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VR学園~c.p~  作者: 朔
第1章 鬼編
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百合花と午後練

「昼ご飯一緒に食べようよ!」

「おう、良いぞ」

昼休憩に学食をユリこと本城百合花と一緒に食べることにした。

「エビフライもらいー」

「仕方ないな一匹やるよ」

こんなふうにたわいもない会話をしながら、学食を食べるのも良いことだ。二人は特に付き合っているわけではないが、よくこうして二人でいることが多い。ちなみに、一成は百合花のことが好きだ。


「そうそう。午後練は練習試合しようよ」

「良いな、手は抜かないぞ」


午後練は、サンドバック相手に容赦なく拳と蹴りを叩き込む。肘打ちも忘れない。ムエタイと言えば肘打ちだと考えているからだ。そうして汗を流していると、だんだんと調子が出てくる。


そして百合花との練習試合。

「悔しい。なんでこんなに勝てないんだろう」

一成の勝ちである。それでも百合花はキックボクシングで全国入賞する程の実力者なのだ。ギリリと百合花の歯軋りが聞こえる。これまでも一成に練習試合をせまって負けてきた。そこは一成も真面目に練習しているため、更に言えば男女差が勝敗を分けていると言っても良いだろう。キックボクシングルールで対戦しているので、尚更悔しいのだろう。


「シーピーでは調子良かったんだけどなー」

百合花の言うとおりシーピーではカウンターを貰ってしまい、鼻血のエフェクトが出ていた。現実で百合花相手に鼻血を出させるわけにもいかず、そこは一成が上手い具合に手を抜いている。それにシーピーではまだ体がついてこないというか、熟練度の問題で軌道がずれたり、なんとなく体が重い気がするのだ。


「そういえば、シーピーでは現実で出来ないことも出来るらしいよ。例えば二段ジャンプとか」

「へー、それは面白いな」

シーピーに戻ったら早速二段ジャンプの練習をしなくてはならない。上手くいけば空中浮遊なんかも出来るようになったりしてな、と考える。


VR学園では、好きなときにVRを使って良いことになっている。そしてリアルでも稽古が出来る体育大学のようなものだ。一成も百合花も高校一年生だが、VRが好きに使えるようになる年齢が16歳からなのだ。それまでは義務教育の観点から使用に制限がかかっている。VRは年齢が若ければ若いほど、熟練度が上がりやすいと考えられている。だからこそ、シーピーで稼ごうと考える人達は、世界中高校一年生からシーピーを熱心にやり始める。しかしリアルで積んだ経験が加味されるので、習得には個人差が出る。更に言えば、リアルでムエタイをしたことのない人がムエタイを習得したからといって、リアルでムエタイをしている一成には勝てないだろう。だからこそ、リアルでの鍛練も必要なのだ。


一成は早く海外のムエタイ選手との試合がしたくてたまらない。ゲームしながら、お金儲けが出来るとなれば相手も必死の思いでかかってくるだろう。それでもムエタイで勝って見せると気を引き締める一成であった。

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