【27話改稿:ウギさんヨル爺の関係は!】
前回の一人称主人公表記から改稿してみたいとちょっとづつですが、弄り直し始めました。本来のシナリオは変わらない予定ですのでご容赦くださいますようお願いいたします。
ラリーはコテージでの警護に戻ってから、ヨル爺に元男爵家の姫様の話をもう一度聞いてみることにした。
「なあ、ヨル爺。爺の知り合いの姫様ってどんな娘だったんだ?」
「なんだラリー藪から棒に、ああ、儂の姫様のことか? 88の59の86じゃったぞ、しかもFカップじゃぞ! 興味を持ったかの、お主も胸派かのぉ」
――やっぱり、その数値か! ……ふ~ん、あの感触がFカップか! と、言うか俺はどちらかと言うと腰派? なのか……いや待て待て、尻派かな?
ラリーは自分の触感からなんやら確信した様ではあったが――――思考が逸れる前に、それ以外の視覚情報が欲しかった。
「他に何か特徴は無いのか? そう、例えば髪の毛の色とか。目鼻立ちとか。あるだろう、他にも……」
「う~ん、どうじゃったかの~ぅ? 髪の毛の色かのぅ? 下の毛はのぅ綺麗な銀色じゃったの、確かそうじゃ」
――おいおい、ヨル爺、姫様のすっぽんぽんの話しは三歳って言ってなかったけ? 下の毛って、爺はいつ見たんだよう? それって、それで何で髪の毛の色は覚えていないのか俺にようにはわからん! それじゃ、ただのスケベ爺じゃん! (俺も人のことは言えない今宵だがな……反省)
「オイ、爺?! 下ネタじゃ無くて、髪の毛の色だぞ?」
「ラリー悪いのぅ。寄る年波には勝てぬのぅ、興味が無いことはてんで物忘れが早くなってのぅ」
「ぅ~っ。爺! それって歳のせいじゃない! いっぺん死んでこい! ってか、さっさと地獄に落ちやがれ!」
何故か爺のスケベ心に異常にむかつくラリーだった。まあそんなこんなで結局、ヨル爺とはバカな話にしかなりゃしない事に今更ながら気が付くのであった。
――まあ、ここまでは前置きだ本題はこれからだ。
「ヨル爺、爺の喋り方って……特徴あるよね。いつから、そんな風なんだ?」
「そうかのぅ、自分では解らんもんじゃて、まあ、仕えた男爵家は皆が皆こんなもんじゃったから特段気にしたことは無かったからの。可笑しいかのぅ?」
「皆が皆って言うことは姫様もなのか? 女の娘でその言葉遣いか?」
「う~ん、どうじゃったかの?」
「……頼むよ、爺、思い出してくれ」
「うぅ……んむっのぅ」
「お~ぃ」
「うぅ……んむっのぅ」
「……はあっ?」
「おう? っんのぅ! そうじゃ、そうじゃ、儂の喋り方とそっくりとのぉ~ぅ、よう、言われておったおった。お陰で男爵家の奥方様からは姫様の言葉遣いは儂のせいじゃとの~ぅ、小言を言われておった。それで姫様もお友達からは、よう揶揄されておったわのぅ、本人はとんと意に介しておらんじゃったが、じゃもんで姫様が不憫でのぉ」
――姫様の言葉遣いは、ヨル爺譲りか! 決定的だな、これは! 明日が楽しみだ。
ラリーは取り敢えず確信めいた状況を感じ取れたので、最後に聞いておきたいことをヨル爺に訊ねる事にした。
「もしもだよ、ヨル爺? 姫様がもし見つかったらどうするんだ?」
「そうだの~ぅ、……解らんじゃのぅ? 取り敢えずその後は仕えさせて貰いたいかのぉ? まあ、此ばかりはそうなってみない事には解らんじゃのぅ」
――え~っ、やっぱり姫様に付いて行く気かよぉ。それはそれで色々と面倒な事になるわな。ぅ~っん。まあ、今考えても解らない事で悩むのは止めておこう。時間の無駄だ。それにしても、明日のウギ達の事はどういう風に話しておこうか? ヨル爺には少ない味方のひとりには、なっていて貰わないとその後がしんどくなりそうだからな。
「しかしの戻って来るなりどうしたのじゃ? さてはて見回りの時に何かあったのかぇ? 変じゃぞのぅ? ラリーよ!」
と、ヨル爺の指摘に思わず引きつり顔で答えを探すラリーだったが。
――爺、鋭すぎるだろう。この話の筋から何か感じられるのか? その年の功、なかなか侮れないな。ヨル爺!
ラリーはヨル爺の評価を若干だがプラス査定しておくことにしながらも、差し障りの無い返答を探す。
「いや、特に何も無かった。人の気配が感じられたので確認しに行っただけさ。まあ、冒険者がグルムを連れて野宿していただけだったよ。」
「ほう、そうであったかの。だいぶ時間が掛かっていたようであるがのぅ」
「いやまあ、その冒険者と色々と話し込んでしまったかな」
――今は、ヨル爺には冒険者の性別は言わない方がいいだろう。
「その中で、ヨル爺の言っていた男爵家の話に似た内容を聞いたんだ。確か、其奴も似たような境遇の女の娘と、とあるギルド支部で会ったことがあるような話をしてたからね。色々聞いて於いたよ」
「えっ! そうじゃったのか、もしかして姫様かも知れぬじゃて。其奴はまだ居るかのぅ、儂が直接聞いちゃるけんのぅ」
勢い、ヨル爺が色めき立ってきて話を続けてくるが、ここでその対応は今は出来はしない為、話しを逸らす事に努める。
「其奴が彼処にまだ居るかどうかは解らないが仕事に溢れている様子だったから、明日の朝ここに来るように言っておいた丁度こっちも人手不足だ。しかも、其奴は魔法剣士だったんで魔術師不足のこのパーティーには丁度いい、明日の朝、この話を近衛師団長に持って行こうと思っているんだよ。ヨル爺はその後で其奴と話が出来るだろう」
「おう、そうかそうか、それは良き配慮じゃの、有り難きことよ」
「だからヨル爺も、近衛師団長の説得に力を貸して欲しいのだけれども良いかな」
「あい、解ったぞ。儂もラリーの後押しに是非とも協力するぞよ」
「助かる! ヨル爺、恩に着る」
「いやいや、そんな事、造作も無い事よのぅ。儂こそ、もしかしたら姫様の安否が解るかも知れぬからのぅ、此方こそじゃ」
――ふ~うっ、と。
ラリーは何とか真相を隠しながらも、ヨル爺の協力を得られた事に安堵して、大きく溜息を付いた。
――まあ、姫様の安否情報どころじゃ無くなるわな、明日は……きっと。
明日のヨル爺の様相をひとり想像して含み笑いを押し殺すのに苦労していたラリーであった。
――まったく明日が楽しみなことで。
次回【28-1話:ウギさん、おはようさん!】を掲載します




