り出す。

貿易都市と呼ばれるだけあって、町は活気にあふれていた。


事前に手配してある宿に向かい、荷物を置く。

といってもそこまで多くはない。


「ふわぁ……私ちょっと昼寝するね。夕飯の時に起こして」

「それでは私も仮眠を取ります」

「僕も……」


ルナ、ムース、ミストの3人は昼寝をするようだ。

ここに来るまで、初めて野宿をした。その疲れもあるのだろう。

夕飯のタイミングで起こすので、ゆっくりと体を休めてほしい。


「お姉様は疲れてない?」

「疲れてはいるけど、初めての都市だからわくわくが止まらなくて」

「あぁ、あるよね。こう良い感じの緊張と興奮で、みたいな」


エヴァとユウリィと他愛のない話をしながら、宿を後にする。

時刻はまだ昼過ぎ。夕飯まで、時間はある。

ふと右を見ると、ロゼリアさまが歩いてきていた。


「今から街の見物ですか?」

「はい、その予定です」

「それでは私もご一緒しますね。荷物だけ置いてきます」


そういってロゼリアさまは宿に入っていく。

後ろ姿を見届けた、そのとき。


「お嬢様、店舗街は左手の坂を上った先、市場は右手の下った先にあります」

「うひゃぁあ!」


急に後ろから声をかけられて飛び上がる。

ばっと振り返ると、すぐ後ろにローブにフードを被った女性が立っていた。

私の専属侍女、リフィルだ。


「リ、リフィル、びっくりした」

「申し訳ありません」


私が魔法師団に在籍して、世話をする必要がなくなった。

ならリフィルはどうなったかというと、何も変わっていない。

彼女はアルトリウス家の侍女を辞め、フリーになった。


フリーになったから、私の仕事についてきている。

というか、リフィルの中にはその選択肢以外はないように思えた。

彼女は公の場では姿を見せず、けれど私をしっかりと見守ってくれている。


宿に荷物を置いたロゼリアさまと合流し、共に移動する。

まずは右へ向かい、市場を見て回ろうと考えた。

市場は食品や衣服、小物などさまざまなものが売られていた。


それらを見たり、手に取りながら、ウインドウショッピングを楽しむ。

色々な品物を見ているだけでも、十分に楽しめた。


「あら、可愛らしいですね」


ロゼリアさまが手に取ったのはウサギの小物だった。

キーホルダーのように、なにかに括り付けられるものみたいだ。

ロゼリアさまの持っている白色以外にも、黒や黄色などさまざまな色があった。


そのウサギの小物を見ながら、私はロゼリアさまの指に見慣れないものがあるのに気づいた。


「あれ?ロゼリアさま、そんな指輪していましたっけ?」


ロゼリアさまの右手の中指に、シンプルなデザインの指輪が収まっていた。

銀のフレームに白い宝石が控えめに主張している。

似合っているが、見覚えがない。


「あぁ、これですか?気に入って買ってしまったんです。似合いますか?」

「はい、お似合いです」


というか、ロゼリアさまは美人なので何をしても似合うのだが。

それでもシンプルな指輪はロゼリアさまの指を綺麗に飾っているように思えた。


「よほど気に入っているんですね」

「ええ、まあ……ちょっと手に入れるのに苦労しましたから」


一国の皇女であるロゼリアさまが、手に入れるのを苦労?

それが衝撃的で、思わず聞き返してしまった。


「なかなか手に入らないものなんですか?」

「はい、少し……いえ、かなり頑固な人を説得しないといけなくてですね。とても苦労しました」


なるほど、確かに職人さんは自分の作ったものにこだわりがあると聞く。

プライドを持っていて、さらに腕が確かな人なら、相手がロゼリアさまでも引かないだろう。

ふとエヴァを見ると、彼女は疲れたような顔で遠くを見つめていた。


「エヴァ?大丈夫?」

「え?あ、うん。平気平気」

「そう?もし疲れたなら無理しちゃだめだよ?」


エヴァを気遣って、視線をロゼリアさまの指に戻す。


(それにしても、指輪かぁ……)


おしゃれなアイテムの一つとして、ちょっと興味がある。


「ウリアさんも指輪に興味がありますか?」

「そうですね。おしゃれでいいなぁって思うかもです」

「そ、それならそのうち私がプレゼントするよ!!」


大きく反応したのは、エヴァだった。

彼女は興奮冷めやらぬ様子で、私の手を握っている。


「う、うん、ありがとう。楽しみにしてるね」

「ふふ、よかったですね」


その様子に、ロゼリアさまが微笑んだ。


【ロゼリアの指輪】

分類:アクセサリー

設定文:シンプルなつくりの指輪。とある帝国の王女から託されたもの。自分自身の道をしっかりと見定め、弱さと決別した証。

攻略メモ:アーク専用アクセサリー。サブイベント「皇女の想い」をクリアすることで入手。前提サブイベントが13あるので、取るだけでも膨大な時間がかかる。効果はその分強力で、アークの装備の中では最高の性能を誇る。

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