真実と幸せ
私はトイレから出て、会場に戻った。
そしてさっき食べたケーキの匂いをかいだ。
・・・やっぱり、お酒の匂いだ。
この体質はお酒の成分により元に戻るんだ。
・・・でも、完全に戻ったのかな。
「あれ・・?南??」
背後から男の人の声がする。
「光一?どうしたの??」
「なんでココに?」
「何言って・・・」
・・・そっか。
私今子供じゃないんだ。
「ちょ、ちょっと私のいとこに招待されたの」
「そっか」
光一はそう言うと私の腕を引っ張り、どこかへ連れて行かれた。
連れていかれたのは誰もいない廊下だった。
「どこ行ってたんだよ」
「へ?」
「あのデートの後、探したんだぞ」
「・・・ゴメン」
「携帯にも出ねーし・・・」
出れる訳ないよッ!
声は子供だし、光一のそばにずっといたんだからッ!!
「ちょっと・・・事件に巻き込まれちゃって・・・」
「事件?」
「うん・・・」
「で。大丈夫なのか?」
「ココにいるんだもん!大丈夫☆」
私は光一にピースをした。
光一は私を抱きしめた。
「こう・・いち?」
「無事でよかった・・・」
「心配してくれてありがと」
「おー」
今までのこと全部言いたい・・・。
でも光一には全て言えないよ。
ゴメンネ・・・。
<<ただいまよりダンスを始めます。踊りたい方はどうぞ踊り下さい>>
会場内に放送が響く。
「南。踊ろーぜ」
「え?!無理だよ。私踊った事ないし・・・」
「大丈夫。俺がフォローするから」
光一は私の返事も聞かず、踊りだした。
このまま・・・、女子高生ならいいのに・・・。
私はそう思った。
でも無理なんだ・・・。
もうすぐきっと子供に戻る・・・。
時間なんて・・・止まってしまえばいいのに・・・。
そう思うと涙が出てきた。
「南?」
光一は私が泣いているのに気づいたのか、服の袖で涙を拭った。
「どうした?」
「・・・やだ」
「え?」
「光一とこのままでいたい・・・。またあの姿になるなんてやだ!」
私は本音を言ってしまった。
「あの姿・・・?」
もう・・・言っちゃおっかな・・・。
どうしよ・・・。
すると、
ドクンッ
また胸が熱くなり、苦しくなった。
「うっ」
声が漏れてしまった。
「南?どうした?!」
「こう・・・いち・・・」
・・・苦しい。
伝えなきゃ・・・。
「私ね・・・あの日・・・お金の取り引き現場を目撃して毒薬を飲まされたの・・・。でも・・・ね、その毒薬には子供になってしまう作用が含まれていたの・・・。それ以来私の姿は子供・・・。仮の名前が¨美奈子¨・・・。光一のそばにいた女の子は・・・私・・・なの・・・」
「・・・美奈子ちゃんは南?」
私は静かにうなずく。
「信じられないかもしれない・・・ケド・・・、本当の話・・・なの。今、元に戻ったのはあのケーキにお酒が入っていて、そのお酒の成分で元に戻ったの・・・。でももうすぐその成分が切れる・・・。子供に戻っちゃう・・・」
「信じるよ。南のことは・・・。今まで信じあってきただろ?」
「ありがと・・・。光一・・・」
「もうしゃべるな」
最後に・・・この姿で¨アレ¨を伝えたい・・・。
「光一・・・」
「ン?」
「好き」
「大好き」
「俺・・は・・・」
光一が言いかけたその瞬間、私は気をうしなった。
「・・・なみ!み・・・み!みな・・・!南!!」
私は誰かが私を呼ぶ声で目を覚ました。
見ると、子供の姿に戻っていた。
「南」
「こう・・・いち?」
目の前には光一がいた。
「南。俺も好きだ」
「・・・子供でもいいの?」
「ああ」
私は涙が溢れてきた。
「光一!ありがとぉぉぉお」
私は光一に抱きついた。
光一・・・。
だぁい好きッ!!!!!




