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異能力者達の能力事情  作者: チスペレ
8月14日 ~15日
34/83

状態統括者の依頼

12時15分

「ったく、こっちが話してる時に呼び出しやがってよ!」

尭羅は雑居ビルのエレベーターに乗りながら舌打ちをする。三階に到着すると勢いよく飛び出し「散産堂」の表札が掛かった扉を思いっ切り蹴って開けた。

「おい!早く仕事よこせ!」

部屋に入った瞬間怒鳴りつけるが中には誰もおらず、コーヒーの匂いだけが充満していた。

「呼び出しておいて留守かよ……。ふざけやがって」

尭羅はまた舌打ちすると近くの机に腰を下ろそうとした。しかし空き缶やインスタント食品の容器のようなゴミで溢れた机にはそんなスペースさえ無い。あいつは片付けも出来ないのかと呆れながら仕方なく自分の尻を置ける位になるまでゴミを床に移動させていく。

その最中、尭羅は面白い物を見つけ手に取る。拳銃だ。

「へー、あいつも面白い物持ってんじゃん。サバゲーでもやるのか?」

「それ、本物だよ」

声がしたと思うと、いつの間にか尭羅の上司である女が戻っていた。相変わらずコートを着ていて、今は片手にインスタント食品でいっぱいになったビニール袋を持っている。

「じゃあ、お前に向けて引き金を引けばここは殺人現場になる訳か」

「そんな事したって私には当たらないこと知ってるでしょ?」

女はビニール袋を適当に放り投げ社長椅子に腰掛ける。

「待たせて悪いね、君がこんなに早く来るとは思わなくて買い物に行っていた」

「何でもいいから早く仕事をよこせ」

尭羅は拳銃を元の位置に戻し女の近くへと寄った。

「もうニュースでもやってるし知ってるかもしれないけど、まずはこれを観て」

女は近くのパソコンをいじって動画を写し始めた。

画面には対照的な体型の二人の男が写っていた。最初はただの口喧嘩かと思われたが、終盤、痩せ型の男が腹を出したかと思うと、発狂し、風が形成され、もう1人の男を細切れにしたのはもちろん。周りの野次馬にまで被害を出した。動画はそこで終わっていた。

「なかなか面白そうな映画じゃないか。こういう宣伝の仕方は嫌いじゃない」

「生憎だけど現実に起きた事よ、それもついさっき」

女は机の中から1枚の紙切れを取り出し、尭羅に渡した。

「これがさっきの男の情報。名前

は岩村誠二。能力は【腹部から微風を出す】。でもさっきの動画は……」

「どう見ても微風とは呼べない」

「その通り。微風の意味が変わったならまだしも、岩村が人を殺せる程の風を出せるはずが無いのよ。じゃあどうやったか……。もう察しはついてるでしょ?」

「男の様子から見ても能力が暴走したんだろうな」

能力の暴走とは、自分自身で能力の制御が出来なくなる症状のことである。暴走時はいつも以上の力が出せたり、異常なまでに感情的になることが多い。今回の件は正しくそれに当てはまる。

「その通り。ここまで分かれば後は簡単。今回のターゲットは暴走した能力者、岩村誠二よ」

「簡単って言うけど、こいつ暴走してるんだぞ?どこにいるかなんて分かんねえよ」

「暴走中の記憶は曖昧になることが多い。暴走と言っても永久的ではないはずだから正気に戻れば家に戻ってくるよ。多分ね」

無茶言ってくれるな……。と尭羅は思い、岩村についての資料をポケットに入れた。

「じゃ、頼んだよ。私はお昼ご飯食べるから」

女は軽い感じで言うとお湯を沸かし始めた。

呑気でいいな、と思いながら尭羅は散産堂を後にする。

タキシード男ってかっこ悪いと自分でも思うけど、能力の名前にしちゃうとネタバレになるから難しい


読んでいただきありがとうございました。

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