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なまけものは、今日も修羅の道を行く  作者: 闘者 在前
第一章
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姉妹の決断

 次の日の朝、イツキが目覚め部屋を出ると村長がいた。

「おはようございますイツキ殿、よく寝れましたか?」

「おはようございます、おかげさまでいつもより起きるのが遅くなっちゃったな」

「朝食の用意もしてあるので、ゆっくり食べてくだされ」

「ありがとう、そうさせて貰うよ、それと二人はまだ寝てるの?」

「二人は起きると食事も取らずに両親の墓に行きました」

「そんじゃ、オレも先にミアとミラの両親に挨拶してくるか」

 イツキは家を出て二人の所に向かった。


 二人は両親の墓の前に立っていた、イツキは二人の後ろに立ち声をかけた。

「オレもご両親にあいさつさせてもらってもいいかな?」

 二人はそこで初めてイツキに気が付いたようで、ちょっと驚いた感じで左右にズレてイツキを見た。

 イツキは地面に正座をして正面で手を合わせ目を閉じた。

 そして目を開けて立ち、ズボンに付いた埃をはらって、二人の頭に手を乗せて言った。

「よし、二人共飯を食いに戻ろうか」

 すると姉のミアが

「イツキ、本当に戻ってきてくれたんだね、ありがとう」

「約束しただろ、必ず戻ってくるって」

 そして今度は妹のミラが

「でも悪い人達に、イツキが負けちゃったらどうしようって」

「こう見えても、オレってチョット強いみたいだからな、あんな奴らには負けないさ」

 そう言って、イツキは二人の背中を押しながら歩き出そうとした。

 しかしミアがイツキの手を取り握りしめながら言った。

「イツキ、お父さんもお母さんも死んじゃった、お家も焼かれて無くなっちゃった」

「うん、村長から聞いたよ」

 今度はミラがイツキの逆の手を握りしめて言った。

「私達これからどうしたらいいのかな」

 イツキはしゃがみ、二人を見て、わざと少し突き放すように言った。

「これからどうしたらいいかなんて他人に聞いてどうするんだ?もう無条件で何でも助けてくれる両親はいないんだぞ、肝心なのは二人がこれからどうしたいか、じゃないか?」

 二人は下を向いて黙ってしまった。

「そんなに難しく考えなくていいんだぞ、例えばこの村に住んでいたいとか、将来は医者になりたいとか、そんなんでいいんだ、まだ子供なんだからな、そうすれば周りの大人達が助けてくれるさ」

 するとミラが恐る恐る聞いてきた。

「イツキも私達を助けてくれる?」

「当たり前だ」

「本当に?」

「約束する」

 二人に笑顔が戻った。

「そうそう、そうやって笑ってれば二人共可愛いんだから、誰だって助けたくなるさ」

 二人の頬が赤くなった。

「そんじゃ、朝飯食いに行くぞ」

「うん」

 二人は声をそろえて返事をした。


 村長の家に着き三人で食事をしていると村長が声をかけてきた。

「やれやれ、やっと二人の顔が元に戻ったね、何かあったのかな?」

 二人は顔を見合わせて、にっこり笑い合ってからミアが口を開いた。

「村長、私達決めたの、これからの事」

「ほぅ、何を決めたのかね?」

 村長の質問に満面の笑みで、今度はミラが答えた。

「私達ね、イツキのお嫁さんになって、イツキに色々教わって強くなるの」

 横でイツキは吹き出している。

「ブーーーーーーーーーーーーーーーー」

 ミア 「イツキとずっと一緒にいて、強くなって、困ってる人を助けるの」

 イツキ「もしもし、お二人さん?」

 ミラ 「イツキも私達の事かわいいって言ってくれたし、協力してくれるって言ってくれたの」

 イツキ「いやいや、二人ともまだ十二歳でしょ?少~し早いんじゃないかなぁ」

 ミア 「今はまだ小さいけど、すぐにアシリアお姉ちゃんみたいに背もおっぱいも大きくなるんだから」

 イツキ「おっぱいもって言われても」

 ミラ 「やっぱりイツキもおっぱいが大きい方がいいの?」

 イツキ「いやね大きさもさることながら、形も大事なのだよ」

 ミア 「それでも大きい方がいいんでしょ?」

 イツキ「その認識は間違ってるぞ、小さいのも小さいなりによくてだな」

 ミラ 「イツキはおっぱいなら何でもいいのね、この浮気者ぉ~」

 イツキ「何でもいいなんて言ってないだろうって、ちが~う、どうして二人がオレと結婚する事になってんだ?」

 村長 「イツキ殿はお嫁さんに主導権を握られる類ですな、ですがイツキ殿、約束通り二人の事をよろしく頼みますぞ?」

 村長はミアとミラに向かってウインクをしている。

「まぁ、昨日村長と約束しちまったからな、二人の事は面倒見るよ」

 イツキはそう言うと席を立ち、家の外に出て行った。


 イツキは外に出ると大きく伸びをした。

 そこにミアとミラが少し遅れてやってきて、イツキにしがみついた。

 ミア 「ありがとうイツキ、また助けてくれて」

 イツキ「お礼なんていいさ、だけどお嫁さんは無しだからな」

 ミラ 「私達じゃ嫌なの?それとも他に好きな人がいるの?」

 イツキ「嫌じゃないさ、だけど結婚っていうのは、ずっと一緒に居てお互いの事をよく知ったうえで、それでも一緒にいたいってなって初めて成立するもんだ、オレ達はまだ出逢ったばかりだろ?」

 ミア 「私達ずっとイツキと一緒にいるもん」

 イツキ「それとな、オレのいた国では女の子は十六歳にならないと結婚出来ないんだ」

 ミラ 「え~、そんなに待たないとダメなの?」

 ミア 「それじゃぁ、それまではイツキお兄ちゃんだね!」

 イツキ「そうだな、それでいいんじゃないか」

 イツキはしゃがみこんで二人の頭を撫でた。

 すると二人がイツキの両方の頬にキスをし、ミラがこれ以上ない笑顔で。

「お兄ちゃん、これからよろしくね」

 続いてミアも負けんばかりの笑顔で。

「私達をよろしくお願いします、お兄ちゃん」

 イツキは感慨深い思いがした。

(もしかしてこれが萌えってヤツなんじゃないか?妹なんていなかったからよく分からないけど、なんといっても二人共美少女だし、いいもんだなぁ)

「ハハハ、お兄ちゃんか、少し照れるなぁ」

 イツキは立ち上がり、もう一回伸びをした。

「それと、これなんだけど」

 ミアが少し言いづらそうに言いながら、二人がポケットからある物を出した。

 それは、イツキが預けていたメダルだった。

「これ、貰っちゃダメ?」

 ミラが申し訳なさそうに言った。

「こんな物が欲しいのか?」

 二人が頷く。

「しょうがないな、二人にあげるよ」

「やったぁ~」

 二人同時に声をあげ喜んでいる。

「よし、それじゃあ村長に挨拶して、ノネット村に帰るとするか」

「うん」

 二人が元気よく答えた。

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