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第二科目


こんばんわ、よしをです。


本日二話目です。


コメディーだとサクサク書けちゃうって自分でも初めて気づきました。笑


俺は今ものすごくこの場から立ち去りたかった。

なぜかって?そんなのもちろん変な関西人に絡まれてるからに決まってるじゃないか!


勉強ばかりしてきた俺にはコミュニケーション能力がほぼ皆無だった。

いわゆるコミュ障というやつだ。


そんな俺に馴れ馴れしく絡んできた関西人。

壮絶に面倒くさい、面倒くさすぎる。

俺はさっさと飯を食って、勉強に戻りたかった。


そんなこと考えてるとはつゆ知らず、関西人の安岡くんが話しかけてきた。


「いやー、よかったよかった、ほんまよかったわ!

田村くんてさ、普段単語帳ばっかり読んでるから、教室で話しかけにくかったんだわ。」


「話しかけようとしてたって言うけど、えっと、何か僕に用事でもあったのかな?」


「あらへんあらへん、用事なんかあらへんよ!

ただなんとなく話してみたかっただけや!」


「へ、へぇー。でも、どうして僕に話しかけようとしてたのかな?

自分で言うのもなんだけどさ、僕って結構地味なほうでしょ?」


「話しかけようとしたきっかけ?

うーん、なんやったかなぁ…あ、そうやそうや、田村くん世界史選択してるやろ?」


「世界史?あ、あぁ、まあ選択してるけど、それがどうかしたの?」


「ほら、世界史の野崎の授業あるやんか、生徒に当てて、大声で叫ばして答えさすあの授業。」


あぁ、あの授業この人も受けていたのか。

あの授業は印象的だもんな。

女の子で声が出てなくて注意されて、泣き出した人もいたし。


「うん、確かにその授業は僕も出てるよ。

それを知ってるってことは、安岡くんも世界史なんだよね?」


ガタッ!

いきなり安岡くんが椅子から立ち上がり、


「そうやそうや、わいもあの授業出てんねん!

で、あの授業の時の田村くんが印象的でな〜。

それで、声かけてみたんよ。」


ん?特に何もしてないんと思うんだけど。


「えっと、安岡くん、ごめん、僕何かしたっけ?

特に普通だったと思うけど。」


「いやいや、何もしてない!何もしてないから印象的やったんや!

ほら、松田さん泣いた時のこと覚えてるか?

野崎に当てられて、声出してんねんけど、聞こえへん聞こえへん言われて泣き出したあの授業のことや。」


「あの時は凄かったよね。

でも、それと僕とがなんの関係があるの?

今の話からすると、本当に僕、何にもしてないと思うんだけど。」


「いやいや、わいが言いたいのはその後のことやで。

田村くんは、一番前の方に座ってたからわからんかったかもしれんけど、松田さんが泣き出した後、めっちゃくちゃクラスの雰囲気悪くなっててんで!

あのおっさん、可愛い女の子泣かすとかマジ許すまじ!ってな感じで。

でも、あのおっさん結構有名な講師らしくて誰も文句言ったりできんかったんや。

そこで、でてくるのが…」


「ぼ、僕ってこと?」


「そうやそうや、わかってるんやないか!

やっぱりあれはわざとやっとんたんか?」


「ごめん、本当になんのことかわかんないんだけど、いや、何もやってないよね?」


すると、いきなり安岡くんが吹き出し、


「あはははははは!あれかい、あんさんホンマの天然やったんかい!

あははははははは!こりゃおもろいわ!ここの予備校来た内で、一番笑ったかもしれんわ!」


俺はなんのことか全然わからず、突然笑われたことでちょっとムスッとして、少し強い口調で、


「だから、俺がなにやったんだよ!」


すると、笑い泣きしている安岡くんがこっちをみて


「あー、悪い悪い。ホンマ悪気はなかったんやで。えっと、あの時の授業覚えてるか?」


「たしか、ヘレニズム時代のとこだったっけ?

アレクサンドロスとかのところだったよね?」


「そうやそうや、あの険悪な雰囲気の時、普通に野崎のやつは授業続けよったんや。

で、その時あいつたしか、アレクサンドロス大王のお父さんのフィリッポス2世がやった戦いを「紀元前334年、カイロネイアの戦い」って言った時に、田村くんたしか、「いえ、紀元前338年ですよ、先生、紀元前336年にフィリッポスさん暗殺されてるのにありえないでしょ。」って今までにないほど大声で言ったやん?」


あぁ、そのことか。大声で言わないと怒られたから、注意されないように大声出しただけなんだけど。それに、間違ったところはちゃんと注意してあげないと可愛そうだったし。


「う、うん、たしかにしたけど、それがどうかした?」


「どうかしたって…ぷっ、くっ、あははは!

やっぱりおもろいな!

その後も、その後もおもろかってんで!

野崎がえっと…っていう度に、それはこうこうです。って感じに言っていってもらって、めっちゃくちゃスッキリしたんやわぁ〜。

野崎は悔しそうな顔してたし、松田さんも最後には笑顔になっとったしな!

みんな君に注目しとったんよ!」


「そ、そっかぁ、いつの間にかそんなことになってたんだね。全然気づかなかったよ。

安岡くんは――――」


「せやせや、わいらもう友達やろ!

そんな他人行儀な呼び方やめようや!」


「そうだね、僕、いや俺のことは悠斗って気軽に呼んでよ。」


「悠斗か、りょーかいや!

わいのことも義昭かやっすんとかでええで!」


「こっちも了解!やっすんて呼ぶよ。」


こうして俺は予備校で初めての友達ができたのであった。


お読み頂きありがとうございました


「スペルはスペル、スペルもスペル」もよろしくお願いいたします。

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