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特別魔法使いの学園生活  作者: 桜田実
1年編
1/6

1話

1,始まりの日

 「今日から俺の学園生活が始まる!」

俺は今、とても胸を高鳴らせている。

 今日はここ、富村学園の入学式だ。俺・雲田健渡はこの学園の試験にトップで受かり、入学することができた。そして、

「お〜い、ハァハァ...健くんったら早く行き過ぎだよ。はぁしんどい」

息を切らしてやってきたのは幼馴染みの隅吉友佳だったら。

「ごめん、ごめん!」

「もぅ、しょうがないんだから・・・」

「・・・じゃあ、指示通り教室に行くか」

このまま突っ立って話していても仕方がないので、教室に向かうことにした。


 まだ式まで時間があるというのにクラスの約7割がもうすでに来ていた。それだけでなく、とても賑やかだ。

まだ会って間もないだろうに。

「ねぇ、君が雲田くん?」

「ん?あぁ」

急に呼ばれたので振り返ってみると、そこには小柄な女の子がいた。

「私は國村櫻です。よっ、よろしくおねがいします」

「こちらこそ、よろしく。櫻」

「隅吉友佳です。よろしくねっ!」

恥ずかしそうにしている櫻に友佳が明るく話しかけた。

「君が噂の雲田健渡くんだね」

「そうだけど、噂のって何?」

「君は、試験をトップでうかったということで同級生にも上級生にも人気になっているぞ。おっと、名乗り忘れていた。僕は神山隆冥だ。よろしく」

そんな、噂になっているとは...ん?『神山』?

「もしかして、神山柔造さんの息子か?」

「察しが良いな。その通り、柔造は僕の父だ」

予想通りの返答だった。神山柔造さんは柔道の選手で、日本の中で「柔道の神」とまで言われている凄腕の人だ。そんな人の息子だとは...隆冥も凄い柔道家なのだろうか?

「ん?どうした?」

「あっ、いや何でもない」

急に黙った俺を心配してなのか、声をかけた隆冥。そりゃ急に黙ったら心配になるよな。

「はいじゃあ皆さん、席についてください」

色々話していたらいつの間にか時間になっていたようだ。そして、担任になるであろう先生が入ってきた。その人物とは、俺と友佳がよく知る人物だった。

「はじめまして、雲田里見です。私が皆さんを入学式場まで案内します」

そう、俺の母・雲田里見だ。


 入学式では入学生紹介やら、入学生代表(俺)挨拶やら、担任紹介やらがあった。計2時間くらいのしきだった。2時間半くらいかかると思ったが、学園長・厚木秀先生の話が短かった。そのおかげで早く済んだ。相場をひっくり返すくらいの短さで助かった。春になってきているとはいえまだまだ寒いのでとても助かった。担任はやはり母さんだった。


 教室にに戻り、俺たちは自己紹介を始めた。

「改めて担任になりました、雲田里見です。1年間楽しくやっていきましょう」

順番は母さんが引くくじによって決められた。トップバッターはこの人だ。

「大橘広夢です。小学校の時に陸上のやり投げで全国3位入賞しました。特技は剣術です。1年間よろしくおねがいします」

ちょっと飛ばして6番目は、

「神山隆冥です。父が柔道家の影響で特技は柔道です。1年間よろしくおねがいします」

更に飛ばして15番目、

「國村櫻です。特技は武器全般ですが特に薙刀です。よっ、よろしくおねがいします」

次の16番目は、

「隅吉友佳です。特技は合気道です。実家が合気道場でしてね。ちっちゃな道場ですけどね。友ちゃんって呼んでください!」

更に飛ばしてラストは俺、(仕組んだのじゃないか?)

「はじめまして、雲田健渡で...す...」

皆が(友佳を除く)目を丸くしている。というかさっきまで噂しておいて気付くの遅くない?母さんのときに気付けよ。

「里見先生の息子です」

やはりか、と言いたそうな目でこちらを見てくる。どうでもいい、正直。だから無視して続ける。

「特技は生まれつきの魔法です。1年間よろしくおねがいします」

また目を丸くする。まぁ、仕方がない。魔法を特技にしている人は少ない。それに、生まれつき魔法を使える人は数十年に一人の逸材と言われている。そんな奴がクラスメイトと知ったら驚くだろう。だがそれだけでなく、だからトップで受かったのかという目もある。

 自己紹介が終わったあとの今でも嫌な空気が流れている。入学早々、妙に目立ってしまった。入学が楽しみで心踊らせ、少しはしゃいでいた数時間前の自分に教えてやりたい、この空気を。一体今後どうしていけばいいのだろう。隆冥や櫻はどう思ったのだろうか。もしかしたらもう話してくれないかもしれない。まぁ、明日からなんとかしていけばいいか。とりあえずは今日を乗り越えよう。


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〜帰宅後の出来事〜

健:「いや〜今日は大変だった。母さんはどうなの?」

里:「慣れてるからね。平気平気!」

健:「慣れてる?過去にそんなことあったっけ?」

里:「色々あるんだよ〜。まぁ、これからがもっとしんどいから、頑張れー」

健:(これ以上しんどいのがあるのかよ)

里:「そろそろ部活動や委員会を決めないとね。そこさえ乗り切ればあとは楽しいから」

健:「?部活動と委員会を決めるのそんなに大変なの?」

里:「学校の風物詩だからね。かなりしんどいよ。動画も上がっているから今度見といたら」

健:(何でもありだな。というか、なぜそれを投稿する)

  「わかった今度見ておく。じゃ、おやすみなさい」

里:「はい、おやすみ」                          

                                      To be continued...

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