表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしもゲームのライバルキャラが全員転生者だったら~未プレイ主人公と既プレイ転生者の鬱ゲー攻略~  作者: 紗沙
準備舎編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/131

第27話 最強のライバルキャラ【エヴァSide】

ロゼリアとセリアの戦いが始まった。

2人は距離を取ったまま見つめあい、動かない。

出方をうかがっているのかと思ったが、違う。


ロゼリアは仕掛ける気がないのだ。

ただ笑みを浮かべたまま、セリアを待っている。


それはただの生徒ならば油断と捉えただろう。

しかしロゼリア相手ならば、話は変わってくる。


結局のところ、先に動いたのはセリアだった。

剣を逆手に持ち、それを地面に突き刺す。


さっきと同じく、地面から石の槍が飛び出す。

一つ一つが速く、鋭い。ただの生徒相手ならば、この魔法だけでも勝敗が決してもおかしくない。


しかしその石の槍は透明な障壁に阻まれた。

ロゼリアの展開した防御魔法はヒビが入るどころか、少しも揺らぎはしなかった。


ゲームでの彼女の適性は同年代で突出して高い。

攻撃も防御も、隙などありはしない。

下手な魔法師団の隊員よりも、今のロゼリアの方が強い。


「今度はこっちの番です」


右手の剣をセリアに向けて、ロゼリアはそう言った。

空間に存在する風の魔力が動きを変える。


ロゼリアが持つR・O・Fの右の剣先に、風の魔力が集まっていく。

刃が緑色に光輝き、その先に魔法陣が展開。

あれは。


「ムースさんばかり評価されるのも、心外ですし」


そう言って微笑んだロゼリアは、ムースが使ったのと同じ魔法を放った。

まるで巨大な風の槍のような風の高位魔法「ストリームランス」。

まあ、ムースに使えるんだから、ロゼリアにも使えるだろう。


ムースのものと同じサイズのそれが、セリアめがけて飛来する。

近づくだけで吹き飛ばされる、水平方向の竜巻。

正面から受け止めるのは、あまりにも無謀すぎる。


そう思ったであろうセリアはそれを高くジャンプして避ける。

判断としては正しい。正しすぎる。


ロゼリアにとってそれを予測するのが何の問題もないくらい、正しい。

次の瞬間には上空に紫色の魔法陣がいくつも展開した。


ロゼリアは魔法も、実技も強い。だが彼女の本当の強みはその洞察力にある。

訓練をすればするほど、ロゼリアには勝てなくなる。

彼女に情報を与えることは、彼女を勝たせることに他ならないからだ。


なら、原作キャラであり、プレイアブルキャラであるセリアのことなど知り尽くしているだろう。


ロゼリアは風に髪を靡かせながら、左手の剣を地面に突き刺す。

その様子を見て、とっさにセリアは地の魔力で防御を固めた。

けれど、見るだけでわかる。あれでは、国内最強は防ぎきれない。


大きな雷が落ちる。風と火を融合させた、強力な魔法。

その雷はセリアの防御をまるで紙のように貫いた。

純粋な魔力でのゴリ押し。防御を固めるなら、それ以上の攻撃をすればよいという、明確な答え。


結果、セリアは防ぎきれずに地面に叩きつけられた。

雷が追い打ちのようにセリアの体に降り注ぐ。

土ぼこりが舞い、地面に紫電が走る。やりすぎと言えるほどの、魔法の暴力。


しかしそれでも、彼女はまだ戦えた。腕をゆっくりと動かし、体を起き上がらせる。

剣を杖にして、立ち上がろうとする。


この状態でも立とうとするあり方は、流石原作での生き残りと言えるだろう。

けれどロゼリアはそれすら許さない。


戦うなら徹底的に。

ロゼリア・フォン・エディンバラの代名詞である冷酷無比という言葉を思い出したとき。

セリアの周囲を、8対の光の剣が取り囲んでいた。


それはそれぞれがセリアの首に狙いを定めて浮遊している。逃げ場などない。

圧倒的な質、そして圧倒的な量をもって、ロゼリアは勝負を決めきった。


「……負けました。……制限付きの試験では手も足も出ませんね。」


セリアは悔しそうにつぶやく。

たった3手。たった3つの魔法。それだけでロゼリアは勝利した。

彼女は剣を使わなかった。純粋な魔力だけで、打ち勝った。


セリアの制限がなければここまで一方的にはならなかっただろう。

それでも戦いを見る限り、勝者は変わらない気がする。


少なくともそのくらい、2人には絶対的な差があった。

そしてそれは、私も同じ。


(こりゃあ、追いつくのは大変だ)


優雅に帰ってくる皇女殿下を見ながら、私は内心で溜息を吐いた。
















「皆さん、お疲れさまでした。試験ではありましたが、先輩たちとの戦いで色々と得られるものはあったはずです。同時に先輩たちも、後輩から学べるところもあったでしょう。これからも精進してください」


ベリアル学園長のあいさつが終わり、解散ということになる。

終わった瞬間、私はお姉様に突撃した。


「お姉様!試験どうだった?」

「わっ!エヴァ……うん、勝てたよ。って言ってもセレン先輩がルール違反だったから、ちゃんと勝ったわけじゃないけどね」


お姉様は突然のことにもかかわらず、私のことを受け止めてくれた。

暖かさが体を包み、ホクホクした気持ちになる。

結果としてお姉様の言葉を理解するのに少し時間がかかってしまった。


「え!?お姉様、勝ったの!?すごい!すごいよ!」

「ふふ、ありがとう。エヴァのおかげだよ」


原作でセレン先輩は出てこないので、どのくらい強いのかは分からない。

けれど、エディンバラ学園の3年生で模範生なのだから、実力は十分だろう。

そんな先輩を相手に、試験とは言え勝った。


お姉様の成長を実感できて、まるで教え子が成功したようで、嬉しい気持ちになった。

様子を見る限り、モブ達やユウリィから何かをされた様子はない。

とりあえずは一安心だろう。


(……まあ、モブ達は何か思うところがあるらしいけどね)


遠くでお姉様を睨みつけるモブ達を視界の隅に入れる。

そのまま視線を外し、私はお姉様と一緒に訓練場を後にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  ちょっかいかけて来る連中、十重二十重に罠が張られていそう。  よく人間関係を見ていればこの姉こそが成績優秀者達の中心だと判りそうなものだが。  姉にたどり着く前に影で「お話し合い」を施され…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ