ちなみに
ちなみに、平兵士は他にもいるんだがそちらには入れてもらえなかった。
俺が乗っている馬車には、先ほどの近衛騎士のマレット様と他近衛騎士5人、勇者の乗る馬車からあぶれたとおぼしき中年の護衛騎士のカイン様と俺の8人。
御者を入れて10人乗れる馬車を勇者は7人で、他だいたいは8人で乗り込んでいる。
足下とかに荷物もそれなりにあるから定員ギリギリとはいかないみたいだ。。
近衛騎士様が後退で御者をしてくださっております。
ごめんなさい、下賎なスラム育ちなもので馬車の経験はおろか馬に触った事がございませんと最初に土下座しました。
そしたら、マレット様が平坦な声で「最初から期待などしていない。」と。
いや、情けないけど仕方がない、無理に御者をして列を乱したんじゃを皆様に恥かかせる。
―ちなみに、列を激しく乱す自信があります。
遠征に参加とかこれっきりにしてください、見回りするのがやっとこさの腕前しかありませんぜ?
「どうでしょうね?経験者が優遇される傾向がありますから今後も参加する機会があるかもしれません。」
護衛騎士さんフラグ立ちそうだから勘弁してください。
しかしここはあえてこう言おう。
「名もなき盾となるんですね。わかります。」
「冗談でも縁起でもないことを口にするなっ。」
すいません!調子に乗りました。
「貴様本当にいまの立場がわかっているのか。」
竜クラスの相手じゃ、下っ端兵士の役目なんて肉壁か肉盾か肉塊ですよ?
さしずめ作戦はこうです。
「そうですね、最初に当たり障りのない下っ端兵士(俺)を突撃させて、サクッとやられてお腹が膨れた所で遠距離から…。」
とたんに馬車の中の空気が冷め切ったものになる。
「…っ、誰が作戦を考えろといった!?そもそもはそんな作戦でいいのか貴様はっ!」
「それくらいしか下っ端兵士の役割なんかないかとっ!」
激昂とも言えるマレット様にキリッと姿勢を正して答える。
だって、鋼剣で倒した武勇伝なんか聞いたことないもん。
鋼剣で目を潰した後でサクッといただかれてる間に仲間がミスリル系武器で倒した話はあるあるだけどさ。
「もういいっ!!貴様はもう戦場に近づくな!頼むから大人しくしててくれっ!!」
マレット様が頭を抱えて絶叫なされたっ!?
そこまで悲嘆する話しじゃないでしょう?
少ない犠牲で被害を抑えるんだから、国からしたら寧ろ推奨すべき作戦でしょう!!
「…その犠牲者を出さないための部隊だろうがっ!」
「!?」
いやはや全くその通りにございますっ!
「あ~、ルッシェ君少し聞いておきたいんだがいいか?」
「なんでしょうか、答えられることでしたら答えます。」
そういえば、この護衛騎士さんとは年が離れているからかあまり話をしたことがない。
「君が、どんな教育のされ方をしてきたのか聞かせてもらえるかな?」
「教育ですか?あいにくうまれが生まれなので貴族様方が受けられるような教育はされてませんから、母や姉から教えて頂いた話しかできませんがよろしいでしょうか。」
「構わないから話てくれないか、どうしても聞かなくてはならない気がする。」
それから小一時間ほど俺が丁寧語と敬語を模索しながらの一大スペクトル的な生活を話す。
◇◇◇◇
最後のほうで母の貴族社会への接し方を話し始めたら、近衛騎士の一人が「それは偏見だそれは偏見なんだっ!」とかいいながら泣いていた。
なにか問題があっただろうか?
母に限らずスラム育ちは貴族は過激派かなんかだと思ってたりします。




