サスケ登場
昼飯を食べにライメイさんのお店へ向かう。
「何を食べるかな?」
「ローストビーフ丼があるよ!」
「皆さんは何が良いですか?」
「ローストビーフ丼が良いわ」
「私も」
「俺も」
「じゃあローストビーフ丼五人前下さい」
「あいよ」
やはり牛肉が手に入りやすいためか、牛肉関係が充実している。
「あい、ローストビーフ丼だよ」
「わあ、ありがとうございます」
食事も終わった頃、店内が空いている時をねらって、ライメイに話しかける。
「ライメイさんって職業なんなんですか?」
「職業は料理人だ」
「それってモンスターを狩ってランクアップしたんですか?」
「いんや、料理を作りまくっていたら、いつの間にか料理人になっていたぞ」
「へー、そういう進化の方法もあるんですね」
「確かに生産職の人って全然街の外に出ませんもんね」
「ちなみに、どんな効果なのか聞いても良いですか?」
「おうよ、調理スピード50%アップ。味覚が鋭くなる、の二種類だ」
「どうりで出てくる料理が早いわけだ」
「ライメイさんの料理チョー美味しいしね!」
「へへへ、誉めたって何も出ねーよ」
「そういえばライメイさん。俺達のパーティーは近距離格闘集団ってのにしたんだが、あと一人パーティーに欲しいんだ。誰か良い人知らないか?」
と、リュウが質問する。
「丁度良い人材がいるぜ。そいつは迷いの森を抜けられないでいるみたいなんだ。手伝ってやってくれねーか」
「丁度良いってことは、近距離戦に特化しているのですね。どんな格闘技を使うのですか?」
ナナも興味津々だ。
「ああ、名前はサスケと言ってな。柔道を生業にしているらしい」
「ありがとう、おっちゃん。このまま第五の街へむかえば良いのだな」
「おう。たった今その必要がなくなったみたいだぜ」
お店の出入口に佇むその人は、高身長だった。身長190センチメートルでリュウよりもデカイ。
「ライメイさん、飯食いにきたよ」
見た目とは違い、高い声で喋るサスケ。
「ローストビーフ丼で」
「あいよ」
「あなたがサスケさん?」
エルが話しかける。
「そうだけど・・・悪い。飯を食べ終わってからでも良いか?」
「勿論よ」
そうして運ばれてきたローストビーフ丼を一気に食べ終わると、
「何か用?」
と気さくに話しかけてくるのだった。
「ええ、パーティーメンバーが一人足りなくて困っていたところなの。だから加入してくれない?」
まっすぐ話すエル。
「良いけど、おいらはもう第五の街まで行ってるんだぜ。おたくらはどこまで進んでる?」
「ごっほん。それにはこのユリがお答えしましょう。我々は第七の街まで進んでいます」
ポカンと口を開けるサスケ。
「冗談はよせよな。第七の街に行ったなんて一パーティーしか知らないぞ」
「ですから、その一パーティーが私達なんです」
ナナも答える。
「マジのマジなのか」
「だから、そうだって言ってんだろ」
リュウが若干イラつきながら返答する。
「でも自分より弱い人のパーティーには入らないって決めているんだ」
「じゃあ試してみるか!」
リュウの戦闘スイッチはとっくにオンになっている。
「それならおたくらのパーティーのリーダーと対決してみたいもんですなぁ」
「ジマ、出番だよ!」
「師匠、ファイトです」
「やっちまえ。ジマ」
と、まくし立てられて引っ張り出されるジマ。
「確かに細マッチョで鍛え上げられてはいるが、実戦はまた別問題なのでね」
そう言いながら、ジマのことを品定めしている。
「じゃあ、闘技場の練習マッチで決めようか」
提案するジマ。
「いやいや、どうせ闘技場で戦うなら実戦のほうでしょ。やる気が出るよ」
「そうすると君に黒星がついちゃうけど、それでも良いの?」
ちょっと挑発気味に言ったジマ。
「おいおい、あんまりおいらを怒らせない方が良い。キレちまうと、なにするか分からねーぜ」
「じゃあ決まりだな。闘技場の公開マッチで白黒つけることにしよう」
「こっちはソロで第五の街まで行ってるんだぜ。おたくらパーティーと違ってよ」
サスケが煽ってくるが無視だ、無視。
準備運動をするジマ。
「こっちだけ柔道家なのを知られてるのはフェアじゃないな。おい職業はなんだ?」
「吸血鬼だけど、ムエタイとキックボクシングを使うぞ」
「ふむふむ。なるほどねぇ」
試合開始前、
「全額ジマに賭けるから、それとサスケはパーティーメンバーにならなくても良いから!」
とユリに言われてしまった。
そこまで言われたら勝たないわけにはいかない。
オッズはジマ1.1倍。サスケ100倍と両者共に負けなしなのにとんでもない結果になってしまった。
「あーあ、おいらを怒らせちゃったね。この試合勝ったも同然だ」
試合開始。目突きを狙うサスケに対してスウェーで避けるジマ。そのままアッパーを決める。サスケが流血したことで、ジマの攻撃力20%アップ。
ぐらつくサスケにボディブロー。効いたようで、頭部を下にお辞儀をするような格好になる。フックストレートを入れると倒れそうになる。そこを狙って膝蹴りを顔面に入れる。鼻の折れる感触が伝わってくる。
ジマのK.O勝利だ。
「この場にいる全員ジマに賭けたから、全員儲かったよ!」
と平然な顔をして言ってくるユリ。
その言葉が何より屈辱だったのだろう。サスケは下を向いたまま、耳を真っ赤にし、小刻みに震えている。
ジマの完全勝利で幕を閉じた。




