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英雄たちの回廊(Ⅱ)  作者: 松本裕弐
【元勇者と仲間達の回想録】
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【56話:サギーナの日記編(マギの解呪)!】

 皆さんおひさしぶりです、サギーナ・ノーリの乙女日記で~す。暫くぶりなので初めましての方も結構いらっしゃいますか? わたくしサギの独り言にしばしお付き合い頂ければと思いましてよ。

 先日、そう数日前の夜の事でしたわ、私が部屋でそろそろ寝ようかなって思っていた時に部屋のドアをノックする音が聞こえたの、こんな深夜に誰かなって……ラリーだったら嬉しいなって思ってドアを開けてビックリしましたわ、だって本当にラリーが其処そこにいたんですから。

「えっ、ラリーっ? どうしたの? こんな夜更けに?」

 私は嬉しさともしかしてラリーが私のところにお忍びで……って言う期待があった気持ちを悟られ無い様にって考えていると彼の顔をまともに見れなかったのね。俯き加減で返事をしていたらラリーは勘違いしてしまったらしいの。

「あっ、サギごめん寝てたよねっ、悪かった――だったら明日でいいよ……また明日――おやすみなさい……っ」

 そうな風に挨拶して帰ろうとしたの……んっ、もう、まったくニブチンなんだからっ!

「待って! ラリーっ! 大丈夫よ、まだ起きてたから……用があるのでしょう? なあに?」

「ああ、サギいいのか?」

「んっ、いいですわよ」

「あの~っ――今からで悪いんだけど……ちょっと俺の部屋にきてくれないかな~ぁ?」

 え~っ、ええ――――ぇ、ラリーからのお誘いっ! 夜にっ! 私いっきに心臓が早鐘を打つ様に鼓動が早まりだしたのを自分でも感じたの! 嬉し恥ずかしの気持ちで混乱したわ。

「あっ、都合が悪かったら無理にとは言わないから……ダメかな?」

 ラリーが申し訳なさそうにモジモジしながら聞いてくるの――んっもう、ダメなわけ無いじゃ無いですか! って、心の中では思いっ切り叫んでましたわ。

「行きますわ、でもちょっと待って下さいますか、着替えてくるので――」

 そうなの、ドア越しで顔だけ出してラリーと話をしていたからラリーには見えなかったと思うけど今、私の寝間着ねまきはちょっとラリーには刺激的すぎると思ったわ、だってシースルーなのあと、寝る時は下着を着けない派なの私っ!

 扉を閉めてから急いで服を着替えたの取り敢えずって言う風でちょっと色気が無かったかしら。

「ラリー、お待たせっ!」

「んっ、それじゃ……悪いけど俺の部屋まで一緒に来てっ」

「えぇ、いいわ」

 もう、どきどきものだったのに――っ、ラリーったら何か普通なんですもの? もしかして私だけ? って思っちゃいましたわ。


 ラリーの部屋に這入った所でいつもと変わらないラリーの様子に私の心も少し落ち着き掛かってきたものの、どきどき気分は治まらず自分の顔がいつもより少し熱いのがわかったわ。

「サギ、悪かったなぁ、こんな遅くに呼び出して――もう眠るところだった?」

「ううん! ラリーっ? な~ぁにこんな夜更けに私に用があるって? あっ、夜遅くに呼ばれるのが嫌って言うわけでは無いから……誤解しないでね、ぜんぜん嫌な気持ちは無いんだからね、ねっ」

 何か言い訳がましい返答になったけどほんとラリーの事だからちゃんと言っておかないとね誤解されたら――って思ったのよ。結局は私の早とちりだったのだけれど。そうしたら、私の顔を見たラリーは何を言うかと思えば、こうきたのよ。

「あっ、俺の部屋が暑かったか? 窓を開けようか?」

 ですって、鈍過ぎるんだから……んっもう!

「えっ、なんで? 別に暑くなんかは無いよ……大丈夫だから――ねっ、隣に座ってもいい?」

 しょうが無いから私の方から強引に行こうと思ったのね……この時は!

「でっ、な~にぃかな~ぁラリーが呼んでくれた用事って?」

 今だって思ってラリーの隣に座ったと同時に彼の肩に身体を預けたのね大胆にも、うふっ。

 これから起きる事をどきどきしながら待ってたのよ、ラリーが私を――ねっ!

 そうしたらよ――ビックリしましたわ。どこからともなく声が聞こえてきたんですもの。それも私の心の代弁の様にラリーをニブチンって!


 “そろそろ宜しいでしょうか?――其処そこのにぶちんの坊やに何を誘いかけても無駄だと思いますわよ、流石にあなた達のラブコメ芝居を見ていると此方の方が照れてくるわね”


「えっ、誰っ? 誰かいるの?」

 私は一瞬パニックになったわ、だってラリーと二人きりだって思っていたんですもの。それをしっかりと傍から見ている様な口ぶりの物言いで……しかもラリーを見ると彼は落ち着いているのよ、何か癪だったわ、ほんと! ちょっと悔しいのね。

「ラリーっ、何っ今の声は? あなたも聞こえたよね!」

 私はほとんど金切り声を上げていたと思うの、その時は。そうしたらラリーが私達の目の前にあるテーブルの上の石を冷静に指さして何かを私に教えようとしていたのに気が付いたのよ。

 そして出会ったわ――マギと……その時は蜘蛛の姿に身をやつしていたマギル・ビンチ嬢とね。


 マギの話しは自分の元の姿を取り戻す為に私達の力を借りたいという事だったのね、其れについては二つ返事で同意したの、同じ女性としてやはり同情は有ったと思うわ。

 彼女と一緒に地下温泉に行って其処にある魔石の力を借りてマギに掛けられた呪術の解除を行う事になったわ、其れについては私の力がどれほど助けになるのか良く解らなかったけどマギがどうしてもラリーと私の二人の魔力の助けがいるって言うから其れを信じていたの。マギの魔力のレベルは蜘蛛の状態でも相当の力があると感じていたから其処のところで疑う事は無かったのね。まあ、ラリーと一緒に力を合わせて彼女を助ける事が出来ればと思っていたの。


 地下温泉の女湯の脱衣所で温泉に入る準備をしていたの、そう、裸で這入る事は無いと私も二回目だから学習してましたわ、湯浴み着を着ていそいそと湯船の入り口に進んでいった所、マギに(と、言っても蜘蛛の状態ですが……)お願いされたのよ――っ、ラリーの部屋でマギの下にあった宝石と一緒にマギを運んでいたのだけれど其れをなんと私の胸の間に挟んで欲しいって言うのよ――っ、えぇ~って思わず叫んだわ!

 そんな恥ずかしい事と思ったからマギに理由を尋ねたのね、そうしたら……ラリーの為だって言うのよ、そんな風に頼まれたら断れないじゃないの。

 宝石を胸の間に挟んでその上に蜘蛛の姿のマギを乗せた状態で湯船の方に向かっていったの。ラリーは既に先に来ていたわ。

 マギの言う通りに湯船の中にその魔石は確かにあったの、ラリーは知っていたみたいだったわね。で、その後はラリーと一緒にマギの指示に従って動いたわ……でも、あまり覚えていないの私っ! だって、マギと宝石が私の胸の谷間に挟まっているのをラリーに知られてから、恥ずかしくて――っ、ラリーの視線もずっと私の胸に釘付けになっているのよ~っ……まあ、ちょっとは嬉しかったかなって――うふっ!


 あとは気が付いたら目の前に凄く綺麗で完璧なスタイルの女性が立っていたの――其れも真っ裸で!

次回【57話:サギーナの日記編(マギとの出会い)!】を掲載いたします。

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