表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

初投稿でテスト投稿。完全な見切り発車です。

たぶん長くならないかと。。。

「アルティスミーナ・ローディニア公爵令嬢、貴様との婚約は今日をもって破棄とする!」


 そう声を張り上げたのはクォーツフォルト・フォードクラスト第一王子。フォードクラスト王国の王族の血筋を象徴する輝く金髪と金色の瞳を持つ美丈夫である。

 傍らには青ざめた顔をしたミューズフェル・レイフォス男爵令嬢。潤んだ瞳で震えてる庇護欲をそそるピンクの髪をした愛らしい少女は、男爵令嬢とは思えない髪と同じ色の高価そうな流行の最先端の可愛らしいドレスを身に纏っていた。おそらくはクォーツフォルトに贈られたということは誰の目にも明らかであった。


「殿下。それはどういう意味でしょうか?この婚約は陛下の…いえ、国の決定によるもの。(わたくし)の一存ではお答えできかねます」


 アルティスミーナの凛とした涼やかな声がしんとした会場に響き渡る。クォーツフォルトより淡い色合いだが王家の類縁だとわかる金髪の美しい公爵令嬢は、冷ややかにクォーツフォルトに視線を向けている。


「貴様がミューズフェルに行った卑劣な所業の数々を私が知らないと思ってたのか!」

「何を仰っているのかわかりかねますが…。そちらのミューズ…フェル様??とは1度だけお話させて頂きましたが、それ以外は…数々の所業と言われましても」


 怒りを(あらわ)にするクォーツフォルトに対して、アルティスミーナは平然と頬に手をあて困ったわと首を傾げていた。


「何を言うっ!貴様の所業はコイツらも承知しているのだぞ!」


 バッとマントを(ひるがえ)す先にはクォーツフォルトとミューズフェルを囲み、そしてミューズフェルを守るように4人の上級貴族、それも国の重要な地位にいる人物の令息達が並んでいる。


「ですから、その所業というもの……あら、そちらの方、随分具合が悪そうですけど大丈夫ですの?」


 ふぅ、とため息まじりに言葉を発したが、ふとミューズフェルに視線を移したアルティスミーナは気遣わせな表情に変化する。クォーツフォルトの横に立っていたはずのミューズフェルが当初よりもさらに顔色を悪くし、手で顔を覆い隠すようにして今にも倒れそうな(さま)であった。


「ミュ、ミューズフェルっ!!」


 慌ててミューズフェルをクォーツフォルトが支え、その周りに集まる令息達。心配そうに顔を覗き、キッとアルティスミーナを睨み付ける。その視線は人も殺せそうなほどである。


「こんなに怯えて…貴様が!貴様のせいでっ!」



 ここ王立魔術学園。卒業記念の舞踏会。

 きらびやかなこの会場で、皆の視線を集めているミューズフェルといえば……ちっとも大丈夫ではなかったのである。



 ◆◆◆◆◆



(…痛い!痛い!痛い!)


 冒頭の婚約破棄の(くだり)で既視感に(とら)われた瞬間、走馬灯のように自分の?他人の?と思われる記憶が(あふ)れてきた。その怒涛の記憶の洪水にミューズフェルの身体が脳が感情が悲鳴をあげていた。



 ◆◆◆◆◆



(みやび)ちゃ~ん。聞いてよ、聞いてよ~。とうとうクツ君とゆかいな仲間達ゲットしたよ。ふふふ。逆ハーレム達成!」

「あんたクツ君って。そんな履きそうな略し方しなくても」

「えー。でも公式だよ?クォーツフォルトなんて長いしー」

「しかも逆ハーレムってことは…アル様だっけ?と婚約破棄したってことでしょ?でも鈴華(りんか)って麗しのアル様~とか言ってなかった?」

「アル様も素敵だけど…でもクツ様は絶対渡さないよ!ミューちゃん(わたし)のものです!」

「はい、はい」



 ◆◆◆◆◆



 ここではない場所でのやりとり。

 地球の日本と言われるあの場所での記憶。


(……って、これってラノベとかでよくある異世界転生ってヤツ!?…え?じゃあ私は死んだの!?………え?ちょっとまって。クォーツフォルトとアルティスミーナそして私がミューズフェル……。これって鈴華(りんか)が好きだった乙女ゲームじゃない!?)


 鈴華(りんか)の好きだった乙女ゲームは数多くあったが、現在(?)イチオシのゲームだったはずである。ちなみにタイトルは覚えていない。それというのも(みやび)は乙女ゲームに全く興味が持てなかった。

 鈴華(りんか)の猛プッシュに負けて1度やったことがあったが、キザでくさくて甘いセリフを臆面なく主人公(こちら)に向かってささやいてくると、鳥肌が立つぐらいの嫌悪感で精神的に受け付けなかったのである。


(そもそも婚約者いるのに他の女に(うつう)抜かしやがって、自分のことを棚に上げて断罪して婚約破棄っておかしいでしょっ!……って、他の女って私じゃんっ!)


 セルフ突っ込みである。

 そして悲鳴をあげている身体を少し上げ、チラっと周りの令息達を見る。


(うわっ!全員いるじゃん!鈴華(りんか)の言ってた逆ハーレムだよ、これ!みんな婚約者いるんでしょ?大丈夫か、この国!大丈夫じゃなくしたの、私かよ!)


 再びセルフ突っ込みである。

 段々とミューズフェルと(みやび)の記憶が混合していくのを感じる。


(でも転生ってことは(わたし)は死んじゃったんだよね。確かすごく揺れて…地震かな?本棚が……あれ?埋まった??)


 作者も気を付けなくてはいけない案件であった。


(ってか、乙女ゲームの婚約破棄で転生って、転生先は悪役令嬢の方でしょ!なんでヒロイン!?何、この髪!このドレス!ピンクってこんな卑猥色あり得ないでしょ!?こんなドレス贈るなんてクツって趣味悪いの?って、ねだったのって私じゃん!)


 3度目の正直になるか、セルフ突っ込み。

 元来(みやび)はシックな色合いが好みであり、2つの記憶が混ざりあった結果、(みやび)の記憶が強く出てきているようであった。


(だいたいさ。私の体調に1番気づいてくれたのってアル様でしょ?アル様の紺色のドレス素敵だなぁ。こんなの(クツ)と婚約破棄で正解だよ。……って、ダメじゃん!婚約破棄・悪役令嬢とくれば「ざまぁ」がラノベの定番じゃん!婚約破棄後に私、「ざまぁ」されちゃう!?)


(ダメ!婚約破棄なんてさせないから!)






悪役令嬢転生好きだけど、たまには婚約破棄でこっちに転生した主人公でもいいじゃないかと。

思い付きでここまで書いたけど、オチどうしようかな?←まて、コラ(゜Д゜#)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ