【18-2話改稿:サギーナの日記編(はじめまして)】
前回の一人称主人公表記から改稿してみたいとちょっとづつですが、弄り直し始めました。本来のシナリオは変わらない予定ですのでご容赦くださいますようお願いいたします。
ここの改稿はちょっと……<(_ _)><(_ _)>
サギがラリーと出会った次の日の朝の事であった。宮廷魔術師団の女子専用宿舎で少し寝不足の状態で目覚めたサギはさっそく親友の容赦ない追求を受けることとなった。
「ねえっ! サギちゃん! 昨日、見たわよ! 誰、あの人!」
サギに早速朝早くから声をかけてきた彼女はロミルダ・ヴェルトマン、通称ロミと呼ばれている。サギと同様に宮廷魔術師団の新人集団の仲間である。魔術師団の新人は宮廷宿舎で二人部屋が与えられるそんな中、ロミとサギはルームメイトであった。
そんなロミの容姿はと言えば、サギと同世代で其れはそれは可愛い女の娘だった。背丈はサギよりちょっと低いぐらいだが、でもスタイルは抜群で見た目には彼女の好みのダブッとした服装の影に隠れて解りにくいが、『私、脱いだら凄いんです……』を地で行く着痩せするタイプのようだった。まあ女の子同士の相部屋と言うことで、ロミはあっけらかんといっつも裸で部屋の中歩き回っていたみたいなので、いつもサギは眼福の眼でロミの肢体を満喫していたと言うが。
――ロミの裸を毎日拝めるのは私だけの特権かな、この娘……本当にほっそい腰回りに肉感豊かな躰なのね、見ているだけでも……むっふって、同性としてもちょっと思うわよ! んっ、あれと言う事は、私も彼女から見られてるのかな? そんなロミの事を私は大好きよ、まあ、ちょっとおしゃべりすぎるのは玉に瑕だけどね。くすっ! で、昨日の件、部屋に戻った時はロミはもう寝ていたと思ったのに……。
そんな風にサギがロミの事を見ていたなどとは彼女は露も知らなかっただろうが、そんな事は臆面にも出さない調子で二人の会話は更に続く。
「近衛騎士団のイカルガさんと一緒に仕事に出かけたと思ったら帰りが遅くて、あらま~って思っていたのよ。帰ってきたら早速、お説教ってね! 不倫はだめよ! って……そしたら、さあ……なに、あれ~っ! 見・た・わ・よ!」
二人の部屋の窓からは丁度、昨日サギがラリーと分かれた宿舎への分岐路がよく見える。
――まさかロミがあの場面を覗き見していたなんてぇ。そこまで気にしてなかったなぁ……昨日はねぇ、そんな余裕は私には無かったですから。
そんな風に内心思い、冷や汗たらたらのサギの事はお構いなしにロミのツッコミはさらなる極みへと続いていた。
「ロミちゃん! 見てたの! 昨日! 覗き見なんて、嫌らしいわねぇっ! ちょっっとぅ……酷くないこと?」
「あれ~っ! 嫌らしいのはサギちゃんじゃないの~! まぁ、いやらしいって平仮名で書くほうか? あんな夜遅くに……しかも遠目に見ても、うっとりオーラ満開だったわよ、あんた何があったか正直に白状しなさいって、もうぅ!」
「そんなんじゃ無いってば! 初めて会ったのよ、昨日彼に……イカルガさんの知り合いらしく、仕事先で紹介されたの。むふっ!」
最後は昨日の事を自分でも思い出していたのか、サギは思わず顔がほころんでいた。
「何が……最後に『むふっ!』よっ! ……まったくもう、あんた男になんか興味が無いと思っていたのにね~ぇっ。サギちゃんを慕っているファンが可愛そうだわ……あんたね! あんたの事を思っている男子諸君は掃いて捨てるほどいるのよ、解っていないでしょ!」
――何、ロミちゃん、それは初耳なんですけれど? 掃いて捨てられている? ドコニダレガデスカ?
「サギーナ嬢に! って、あたしがどれだけの男共から伝言を頼まれていたか知らないでしょ! あたしのお眼鏡にかなった男じゃ無ければサギちゃんになんか紹介出来るわけ無いでしょ……だから殆どが失格者って事でみんな処理してきたのよ、あなたの貞操はわたしが守るの!」
――ロミ、あなた何を行き成りここで宣言しているのですか? 私の貞操は私のものですから……。それでかなぁ、男の人は何でか私を遠目にしか見てくれていなかったように感じていたのは、(ところどころで粘り着くような厭な視線もありましたが……)ロミちゃんのせいでしたか……シラナカッタノハホンニンバカリナリです。
「それで、彼はいったい誰なの? サギちゃん」
「えっと、それは……お名前はラリーさんって仰って、同い年ですわ、確か、聖都のギルドから派遣された冒険者の方ってイカルガさんが仰ってたわ、確か……」
「サギちゃん、確か、確かって! そんなんで、あんた……いいっ! 冒険者ほど危険な仕事は無いでしょう! いつ何時、命を賭けて戦って、そして無残に命を落とすか解らないでしょ! そんな下手な役回りを引き受けるのが今の冒険者制度よね! あんたもよく知っているでしょうに。仮にもサギはその冒険者認定受けているんだからさぁ。あんたはそこら当たりは無理しない質だから、そこそこのランクで収まっているけど、名誉やお金に目が眩んで身の丈以上の依頼を引き受けて亡くなっていく輩はごまんといるのよ! ラリーさんだっけ同い年って言う事はその辺の経験も何もまだまだって言う事でしょぅ。そんな人を彼氏になんかしたら、もしもの時に悲しむのはあんたよ! サギちゃん! 悪い事は言わないから、そんな彼はやめておきなさい!」
――ロミ、そんなにも私の事を想っていてくれたなんて……一生あなたの友達でいていいかしら。
「サギちゃん! あんたが、あたしよりも早く彼氏を作るなんて許さないから~ねぇ! あたしの遊び相手がいなくなるじゃないの!!」
――えっとぉ、ロミ、最後があなたの本音ね……悪いけど! 前言撤回してもいいですか? 貴方はSランク冒険者だとイカルガ伯爵からは聞いたけど、ラリーさんは隠しておきたかったみたいだから、あんまり周りに教えない方がいいわよね。ごめんね、ロミ! これは、秘密です。
うわの空でロミの訴えを聞き流していくサギに更にロミは叩きかける。
「あっそうだ! サギちゃんの今日の魔術師団の任務は近衛騎士団からの依頼の貴族令嬢の護衛よね?」
「うん、確かそんな情報だったと思いますわ。ロミちゃん、悪いけれど、これからその為に宮廷の中庭に集まる約束なので、少し急がなきゃいけないの、昨日の件の詳しい話しは帰ってきてからでいいかしら?」
「了解!! あんたが帰ってくるまでラリーさんだっけ、こっちも情報を集めておくからね!」
――いやいや、ロミそれは……そう言ってまた、私から殿方を遠ざける画策をしていませんか? ……今回はお願いだから……ほんとうにやめて欲しいの……!
そんな事を彼女が内心思っているとそれがことさらサギの顔に出ていたようだった。
「……あなたなんか今、すんごく厭な顔をしませんでしたか? サギちゃん!……じゃぁ、逆にいい事教えてあげるわ。良いっことょ!」
「私に良い事って? なぁに? ロミちゃん」
「今日の任務に確か……貴方も一緒にいるはずだわ!!」
「えっ~~っ!」
ロミは最後の最後でとんでもない爆弾をサギにさらっと手渡し、満面の笑顔で彼女を送り出していた。
次回【18-3話:サギーナの日記編】を投稿予定です




