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特別魔法使いの学園生活  作者: 桜田実
1年編
2/6

2話

2,部活動勧誘週間

 入学から一週間が過ぎた。今日から部活動勧誘週間が始まる。つまり、上級生が下級生をストーキングする一週間だ。(さすがに学校の外には来ないようだ)俺はその1番の的である。トップで入学したとか、魔法使いだとかいう噂を誰かが流してくれたおかげでこうなってしまったのだ。

「どうしようか...」

俺は休み時間に情報輪(データ・リング)の中にある部活動紹介を見た。正直に言って面白そうな部活動はなかった。

「ウ~ン...」

前で友佳も悩んでいるようだ。周りを見渡していると多くの人が悩んでいるようだ。悩んでいない人はもう部活動を決めているのか、それとも部活動に入らずこの一週間を耐えるというのだろうか。

 さて、問題の放課後がやってきてしまった。終会が終わった直後、勧誘の者共がやってきて、俺の机の周りを囲む。迷惑でしかない。早く帰りたいのに。よく見てみると、囲っているのは運動部のみ。文化部はいなかった。

「ちょっと...考えておきます」

そう言って、逃げるため友佳と急いで帰った。

「大変だったね〜...」

校舎内は勧誘の手でいっぱいだった。文化部は部室の近くで攻めてきた。早く帰りたいのに...という気持ちが伝わってきたので、入学8日目、早くも魔法を使ってしまった。

【移動系魔法 『場所移動(ワーププレイス)』】

【任意の場所にワープすることができる。】

まっ、簡単な魔法で済ませたので、魔法力はあまり消費せずに移動できる。さらに、家が隣で良かった。

 家に帰るなりすぐにテスト対策ならぬ勧誘対策を練った。情報輪の中にある勧誘週間についてのポスターを隅々まで見ていると面白いものを見つけた。それは、

『新たに部活動を立ち上げることも可能』

俺はこれだと思い翌日、友佳たちに伝えることにした。

 勧誘週間2日目がやってきた。友佳に挨拶の次に昨日見たことについて話す。すると、

「面白そう!それならあの人達から逃げられるね」

学校についてからすぐにリュウ(あれからリュウと呼んでほしいと言われた)と櫻をはじめ、学年で同じ悩みを抱えている人たちに話した。すると、

「面白そうだね。やってみよう!」

「そんな手があったか」

「たしかにそれなら面白そうだし勧誘の人たちから逃げられるね」

「それしかないな」

と、意外に多くの人が賛成の意を唱えてくれて部活動必要人数(7人以上)を満たす11人が集まってくれた。だがしかし肝心なところが決まっていない。それは、『部活動名』と『活動内容』だ。どんな名前にすればいいのか。どんな活動をすればいいのかが全く決まらずその日が終わった。

「もっとしっかり考えてから誘えばよかったな〜。でも、後悔している場合じゃないな」

 家に帰り今日の続きを考えていた。が、全く思いつかずだった。翌日の放課後になった。全く決まらずのところに母さんがやってきた。

「どう、決まった?」

「活動内容がまだ」

「なら人助けとかどうかな。うちの学園、助け合い精神が足りないと思うのよ。だからねこの部活からそれを増やしていけばいいと思うのよ。そしたら人気にもなるし、いいんじゃない」

「「「それだ!」」」

こうしてようやく活動内容が決まった。だが看板がない。一体どうすればいいか。

「『魔法研究部』なんてどうかな。人助けもいいけど、魔法についても研究してみたいと思うんだ。魔法についてわかってないことってたくさんあるでしょ。だからこの部でそれを解き明かせば楽しいしすごいと思うんだ」

この提案はとてもいいと思う。だが魔法というものはP≠NP予想並みに難しいとされている。使える本人しかわからないのではと言われているが本人でもわからないことだらけだ。わかってもほんの基本のみだろう。

「魔法というものは本当に難しい。例えるならば、宇宙の原理並みだ。本人でもわからないブラックホールだ。それでもやるか」

「「「うん、やってやるぞ〜!」」」

というわけで部活動名は『魔法研究部』となった。魔法研究部は後にマホ研と呼ばれるようになるが、これはまだ先のお話。一応、部長、副部長、顧問を紹介すると、

「部長 雲田健渡」

「副部長 隅吉友佳」

「顧問 雲田里見」


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健:「今日も今日とで大変だったな」

友:「まあ部活動が決まっただけでもいいんじゃない。人助け、早くしたいな〜」

健:「意外とたくさんの人が賛成してくれてよかったな」

友:「皆頼もしそうだよね。魔法学やろうと思いついた櫻ちゃんもすごいし、やるって言った皆もすごいよ」

健:「今後は大波乱の予感が...」

友:「まあ楽しくやれば波乱なんか来ないよ」

健:「いや外からもそうだけどやっぱり中で起こりそうなんだよな。フラグになんなきゃいいけど」

友:「じゃあなおさら言ったらダメだね。学校生活にも慣れたんだしそんな大問題はないって」

健:「そうだな。よし、明日から人助け頑張るぞー。魔法学もな」

友:「オー」

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