魔法属性
「今、暇か?」
ユリにそうメールをすると
「ちょっと待ってて」
とのことだった。
しばらくすると
「大木の下で待ち合わせしよう」
と返信が来た。
「了解」
手短に返信する。
大木は始まりの街の中心部にあり、よく待ち合わせに使われる。ユリを待っている間にも、パーティーを組んでいそうな集団が、話し合っている。
「お待たせ。それじゃどこ行こっか?」
「フィールドに出てみないか?どんなものなのかお互い知っておきたいだろう」
こうして二人でフィールドに出ることになった。
「そういえば魔法属性選んだ?」
「いや、全く。考えもしなかったよ」
「じゃあ今のうちに決めちゃおう」
魔法属性は4種類ある。1つ目炎、2つ目水、3つ目風、4つ目地。
「この中なら炎を選ぶ」
「私は、水を選んだよー」
「どんな風に使うんだ?」
「ウォーターボール!」
そう言うと、ユリの手のひらに拳3個分の水の玉が出現した。
「で、このまま相手に投げつけるんだけど、モンスターもいないし、そこの岩にぶつけてオッケーということにしましょう」
バシャと音がして水球が弾けた。
魔法もその人次第で汎用性がありそうだ。それなら俺は炎の翼でスピードアップを目指してみよう。炎の翼を出して走る。そうすると、翼が風をきって進み、かなりのスピードに達した。これなら空も飛べるかも知れないと思って、羽ばたいてみた。バッサ、バッサと羽ばたくと、ほんの数センチだがそらを飛ぶことが出来た。
「なにそれ、凄い!」
ユリに称賛されて、若干照れ臭くなる。
「なんというか、ジマは鬼らしくないよね。金棒も使わないし、スピードもあるし」
「まあ、正規ルートからは外れているだろうな。自覚はあるよ」
二人でスライムを狩る。余裕過ぎるのでこんな提案をしてみた。
「スライムをなるべく集めて一斉に倒そう」
「良いね。やろうやろう!」
二人で50匹は集めたスライムを一気に倒すと、スライムキングが出現した。
「やっぱり、数十匹がトリガーになっているようだな。ユリ、片付けてしまおう」
二人が同時に放った蹴りで、スライムキングは動かなくなり、その隙に打撃を叩き込む。あっという間にスライムキングは消滅した。ドロップ品はスライムの核高品質だった。
「それユリにやるよ」
「ありがと!大切に使うね」
始まりの街へ戻った二人は天丼を食べてログアウトするのだった。