第16匹 黒い物体G。
※注意※
タイトルで「黒い物体G=ゴキ(ピー)」という公式を立ててしまった方。
残念、ハズレです。常識的にはアタリですがね^^
帰り道、セミの声がどこからか聞こえました。
家で、妹がカキ氷機をゴリゴリと回していました。
物置から、扇風機を引っ張り出しました。
昨日から、長い休みに入りました。
こんな現象が頻繁に見られる季節はなんでしょう?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
SO!『夏』!!!
ここで『冬!』なんて答えた奴ぁ、病院行きやがれ!どこも悪くなかったなら、日本の季節感をちゃんと身に付けろぃ。
ちょっとはしゃぎました、あんず飴です。
夏ですよ。夏なんですよ。
「だからなんだ」なんて言わないで下さい。そこは抑えてください。
アブラゼミが鳴いてるんですよ。夕方になるとヒグラシの声も聞こえてくるんですよ。
妹がカキ氷機を回してるんですよ。母が丁度買ってきたメロンシロップを程よくかけて、食べてたんですよ。
私の隣で、扇風機さんが頑張って働いてくれてるんですよ。おかげで快適なんですよ。
昨日から、「夏休み」と言う名の長い休みに突入したのですよ。宿題凄いけど。終わらないよ。私が終わっちゃうよ。
学校からの招待状(つまり補修)も来なかったし、一先ず安心なんですよ。
あー、ホントに良かったぁ。正直ヤバかったんですよね。招待状、絶対来ると思ってました。去年は来たんで。
・・・・・・・と、こんな感じで今年の夏は幕開けしました。
私は夏生まれなので、夏は好きです。
別に夏生まれだから夏好きになるっていう根拠はないですが。
少なくとも、私は夏生まれで夏好きです。
夜とか暑くて眠れないけど。
そして、今日の様に虫達が喚き叫んでいるのを聞くと、いつも思い出します。
昔々の夏を・・・・・・・・・・・・・・・・・。
あ、注意点を言っておきますが、この『昔々の・・・』のくだりで何か「良い感じ」のお話を想像した方。
すみません、全くロマンチックでもなければ、ファンタジックでもありません。
いつも通りのくだらない話です。や、不思議な体験ではあったけどさ。
では、話を戻しましょう。
あれは確か、私が小学生の一年生だったか二年生だったかの夏。
すみません、ぶっちゃけ時はよく覚えてません。だってちっちゃかったし。
その日は青空で、私は水色ドットの半袖を着ていたんじゃないかなぁ、と思います。
妹、友達とマンション付近で遊んでいました。
しばらくして家に帰る事になり、同じマンションに住んでいる私達は同じエレベーターに乗ろうとしました。
エレベーターのドアを開けると、そこには先客が。
それは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
でっかいゲジゲジ。真っ黒。
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
「「「うわああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」」」
非命。じゃないです。姫井。あ、これも違います。
悲鳴。これが正解。誰だ、姫井って。
私達三人は姫井・・・・じゃなくて悲鳴をあげて立ち尽くしました。
だって・・・・ねぇ!?
誰もいないはずのエレベーターのド真ん中に、黒い物体Gが張り付いてるんですよ!?あ、ゴキブリじゃないですよ。
しかも大きい!!今まで見た中で一番大きい!!
多分これじゃ大きさは伝わらないと思いますが!
とりあえず、自分の顔の一.五倍位のの大きさだと思ってください。
想像してみてください。気持ち悪いでしょう?今の私なら飛びついて写メを撮りますが。
その頃は私も可愛げのある子供だったため、流石に怖がりました。
そこへ駆けつけた近所の奥様も、それを目撃。
「イヤッ、何これ!?」
「げ、ゲジゲジ・・・・・・?」
「エレベーターに乗ってちゃ困るわよね」
と、なぜか冷静に分析。
そして、手に持っていたらしき日傘で攻撃。
ぇえ!?攻撃しちゃって良いんですか!?つーか奥さん怖い物無しっすか!!
ここから、私の記憶は途切れています・・・・・・・。
結局、階段で家へと帰り、暫くしてからエレベーターを恐る恐る見たら、もうゲジゲジは居なく、どこかへ逃げたらしい事は
覚えてるのですが。
つーか逃げたら逃げたで、どこへ、どうやって逃げたのでしょうか。すっごい謎です。
あんな大きいのがモゾモゾと動いてたら人に見つかるでしょうし、何よりもあの密閉された空間からどうやって抜け出したのか。
管理人さんか何かが追い出したのですかね。多分そうだな。
『嘘の様な本当の話』とはこの事かもなぁ、と、未だに夢か現か分からないのです。
もしかしたらなんかの見間違えかも、なんて思っていても、妹もしっかり覚えているので現実だと思い知らされます。
あのデカゲジくん、この近くの森かなんかに居るのでしょうか。
居たらもう一回見たいなー。でもエレベーターに出るのは勘弁してくれ。心臓に悪い。
こんな昔話を、私はこの季節、虫が喚き足掻く頃に思い出すのです。
また出ないかな、デカゲジくん。
今度はマンション内に入ってこないでね。
奥様に潰されるよ。
ビックリでしたよ。
「夏の虫さんBIGりフェアー」ですよ!
さ、寒いって言うな!!
あ、意味の分からない方はそのままで結構です。知って得する事でも無いので^^;ただのダジャレです。
それでは、夏の幕開けでぇす〜♪