【26-1話改稿:ウギさんは水も滴る好い美少女でした!】
前回の一人称主人公表記から改稿してみたいとちょっとづつですが、弄り直し始めました。本来のシナリオは変わらない予定ですのでご容赦くださいますようお願いいたします。
焚き火の側には、ショートカットの銀髪で琥珀眼の美少女が立っていた。そしてラリーは座ったままでそんな彼女を惚けるように見上げていた。その美少女は確かにウギに似ていると言えば似ているが薄汚れていたウギが身体を洗って帰ってきたと言うレベルの話しでは無かった。全くの別人と言っても良いくらいである。
しかも、長剣を腰に帯剣せず、肩に担いでその剣に行きに着ていた上着と短パンを掛けてある。それらは洗ったらしく、革生地の端からポタポタと水滴が滴り落ちていた。
行きに着ていた服装を着ていないと言うことは今の格好はと言うと大きな薄手の絹地で作った貫頭衣一枚という姿だ。
紐で腰回りの辺りを縛っているのがちょっとしたアクセントで可愛らしい。但し、濡れたままの身体にそのまま羽織ったようで彼女の身体に布地がピッタリと張り付いて、グラマラスな肢体をそのまま浮き出させている。その為、見目が妖艶この上ない事と言ったら……。
そうして、チュニック風で布丈が短いのでほぼ超ミニである。革のロングブーツにお似合いの御御足に色香の漂いまで匂わせている。
最後に最大の色香の濃い部分だが、貫頭衣と言うからには頭の通る部分は布地に穴が開いているが手を通す部分は単なる布地の端である。言わば、手を下に下ろした状態ならば布地が腕ごと身体を覆ってくれるが、一旦、腕を上げるとその広い脇口から身体の側面が丸見えとなる。彼女で言えば、そのご自慢の脇胸の稜線がいきなり目に飛び込んでくるような状態である。まさにラリーにとっては眼福、あっいや、目の毒であることこの上なかった。
「ラリー、待たせたのぉ。どうじゃ、お主の言葉に甘えて温泉街で湯上がりの衣類も買わせてもろうたぞ、お店の女将に今夜想いの殿御を惑わせるような服と頼んじゃぞ、惑ってくれておるかのぉ、お主」
――いやいや、十分に俺はもう惑っていますよ、ウギさん、今そこ直視できませんから。
ラリーはドギマギしながら彼女から目を逸らして、あらぬ方向を見ながらそう思っていた。
しゃべり方からはウギさんその人だと疑うべくもないがその姿は全くの別人の其れであった。まさに、水も滴る好い美少女とでも言うべきであろう。
――俺、もう鼻血でそうです。
ウギは本当に楽しそうだった。温泉から戻ってくるなりかなり際どい服装で挑発するようにラリーの右腕を取って彼女の身体を絡めてくる、ラリーとしても本気でドギマギしていた。
そんなラリーの臆病な仕草がまた彼女の笑いの壺に入ったようで、本気で天真爛漫な淫魔の如くラリーを攻めたててくる、ラリーが理性の身を持たせるのに苦労していたのは及ばずがなであろう。
そのような中で、横たわる大狼ガルムの艶やかな毛を寝具のように身に纏った彼女の姿は本当に可愛らしく思えた。しかも、抜群の色香も伴っているのが何とも言い難いところであった。
そんなウギとのやり取りを傍らで見ているヴァルは魔力念波に載せて茶々を入れながらもクスクス薄笑いをしている始末である。まあ、ヴァルのそんな様子はラリーにしか聞こえないから余計にラリーひとりだけさらにドギマギしてるわけであった。
そんな不思議な甘い時間を過ごしていると不意にウギが真剣な眼差しになってラリーに言い寄ってきた。
「妾はラリーが好きになった、ラリーには決めたお方がおるのか? 想いの女子がいるのか? 居ても良い! 妾は妾でも良い、愛人でも……何でも良い、何番目でも良い……だから、せめて傍らに妾を置いてくれぬかのぉ……だめじゃろうか? 妾は魅力は無いかのぉ」
いきなりのウギの告白に吃驚した顔でラリーは彼女を見つめる。さっきまでの豊満な胸で、まさに放漫な攻め方をした妖艶な姿はそこに無く、ラリーの返答を俯き加減でイジイジと待っている乙女の姿がそこにはあった。あまりの可愛らしさにおもわずラリーは彼女をきつく抱き締めてしまった、後先考えず、ラリーとしたことが……。
「ラリー、ラリー、ラリー……妾の事はウギと呼び捨てで良いのじゃ……ぐすっ……ぇぇん……もう、ひとりはいやじゃ……ぐすっ……っ」
彼女は、ウギはラリーの腕の中でね、声にならない嗚咽を漏らして泣きじゃくっていたんだ……暫くの間……ただ、焚き火の暖かさがウギの心の氷を溶かしだしてくれるのを静かに待つしかなかった。
一頻り泣いたあと、ウギは目を真っ赤にしたまま一生懸命笑顔を作っていた。
「悪かったのぅ、ラリーこんなことはお主に頼むことでは無いのにのぉ、妾も、ちと傷心だったのかのぅ、忘れてくれ。明日になればまたいつもの妾に戻るから、今だけじゃ」
そんな風に努めて明るく振る舞うウギが無性に愛らしく思えてラリーはずっと抱き締めながら彼女の頭を優しく撫でていた。
ラリーはきっとこんなことを見捨てておける人間には育てられていなかったのだと思う。
幼心には育ての親となっていたセット婆さんやニネット爺さんに反感を覚えた時も数えきれない程あったはずだが、この瞬間だけはこんな思いをいだける自分に育ててくれたことを感謝していた。
次回【26-2話:ウギさんは水も滴る好い美少女でした!】を掲載します




