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もしもゲームのライバルキャラが全員転生者だったら~未プレイ主人公と既プレイ転生者の鬱ゲー攻略~  作者: 紗沙
学園編

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第59話 深淵から引き出された者

闇の風に負けないように、私は走る。

クロムの姿が、闇に隠されていく。


このままでは、クロムがまた深淵に隠れてしまう。

そんなこと、させない。ミストにやったことを、許しはしない。


「はあああああああ!」


逆風に負けず走り、私はマリアを突き出す。

マリアの切っ先は闇のベールに激突する。


いや、その切っ先が闇のベールに触れただけだ。

それだけで、クロムを逃がそうとした闇の魔法は音を立てて、割れた鏡のように消え去った。

闇の破片の向こうに、クロムの姿が見えた。


「逃がさ……ない!」

「そうか……お前が……っ!?」


私に邪魔をされたと分かったクロムが闇の魔法で作り出した刃で私を害そうとする。

マリアを突き出した状態の私は、それを避けることができない。


しかし、その闇の剣ごと、私とクロムの間に急に現れた光が斬り裂いた。

それは光の靄だった。姿が半透明な、金の甲冑を着た騎士のように見えた。


その光の騎士は私を守るようにクロムの闇の剣ごと、クロムを斬り裂いた。

クロムは目を見開きながら、光の騎士を見つめている。


「なんで……【幻影】が……っ!」


気になることをクロムが呟いた気がした。

しかし次の瞬間には彼は辺りを見回していた。


やがて何かを見つけた彼は、それ目がけて瞬時に移動した。

慌てて姿を追うと、クロムの目の前に気絶したミストが。


「まずっ……」


クロムの思惑が手に取るようにわかる。

ミストに再び洗脳魔法を使い、人質にするつもりだろう。


彼が手のひらをミストに向けて、洗脳魔法を発動させようとする。

その背中にベリアル学園長の魔法が直撃するが、それでもクロムは止まらない。


洗脳魔法が、ミストを襲う。その瞬間。


「おはよう……私だけの世界ディア・マイ


薄目を開けたミストの姿が消える。

唖然としたクロムの体を、エヴァとリフィルの剣が前後から貫いた。


口から血を吹き出し、クロムは笑う。


「全員のテスタロッサは……調べていたんですがね……まさか異空間系の……テスタロッサを隠し持っていたとは……」


そのままクロムは私に視線を向け、嘲るような笑みを浮かべた。


「エヴァではなく……君が鍵の持ち主だったんですね。可哀そうに。何も知らな――」


そこまでしゃべったところで、エヴァが剣をさらに深く突き刺した。

致命傷を負い、クロムの言葉が途切れる。

2人が剣を抜くと、彼は仰向きに倒れた。


天井を薄くなっていく目で見つめながら、彼は呟く。


「すまない……ヒビキ……君との約束……果たせそうにない」


それが、魔王【深淵】の最後の言葉だった。

彼は目をつむり、静かに息を引き取った。


(終わった……)


そう思った瞬間、ミストが急に現れた。

今まで聞いたことはなかったが、専用のテスタロッサをミストも持っていたということだろう。

けれど、それがあったからこそ最後の最後にクロムを倒すことができた。


この日、私達は魔王【深淵】を倒すという歴史的な出来事を達成した。

それは700年間、誰も達成できないことだった。


けれど私は、クロム討伐を喜ぶエヴァ達を見ながらも、先ほどの彼の発言が気になっていた。


『君が鍵の持ち主だったんですね。可哀そうに。何も知らな――』

(鍵って何……?何も知らないって……何を私は知らないの?)


意味深な言葉と、私を助けてくれた光の騎士。

魔王【深淵】が死んでも、それらの謎は私の頭の中でぐるぐると回っていた。













クローネ先生が亡くなり、ロッド先生も操られていた。

彼が起こした事件は、彼から教員資格をはく奪した。

ロッド先生が自分の意志で起こしたことではないとはいえ、仕方ないことだろう。

それゆえ私たちのクラスの担任には3年生と掛け持ちになるが、アイリス先生が選ばれた。


今年は1年生の時にあった寮対抗戦はない。

エディンバラ学園は3年に一度、寮別対抗戦の代わりに個人トーナメントが行われる。


個人トーナメントの参加は任意だ。

自信がある生徒がエントリーすることになる。

私はそこまで自信があるわけではないので、エントリーしなかった。


出場したのは、私の知り合いではエヴァ、ロゼリアさま、ルナ、ムース、そしてセリア先輩とラーグさまだ。

結果、優勝を手にしたのはロゼリアさまだった。


けれど、決勝戦におけるエヴァとロゼリアさまの戦いは接戦だった。

もしもエヴァがクロムとの戦いで使っていた、特殊な魔法を使っていれば勝負はわからなかっただろう。


いずれにせよ、個人トーナメントは私たち生徒の中に、大きな興奮を巻き起こした。

それは生徒達からクローネ先生の死を、私たちの中からクロムの事件を薄れさせるものであった。


「さて、皆一年間お疲れさま。といっても私が受け持ったのは本当にわずかな時間だったが……」


教卓の上で、アイリス先生が挨拶をする。

今日は終業式。私たちは2年生を終え、最終学年の3年生になる。


「クラスのメンバーはほとんど変わらない。3年生でもよろしく」


そういってアイリス先生はウインクをする。

童顔なことも相まって、とても可愛らしい。

そんな先生を見ながら、私はこの一年に思いをはせる。


(いろんなことがあったなぁ……)


リフィルのお家騒動から始まって、ネクステスへの旅行。

そして大きなものとしては、クロムとの戦い。


来年は、落ち着ければいいなと思う。

















けれど、そんな私の願望は、3年生になる前に実家から届いた手紙でもろくも崩れ去ることになる。


「……え?」


寮の一室に届いた手紙を見ながら、私は間抜けな声を出した。

手紙には、こう書いてあった。


『エヴァとウリアに話があるので、3年前の長期休みに帰ってくるように』


(以下、原作設定資料集から引用)

◆実績

深い淵のさらに底


【解除条件】

EXボス、魔王【深淵】クロムウェルを撃破する


【実績テキスト】

最悪の知、そして最強の魔。

世界を恐怖に陥れ、人の心をどこまでも弄んだ絶対なる悪を滅ぼした証


※一部条件を満たしていないために、解除できませんでした

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