【24-3話改稿:妾はウギ・シャットンなるぞ!】
前回の一人称主人公表記から改稿してみたいとちょっとづつですが、弄り直し始めました。本来のシナリオは変わらない予定ですのでご容赦くださいますようお願いいたします。
「どうじゃ、妾の持ち物は中々のモノじゃろうて、欲しいか、どうじゃ、ほれほれほれ!」
と、彼女は自分から胸を突き出してさらにラリーの手の甲へとその豊満な胸を自ら押しつけてくる。
「はぁっ!」
――この娘は一体全体何をしているんだ、全く……、俺をおちょくっているだろう。
触ってしまったでは無く触らされている状況と言うことだった。それはそれで男の子にとっては喜ばしいことこの上ないはずであるが……。
「B88のW59のH86じゃぞ、しかもFカップじゃぞ!」
彼女はスクッと立ち上がりその場で身体をくねらせながら、さらにラリーの方に擦り寄ってくる。
――B88のW59のH86って? あれぇっ! どっかで聞いたような気がするのは気のせいか?
傍でガルムが呆れ顔でいたように見えたのはラリーの気のせいでも無いと思う。
焚き火の明かりに照らされたウギはとても可愛らしい女の娘だった、自分からスリーサイズを公表するだけあってスタイルは彼女のご自慢の一品らしい、まあ確かにグラビアモデルの様なパーフェクトボディーでFカップの胸は燦爛として目を眩ますばかりなる威厳さえもたらしていたと思える
ウギにとっては、ヴァルがラリーに懐いたのがとても気に入ったらしく、その後も彼女のラリーに対する警戒心は全く無くなっていた、と言うよりもウギがラリーに完璧に懐いたように思える。
そんな風にお互い少しづつだが馴染み始めた。聞けば彼女の歳はラリーよりひとつ下らしい。妹分のような気軽さで話が進む、ラリーも結構楽しい時間を過ごさせて貰った気がしていた。サギとは全く異なるタイプの愛らしさにラリーもひとときの心の交わりを感じていた。そしてそんなウギに対して心なしか兄貴分としての労り心が芽生えてきたようであった。
「ウギさん? 温泉に入りたいと思わない?」
ラリーは何気に彼女に聞いてみた。
その途端に目に涙まで浮かべて、ラリーに擦り寄ってまでしてウギが一生懸命主張してきた。
「入りたい! 入りたい!入りたい!入りたい!入りたい!入りたい!入りたい!……た~いぃっ!」
――おいっ、そんなにかぁ?
ラリーはウギの余りの勢いに思わずたじろいでいた。
「……身体……洗ってないんだぞ、ず~っと。ここら辺りきれいな水辺も無いし雨も降らないんじゃ、妾は無性にお風呂に入りた~ぃ~のじゃ!」
「ふ~ん、そうか、で最後に入ったのはいつ?」
「……覚えてない……っん。……お金が無いのじゃ、一文無しでのぅ、食事は狩りをすればいいじゃろうて、でものぉ、お風呂はお金がいるのじゃぞ、全く世知辛いのぉ」
ウギの魔力のレベルの『気』は『白気』であった、それも純白の誠に綺麗な全く混じりっけの無い白 である(この娘のよほどに裏表の無い性格が現れているとも言える)。これなら普通は生活は困らないだろうにとラリーは疑問に思った。
「魔術で水は出せるだろう?」
何の気なしにラリーは問うたが、彼女の答えに思わず顔が引き攣っていた。
「妾には無理じゃ、戦闘魔術特化の魔力習熟だったので……のぅ、一般生活系の魔術は皆無なのじゃ、残念至極よのぅ、我ながら情けないがのぅ」
――いえいえ、それは余りにも修行の仕方偏ってませんか? ウギさん、それじゃ駄目だよ。
思わずラリーは天を仰いだ。
「ラリー、お主を漢と見込んで頼みが在るのじゃ! 妾に魔術を教えて欲しい。 聖魔獣とも言われるガルムのヴァルが懐いたんじゃ、お主の魔術は並のものでは無いじゃろうて……お願いじゃ! 妾の貞操ごと進ぜよう良いぞ抱いても! まあ、その前に温泉に入れてくれぬか、この汚れた身体のままで其方に抱いて貰うのは、ちと心苦しいからの~ぅ。後生だ、入浴料を恵んでくれぬかのぅ」
――両手を合わせてラリーを拝みながら小首を傾げて琥珀色の瞳を潤ませながら見つめてくるんだよ、この娘まったく~っ。まあ、この娘のちょっとしたマイナスポイントって……ちょっとだけだけど臭うんだ擦り寄ってきた時に微かだが。それもあって、折角の美少女がどうしたものかなって思って話しを振ってみたんだが、魔術教授の件と貞操の進呈までとはなぁ。
そんな風にラリーは内心、思ったもののどうしようかと困り顔で助けを求めるようにヴァルを見た。するととんでもない事に、ヴァルはラリーにおもいっきりどでかい爆弾発言を投げてきたのだった。まあ、言葉では無く魔力念波ではあるが。
――こんなね、可愛いお嬢が懸命にお願いしているんだから冷たい仕打ちは無しだよね。苟も魔・王・族の血を引くお前様としてはね。
魔力念波でヴァルが軽くチャチャを入れてくる。
――おい! ヴァル、お前っ! 何故其れを……っ!
ラリーは眼をカッと見開いて、ヴァルを睨み付けた。ウギは目を瞑ってラリーを拝んでいる格好だから気が付かなかったと思うが、ラリーのオーラが一瞬、金色の輝きを放ったのをヴァルは見逃さなかった。
――おっ! 『覇王気』か、やっぱりね、坊や話しはあとでって言ったじゃ無いの、気の早い男の子は嫌われるわよ。まあ、素性が素性だから心配はするわね、いいわ誰にも言わないから安心しなさい。って、あなた以外に誰に私が話せると思っているのかしら?
――でも、お嬢のことはよろしくね、ラリー。
人間でも魔獣でもこの手の事は女性の方が一枚上手であるようだ。
――ぐっぬぬ! しくじったか、まさかこんな所で……っ。
と、ラリーはひとり頭を抱えながらも、ウギにひと言告げたのだった。
「わかった、わかった! 魔術教授の件はさておいてウギさん温泉には行って来なさい」
次回【25-1話:ヴァルの身の上話し!】を掲載します




