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英雄たちの回廊(Ⅱ)  作者: 松本裕弐
【元勇者と仲間達の回想録】
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【4話改稿:さてさて、神殿の探索を始めますか!】

前回の一人称主人公表記から改稿してみたいとちょっとづつですが、弄り直し始めました。本来のシナリオは変わらない予定ですのでご容赦くださいますようお願いいたします。

 目覚めてから、かれこれ半日は過ぎたであろうか。彼の体内時計も身体が動きだすことによって少しずつ蘇ってきたようだった。そんな状況の中、横たわっていた身体をやっとのことで寝台から引き離せた。全くもって要介護病人状態であったと彼は嘆いていただろう。

 ままならない己の身体を半日間、嫌というほど感じながらも彼はその足で床を踏みしめた。

「うむ、なかなか良き状態のようだの、おぬしどうじゃ――おや、背が伸びたか?」

 ウギが彼の今の容姿にひと言、問いかけてきた。

 以前を思い出せない彼自身では背が伸びたかどうかは判断がつかないようだが……まあ、もしも記憶があったとしても自らの背丈の変化を認識でる御仁はそうは居ないとは思うのだが。

 ――ウギは見た目に絶対評価で身長を感じることが出来るのか?

 素朴な彼の質問に答えるものは居なかったのだが、ウギにしてもサギにしても、彼女等はあくまでも魂としての存在だからどうやって彼を見ているのだろう? と、言う疑問は傍らにひとまず置いといて……本当に置いておいても良いであろうか、究極課題だが。


 何となく釈然としないがとりあえず身の置き所を探してみる。寝台に腰を下ろして座ってみるとさらにこの部屋の様子が一望できた。石畳の床は一枡ひとますの石が身の丈ほどの大きさの石で出来ていた。

 そんな石が全部で二~三十個ほどある。かなり大きな部屋と言える。

「ご主人様、如何なされました」

 サギの呼びかけに微笑みながらも素直に応える、とは言っても微笑む相手の事は彼には見えないのだが。

「現実を直視して、これからのことを考えようかと思って……。これからどうしようか? ひとまずは安全みたいだからね」


 他人事みたいな感覚で安全を口にしているが、こんなところに押し込められていることからすれば、人生これからも波瀾万丈であることは紛れもない事実だと思う。でもまあ、そんなことには今は触れたくは無いのだろう。

「おにっし、もとい、おぬしは何がしたい?」

 ――ウギ、いま思いっきりんだでしょう! おにっしって何?

 思わず突っ込みを入れたくなってしまったが、今は我慢のしどころらしい……右手の甲が何故だか寂しがっている。

 ――彼女達が気安く心を開いてくれているようなので思わず立場を忘れてお気楽になりすぎたか。

 彼の立ち位置と彼女達の関係がまだ何もわかっていないこの状態で、気楽すぎるのもいかがなモノかと思うのだが、そんな事は口に出しては言えないのだろう。

「とりあえず、この場所にいても何だから……周りを散策して状況を確認しようかと思う。それと皆さんの様子から、俺と近しい関係と思っているのですがそうでしょうか?」

「特にサギさんは俺を『ご主人』と呼ばれていましたが、主従関係と言うか、それ程近しい関係だったのですか? もしかして婚姻関係を結んでいたとか……」

「……えっと、ご主人様……!」

 ――なんか、サギがどぎまぎしてるぞ! いらぬ想像をしてしまうが、そんな心をさっしてか?

「まてまて、婚姻関係とな……そんな事をわらわは認めておらんぞなぁ……サギよ、其れはそうとて、おぬし、よもや良からぬ事を想像しておるのではないか? それは違うと思うぞ!」

 ウギからのイエローカードが出されたところで、ひとまず彼もよからぬ想像を断ち切る事としたらしい。

「あくまでも今、お話出来るのは決してご主人様を害する存在では私達は無いということだけです。実態が無い状態ですので、なんともいえないですが……。これ以上の事は前世の呪術が絡んでいますので……。もう少し先になってからお話いたしますから、今はご容赦ください」

 なんか、歯切れの悪い言い方をするサギ……ウギもこれには特に口を挟む事も無く、彼としては答えが無いまま待つしか無いようだった。


「……わかりました、貴女あなた達を信じます」

「ありがとうございます、ご主人様!」

「おぬしも気っぷがいい、男ぞな! 惚れ直したぞ」

 ウギにそれどこの言葉ですかと、これもまた突っ込みをしたがる心を抑えて次の話へ移行しようと思う。

「それではサギさんが(おっしゃった、実態の無い状態を解決する手段とここから出る方法がわかりますか?」

★2017年版では、なろう事務局より「英雄たちの回廊」について当該小説がR18相当であるとの指摘を受けた為、第182部分までの初稿については【ミッドナイトノベルズ:N1050EN】への移設を行い、本稿のR15基準の不適切箇所について数カ所改稿致しております。

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