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異能力者達の能力事情  作者: チスペレ
8月14日 ~15日
27/83

高校生能力者の商売

今回自動字下げの機能が使えなかったので自分でやりました。そのためいつもと違うかもしれません。そこら辺は気にしないでください。

8月14日 8時03分

「はぁ…はぁ…暑い!」

そう言いながら飛び起きると全身汗をかいていた。携帯を開くと8時過ぎ、目覚ましをかけ忘れていた。しかも窓も開け忘れていてめちゃくちゃ暑い!きっとオーブンで焼かれるパンはこんな感じだろう。

家出した日を含めると……これで3日目か……。まだ人の役にたっていない。そろそろ何か始めないとただ家出しただけになってしまう。

そう考えると優子さんに仕事をもらいに行くのが良いだろう。自分の能力が活かせるようなのを。

荷物を持ち、靴を履き、玄関を出る。ドアを開けた瞬間、風が室内に入ってきて気持ちがよかった。そして優子さんの部屋まで行き、ドアをノックした。……返事もなければ足音一つ聞こえない。真さんもそうだが、このアパートの人はみんな出てくる迄に時間がかかる。留守にしてることは無いだろうから多分寝ているのだろう。すると、ドアがゆっくりと少し開かれた。

「おはよう……光輝くん……」

目が半開きの優子さんがドアの間からこちらを覗き見る。髪も寝癖でボサボサになっていて寝起きということが悟れた。

「おはようございます。仕事来てますか?」

「まだ8時だし来てないよ。というかそんな頻繁に来るもんじゃないし」

「え?じゃあ、今日はどうするんですか?」

「何もしない。寝て怠惰に過ごすだけ」

ボリボリと頭をかき、発言のとおりやる気が微塵もなさそうだ。

「えっと……。それだと僕が家出した意味がないというか……。自分の能力で何かしないと…」

「……それなら良い物があるよ」

少し考えてからそう言うと部屋の中へと入っていった。思いっきり自分のワガママだが何かしてくれるらしい。

「よし、行こうか」

優子さんは片手に折りたたみ式の机と椅子を持ち、寝巻きのままでサンダルを履いて出てきた。

「行くってどこにですか?」

「近くの駅」




8時17分

「よし、この辺でいいだろう」

近くの駅の広場まで来ると優子さんは折りたたみ式の机を広げ始めている。理由も聞けずに付いてきてしまったけどこれから何をするのだろう?

椅子も広げ終わると優子さんは満足そうなに完成品を眺めていた。

「よし、光輝くん。ここに座って」

「あ、はい」

言われた通り椅子に座る。ちょうど学校で授業を受ける時のようだ。

「じゃあ、後は頑張れ」

「え?どうすればいいんですか?」

「自分の能力でも利用して占いでもしなさい。匂い嗅げばだいたいわかるんでしょ?」

「わかりますけど、占いとかやったことありませんし……」

「別に占いじゃなくてもいいのよ、好きなことしなさい」

そう言い残すと優子さんは帰路に就いた。1人でやれということだろう。

いきなり好きなことをしろと言われても困るものだ。路上で占いとかやってる人はたまに見るがまさか自分がやることになるとは。と言うか僕の能力って匂いを嗅がないと何もわからないし、嗅げたとしても何がわかるっていうんだ……。何が出来るか理解するためにも自分の能力で何がわかるかをしっかりと把握した方が良さそうだ。僕はノートとシャープペンシルを取り出し今まで匂いを嗅いで分かったたことを書いていった。

【わかること 相手の状態(能力者かどうか)、だいたいの年齢、嬉しい、悲しいなどの簡単な感情】

だいたいこんな感じだろう。……こうして見ると僕の能力を占いとかに応用するのは難しそうだ。と言うより僕が占いを全く知らない。

年齢や感情も見ればだいたい分かるし、使い物になるのは相手の状態がわかることくらいだろうか。そうなると安値で健康診断でもするしかないが……。なんというか僕の考えていたものと掛け離れている。僕は自分にしか出来ないことがしたいのに、これではそこら辺の病院でも出来てしまう。……今になって父親に言った言葉が恥ずかしくなってきた。感情に任せて家出したはいいけど、あの時の自分はどうやって能力を役立たせるつもりだったのだろう。

「あの……、これは何のお店なんですか?」

その時誰かから呼びかけられた。何の店の前に何をするのかも決めていない。見ると三つ編みで車椅子に座った女性がこちらを不思議そうに観ていた。

「お店というか、まだ何するかも決まってなくて……」

「なんで決めてないんですか?」

そりゃあ、いきなりここに連れてこられて考える時間もなかったからね。

「あっ、ごめんなさい。意地悪するつもりはないんです。立て札もなかったから何のお店か気になっただけで……」

彼女の表情から嫌味で言っている訳ではないのはわかった。

「また後で来ますね、その時は何かやってると嬉しいです」

そうプレッシャーをかけて女性はどこかへと向かっていた。

……とりあえず健康診断から始めよう。

今回は久しぶりに光輝の話でした。久しぶり過ぎてどんな奴だったか忘れかけていたりしましたが、ここからまた出てくるので頑張ります。


読んでいただきありがとうございました。

感想等ございましたら御気軽にどうぞ。

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