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もしもゲームのライバルキャラが全員転生者だったら~未プレイ主人公と既プレイ転生者の鬱ゲー攻略~  作者: 紗沙
学園編

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第61話 3年進学と謎の編入生

3年生になった初日、私とエヴァはいつも通り早めに教室についていた。

学年が上がると教室は変わるが、広さなど細かいところは変わらない。


またアイリス先生は教室の管理には無関心で、席替えなどは行わない。

そのため、2年生の時と同じ席にクラスメイトのみんなは座っていた。


「そういえば、2年生の時もあったけど、クラス移動の人とか居るのかな?」


自分の席に荷物を置きながら、エヴァは私に聞いてきた。

2年生になったときは、別のクラスから移動してきた生徒が居た。


ただそれは1年生から2年生という学園に入ってきてまだ早い段階だったから。

3年生になるタイミングでは数は少ないのではないかと思う。


「どうだろうねぇ。ひょっとしたら居るかも?」

「おはよう、2人とも」

「おはようございます」


ルナとムースがちょうど登校してきたので挨拶を返す。


「ルナ、今日もジン先生のところ行くの?」

「うん、セツナ先生との模擬戦は良い刺激になるからね」


クロムと戦ったあの事件以来、ルナは思うところがあるのか、第3寮の寮監督であるジン先生に稽古をつけてもらっている。

ジン先生は東の島国、アズマの出身で、そこで元々道場をやっていたらしい。


セツナ先生はエディンバラ学園の実技担当の非常勤講師だ。

ジン先生の元弟子であり、最年少でトリリアントになった記録を持っている凛とした女性だ。


「あまり根を詰めすぎてはだめですよ。休みもずっと訓練だったじゃないですか」

「大丈夫大丈夫」


ルナは軽い感じでムースに返答する。

ふとムースが、なにかを思い出したように私を見た。


「そういえばウリア、実家でユグドラシル王家からの提案について聞いた?エディンバラの貴族がウリアに興味を持っているって話を聞いたから、慌ててお父様を説得して話を出したんだけど、間に合った?」

「さすがにロゼリアさまとムースと私の家からの提案なら、断れないと思ってるんだけど……」


やはりあの提案はロゼリアさま、ムース、ルナにより行われたものだったらしい。

エヴァは微笑んで、私の代わりに答えてくれる。


「あんたたち、文句なしの提案だったわ。おかげでアルトリウス家は3家のうちどれかを受けるつもりよ。どれを受けるかはお姉様次第だけどね」

「うん、2人ともありがとう」


2人に頭を下げると、問題ないという感じで笑ってくれた。

将来に対する心配はほとんどなくなったので、本当に感謝しかない。


しばらくそのまま他愛のない話をする。

そこにユウリィも加わり、訓練の話や、魔法の話など、話題が広がっていく。


そのとき、ふとロゼリアさまが居ないことに気が付いた。


「ロゼリアさま、今日遅いね」

「そういえばそうだね。いつもならこの時間には居るはずなんだけど」


時計を見ながらエヴァが返事をする。

ロゼリアさまはどちらかというと時間ギリギリで登校するよりも、余裕をもって朝早くからいるイメージだ。


時間はもう、アイリス先生が来るころだ。

そんなことを思っていると、ちょうど扉が開き、ロゼリアさまが教室に入ってきた。


「あ、ロゼ――」


声をかけようと思ったが、その声は途中で止まってしまった。

彼女は顔色が悪く、なにかを真剣に考えているようだった。


今まで見たことがないロゼリアさまの表情に、心配になる。

しかし、ロゼリアさまの後ろに続くようにアイリス先生が入ってきてしまった。


流石に先生のいる前で会話はできない。


「おはよう。今日から3年生だな。本日はまず、新しくクラスに参加する生徒を紹介する」


教卓についたアイリス先生はクラス移動の生徒を紹介する。

生徒は全部で2人だという。2人とも教室の外で待機している。


1人の生徒は男子生徒で、第2寮から移動してきた生徒だそうだ。

その生徒を紹介した後に、もう1人の紹介となった。


「最後にもう一人、転入生を紹介しよう。レティシア・アンドロメダさんだ」


アイリス先生の言葉で、一人の生徒が教室内に入ってくる。

彼女は教卓の隣まで進み、私たちを見回した。


(綺麗……この世の人じゃないみたい……)


私は彼女を見てそう思ってしまったくらいだ。


今まで見たことがない真っ白な長髪を肩くらいで2つに分け、黒いリボンで留めている。

透き通るような白い肌に、あどけない表情。幼い印象を持つ顔つき。


そして、それと対照的に驚くほど黒い瞳をしていた。

1点の光もない、真っ暗な深い闇のような瞳。


存在そのものが綺麗だと思うと同時に、この世のものではないような異質さを感じた。


「皆さんこんにちは、レティシア・アンドロメダです。レアと呼んでください。アンドロメダ子爵家の娘です。分からないことも多いですが、よろしくお願いします」


彼女の声は透き通っていて、心に染み込んでくるようだった。

レアさんはロゼリアさまをまっすぐに見つめていた。


(え?ロゼリアさまの知り合い?)


そう思ってロゼリアさまに視線を移すものの、彼女はレアさんを見て顔をひくつかせている。


「それでは授業を始める」


2人の新しい生徒を席につかせて、アイリス先生は授業を始めた。

授業中、私はレアさんのことが気になっていた。
















魔法座学と実技の授業が終わり、放課後を迎える。

私は集まって今日の訓練について話そうと、ロゼリアさまの席に近づく。


「ロゼリアさま、今日の訓練なんですけど――「ロゼリア」」


その声を遮るように、レアさんが横からロゼリアさまに声をかけた。

彼女は私を一切見ることなく、ロゼリアさまの席に向かう。


「……ロゼリアさま、レアさんと知り合いなんですか?」

「ええ、彼女の家アンドロメダ家は新興貴族ですが、レアさんは優れた適性の持ち主ということで、私がスカウトしたんです」

「誰?ロゼリア」


そこで初めてレアさんは私を見た。

深い闇の瞳が、私を射抜く。


「私の友人で、ウリア・アルトリウスさんです。子供のころからのお友達で、ずっと仲が良いんですよ」

「……へぇ」


そう声を上げるものの、レアさんは私には微塵も興味が無いようだった。

私とロゼリアさまの会話を聞いて、他のみんなも集まってくる。


「他の皆さんも紹介しましょう」


ロゼリアさまは他のみんなも次々紹介する。

けれどレアさんは表情を変えず、ただ無表情で聞いているだけだった。


ユグドラシル王族のムースや、ネクステス4将軍の娘であるルナのことを聞いても、何の反応もなかった。


「訓練をするの?」

「……え?」

「さっき、その子が言ってたから」

「あ……その予定ですが」


レアさんは話を私たちの訓練へと変えた。

彼女は私をじっと見てくる。


「あなたは弱いのに訓練をする意味があるの?」

「え?……」


突然言われた一言に、私は固まってしまった。

周りのみんなも言葉を失っている。


最初は馬鹿にされているのかと思ったが、レアさんの目や表情からはそういった感情は読み取れない。

純粋な疑問として聞いているのだろうか。


「……うん、するよ。私が少しでも強くなれば、大切な人を護れるから」

「護る?……強くなるのは、敵に勝つためじゃないの?」

「……私は、護るために強くなりたいと思ってる。でも、レアさんみたいな考え方も間違ってないと思う」


私の言葉に、レアさんは何も答えなかった。

ただじっと、私を見つめるばかり。


「……そう。ロゼリア、私もその訓練参加していい?」

「え?ええ、構いませんよ」


レアさんはそう言って訓練に参加するのを決めたようだ。

彼女は話しかけられた時以外は自分から声をかけることはないみたいだ。


少しづつ仲良くなれればいいなと、そう思った。















訓練所に移動して、私たちはいつもの訓練を始めようとする。

その際に、ルナがレアさんに声をかけた。


「レアさんって、強いの?ロゼリアさまいわく、すごい適性の持ち主なんでしょ?」

「うん、そうだよ。私が世界で一番強い」

「え?」


まるで当然のように放たれた言葉に、ルナは目を見開いてしまった。

ここにいるメンバーは誰もが同年代でトップクラスの力の持ち主だ。


にも関わらず、レアさんは自分の実力を微塵も疑っていないようだった。

そうなると気に食わないのはルナである。


「へぇー。じゃあさ、レアさん、私と模擬戦しようよ」

「あなたと?」

「うん、私も自分の実力には自信があるんだ」

「……分かった」


ルナはレアさんとの模擬戦をするようだ。

彼女はエヴァ達に目を向けて、視線のみで何かを伝えあっていた。


(私には目を向けなかったけれど、どういう意味なんだろう?)


そんなことを思っていると、2人はもう位置についていた。

ルナの強さはよく知っている。一方で、レアさんの自信も、過信のようには思えない。


この模擬戦は、すごい戦いになるだろう。

わくわくした気持ちで、私は模擬戦を今か今かと待ち望んでいた。


◆ルート開放条件

・学園編にて、魔王【深淵】クロムを撃破する


※原作ではルートが存在しません

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