表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄たちの回廊(Ⅱ)  作者: 松本裕弐
【元勇者と仲間達の回想録】
91/187

【57話:サギーナの日記編(マギとの出会い)!】

 蜘蛛の姿の時には想像も出来なかったけど人の身体を取り戻したマギは……マギル・ビンチ嬢は其れは其れは娟麗美貌けんれいびぼうなる美女の姿だったのね。

 暫くはマギの裸身に見とれていた私が其処そこに居たの。女の私が言うのも何なんだけれど美しかったのよ、見惚れるほどに……。

 自分がそんな状態だったからラリーも同じだと思ってたわよ、なのでハッと気付いた時には身体が先に動いていたのね。もしかしたらって持っていた予備の湯浴み着を手に駆け出していたわ、その美しくも凄艶な裸体を覆って隠したのその湯浴み着で――ラリーの視界から。

 それから、マギの話しを聞いたの何故なぜ蜘蛛の姿をしていたのかと昔の事を……。

 数百年前の魔王族との話しとか、魔界の魔女の話とか私の理解の範疇はんちゅうを越えた話しをマギはしていたわ。ただ、今回の解呪の件でマギはラリーと私の下部しもべとなることわりがその呪いにあったみたいなの、其れでマギはラリーにひれしたのよその躰ごとご自由にって。

 私はマギには到底勝てないと思ったわ、その魔力の能力と女としての魅力にも――絶対に無理と感じていたわ。それでラリーの采配をどきどきしながら待っていたの、でもラリーはあっけらかんとしたものだったのよ、ほんと何のこだわりも無い様に。

「俺は臣下をとる程の者では無いし、その気も無い! サギだってそうだと思う」

 だって、たったひと言其れだけだったわ。無論、私も即座にラリーに同意したわ。私だってそう思っていたもの。

 マギはその言葉にポカンとしていたのね、“信じられない”ってみたいで……その後の事なのマギが私に言ってきたの。


「サギっ、御免なさい、先に謝っておきます――ラリーの事が私も大好きになりました、サギには悪いけどあなたとは恋敵として是からは付き合いますから……」

 そんなマギの恋敵宣言を受けて私は思わず叫んでしまったのよ。

「えっ――――っえ~! そんな~ぁ!」

 たぶん、もう悲鳴だったと思うわその時は。

 それからというもの私の心は不安の塊になっていたと思うの、だってマギが本気になってラリーを追いかけたら、絶対負けますもの。そう信じ切っていたのね私は自分に自信が無かったの。

 そんな私の気持ちを知ってか知らずかわからなかったけどラリーは私に少しは自信をつけてくれる様な優しい言葉を投げかけてくれたわ、嬉しかった。

 マギがそんな私達のやり取りを見てか、その場は私の方がラリーの気持ちを引きつけているって言うんで身を引いてくれたわ、残された私とラリーで温泉に浸かって色々と話し込んでしまったのね、その後は……お陰で二人とも湯あたりをしてしまったけど。


 次の日の事だったの私の心配していた事が起こったのは、そうマギがラリーの寝床に夜這いっ? 朝這い? を掛けてきたんですわ! 何でわかったかって――其れは……それ、なにあれですの女の勘って奴ですわ!

 マギが其れはもう妖艶な下着一枚の姿でラリーの上に馬乗りになっていたのを目撃したの。それはもう――すんでの所だったのね。ラリーの部屋のドアを蹴破って私は中に這入っていったわ。

「そこまでぇ~っ――マギっ! めなさい~っ!」

 って叫んでいたの、私! ラリーを取られてしまうってただの嫉妬の塊になっていたのねその時は。

 それから、マギの反撃があって私は窮地に陥ったの。そう、ラリーの首にちょっとした魔術を仕込んだお札を貼り付けておいたの、そう昨夜、温泉に入っていた時に他の女性除おんなよけのまじないとしてですわ、そうですわそれ以外の気持ちはありませんから。

 そんな私の気持ちを解っているのかマギの暴露は容赦が無かったですわ、ほんと私は恥ずかしさで顔を真っ赤にして穴があったら這入りたいばかりの状況に陥っていたの。ラリーにばれてしまった事が恥ずかしくてずっとしょげていたの、そうしたらマギが言うのよこんな風に!

「サギっ、そんなにしょげる事は無くてよ。さあ、あなたの想いをしっかりとのニブチンに言ってあげなさい」

 その言葉を聞いたら私もなんだか開き直ってきましたの、ラリーに自分の思いの丈を全てさらけ出して言い切ってしまおうと――ラリーがニブチンだから悪いのよってね!

「私、ラリーが大好きっ! マギには負けるけどっ、ラリーを取られるのは、私を忘れちゃうのはいやっなの!」

 って最後は泣きながら告白していたのね、私っ!

 あとから思い出すとほんと恥ずかしい気持ちで一杯ですわ、でも言い切ってしまって気持ちはすっきりしたのね――良かったと思っていますのよ。マギにしてやられたって感じでしたわ。

 私の告白の後はラリーの言葉を恐る恐る待っていたのね、針のむしろに座らせられていた感じでしたしんぞうが早鐘の様に鼓動を打ち続けるのを自分でも感じていたの、皆にも聞こえているんじゃ無いかと思ってびくびくしていたわ。あとラリーの声が凄く遠くに感じていたみたい私の身体が私のものじゃ無いみたいな感覚を感じていたのね。そしてラリーの言葉が私の心に響いてきたの――すっと気持ちの中に這入ってきてくれる感じでしたわ。

「俺もサギの事が大好きだ! 其れは間違いないし自信を持って言える事だと思う。ただ……」

 ラリーのその台詞を聞いた時はもう、“大好き”の言葉だけで私の心は嬉しさ一杯でした。その後に続く言葉は私にちょっとだけ不安を与えたけど其処はもう私には大きな問題じゃ無かったのよ。だってラリーが私を好きでいてくれるなら其れで良いのよ、ラリーが魔王でも勇者でもどっちでも良いのあとは私がラリーについて行くだけの事だから。

 その後はウギが部屋に来たわ、そうしてマギとの初対面――ウギってこう言う時は凄いなって思ったの、マギに全然後れを取らないのよ、まあ、変な所で天然のボケがあったけど。

 だからね、マギとラリーと別れたあとでウギと相談したの――このままではラリーの足手まといにしかならないって、ウギもマギの隠れた力を感じていたみたいで魔術力をあげないとラリーやマギには到底勝てないと思っていたみたい。まあ、二人に勝つ気は無いけどそれ位の気合いで望まないとね。

 だから、ヴィエンヌ城下の巡回警備の方はマギに任せて私達二人で魔術の修行をしようと決めたの。

 あと、巡回警備の方にはリアーナお嬢様も一緒だから、其れを見て嫉妬に駆られる自分になるのが嫌だったから――それならラリーから必要とされる位の魔術力をつけて、自分に自信を持たせる方が良いと思ったのよ……勿論、ラリーには内緒よ!

 だから今日からはラリーとは別行動なの、もしもの時の為にマギには正直に話しておいたわ。

 マギったら笑いながら引き受けてくれたの“ラリーには内緒ってね”!

次回【58-1話:ヴィエンヌ城下の巡回警備!】を掲載いたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ