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なまけものは、今日も修羅の道を行く  作者: 闘者 在前
第二章
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再会

 兵士から話を聞いたアレクシがレオンハルトと兵士に何やら指示を出している。

 周りで見ていた城の者達はレオンハルトの戦いが見られるのでは?と期待して待っていたが、諦めた者から自分の仕事に戻っていきつつある。

 そしてイツキの所にリーナがやってきた。

「凄いな、お前は、あのキエリを子供を相手にしているみたいだったな」

「あの、村長、ちょっと聞きますけど、王女様は誰に剣を習ったんです?」

「あぁ、それならキエリの祖母のリサ様に最近まで教わっていたはずだ」

「そうですか」

 イツキは何かに期待していたが期待外れだった。

「そういえば、お前はキエリの真似をしていたのか?最後の技なんて同時に繰り出していたな、いったいお前はどこまで凄いんだ」

「そんな大した事じゃいですよ」

 そこにアレクシがやってきた。

「イツキ君、待たせてしまってすまない、実は頼みたい事があるのだが、聞いてくれるかね?」

「頼みですか?聞くだけは聞きますけど、ご期待に添えるかどうかは分かりませんよ」

 イツキは内心、面倒臭いと思っていた、一方リーナは黙って話を聞いている。

「そんなに身構える様な事では無いのだよ、実は私の母が君に会いたいと言っているらしくてね、今自分の部屋で待っているらしいのだが、どうだろう?」

 話を聞いてイツキは少し考え込んだ。

(国王の母って事は王女様の婆さんって事か、王女様に剣を教えてた本人に会えば何か分かるのかも、だけど何で会いたがっているのかが分からない)

「そんなに時間は取らせないと思うのだが」

「分かりました、折角会いたいと言ってくれているのですから、お会いします」

「そうか、ありがとう」

 今迄黙って話を聞いていたリーナが口を挟んできた。

「アレクシ一つ聞いても?」

「何だいリーナ」

「リサ様本人が言ったのか?」

「そうだとも」

 リーナは釈然としなかった、リーナが知っているリサならば、初対面の者を自分の部屋に招く事などありえないからだった。

「リーナ、君も一緒に来るかい?君が来てくれれば母も喜ぶだろう」

「あ、あぁ、そうさせてもらう」

「では二人共、そこの兵士に付いて行ってくれるかね、控室で少し待っていてくれ」

 イツキとリーナは兵士の後ろをついて行った。

 控室に着くまでと着いた後も二人は無言だった、それぞれ考え事をしていたためだ。

(ここはオレの居た世界じゃ無いはず、にもかかわらず乙葉の技があった、何でだ?こっちの世界でも同じ事を考えた一族でもいたのかなぁ)

(どうしたというのだ?リサ様らしくない、イツキの事を知っている?イツキは村に来る前王都に居たとか?)

 そして間もなく二人はリサの部屋に呼ばれた。


 先に部屋に入ったのはリーナだった。

 部屋の一番奥にリサが椅子に腰かけている。

 そして今この部屋にはアレクシとハンナ、つい先程目を覚ましたキエリとメイドのノーマがいる。

「リサ様お久しぶりです、お体の方はどうですか?」

「リーナ!久しぶりね、体の方は相変わらずよ、あなたは元気そうね」

「おかげさまで、元気にやらせてもらっています」

 そう言った後リーナは後ろを振り向いた。

「おいっ、何をしている、お前が呼ばれたんだ、早く入ってこい」

 リーナに言われるがままイツキが部屋に入って来た。

「分かってますよぉ、こうゆうのって何か緊張するんすよねぇ」

 部屋に入って来たイツキの姿を見たリサが椅子から立ち上がった、信じられないと言う様な顔をして、そして体は少し震えている。

「やっぱり、本当に、本当に、樹だった」

 リサが少しずつイツキに近づいて行く。

 リサから名前を呼ばれたイツキはリサの顔をまじまじと見る、確かに初めて会ったはずなのだが、前から知っているような変な感覚がしている、が、出てきた言葉は。

「あのぅ、すいません、どこかで会いましたっけ?」

 そう言われてもリサは徐々にイツキに近づいて行く。

 キエリが警戒して剣に手を掛けたがアレクシに止められていた。

「樹、私よ、分からない?優奈よ、如月優奈、私の事、忘れてしまった?」

 イツキはその名を聞いて心臓を撃ち抜かれた様な衝撃を受けた。

「えっ!」

 イツキがもう一度よくリサの顔を見ると確かに面影がある、優奈が歳をとったらこんな感じになるのだろうと。

 リサはイツキの前まで来ていた、そしてイツキの手を取った。

「樹、あなたはあの時とあまり変わっていないのね」

「あの時って?」

「この世界に飛ばされてしまった時の事よ」

「飛ばされた?」

「覚えていないの?二人で私の家の裏山にある神社で遊んでいたら突然目の前が光って」

 イツキはあの時の情景を思い出していた。

「本当に?本当に姉ちゃんなのか?」

「そうよ、まだ子供の頃、樹と旭と私、三人でよく遊んだじゃない」

 リサはそう言うとイツキの胸に顔をうずめた。

「姉ちゃん、優奈姉ちゃん、本当に?」

 イツキはリサを優しく抱きしめた。

「あぁ、樹、またあなたに会える日がくるなんて思いもよらなかった・・・」

 リサはイツキの胸の中で泣いていた。

 そしてこの様子を見ていた周りの五人には、一瞬リサの姿が少女の頃に戻った様に見えたのだった。


 そしてここでアレクシが申し訳なさそうに切り出した。

「お母様、私に昔話してくれた事は本当の事だったのですね?」

 キエリもこれに続く。

「お婆様、私はお婆様の話を殆ど信じていませんでした、また詳しく話して頂けませんか?」

 リサはイツキの胸から顔を上げ涙を拭った。

「そうね、ゴメンなさい、年甲斐もなく感極まってしまったわ」

 そう言うと、イツキの手を引っ張り部屋の奥に誘導し話出した。

「どこからどう話せばいいかしら、まずはアレクシとキエリと私の旦那である先代の国王、私の過去の話を聞いてもらったのは三人だけです、信じてもらえると思っていなかったですからね、案の定ここに居る二人は半信半疑だったみたいね」

 リサはイツキの方を見た。

 そしてイツキもリサを見て頷いた。

 リサは、まず最初にイツキとの関係から話始めるのであった。

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