人間③
~人間side~
俺達は四つある内の一つ、【シルグランド王国】の第8、9騎士団だ。
俺は第8騎士団の隊長を任されている『ロキ=カドノアード』。地位は伯爵の次男だ。
俺達は国王の命により、強い魔物の巣窟であるこのエンドレシアにやって来た。
国王は万能薬とされる【リノス】や質の高い魔石を持ち帰る事を命じられた。特にリノスは人間界ではほとんど採り尽くししてしまい、一部の貴族や王族が独占してしまっているのだ。だから民は病に侵されれば神頼みしか出来ないのが現状だ。
その事態に我が国王は改善しようと、我々をエンドレシアに派遣したのだ。
「おい、この場所で夜営を配置するか?」
彼は第9騎士団隊長、『バーク=ロシュースタ』。子爵の出身だ。茶髪に藍色の鋭い目、騎士らしい体躯は隊長の威厳に満ちている。実際、子爵と地位は伯爵より低いが、実力は第1騎士団隊長にも劣らない。俺の親友だ。
ちなみに俺の容姿は薄い金髪に藍色の目。容姿は中級かな?
「森が開けているが、魔物の狩場だったら危険ではないか?」
「だが、森の中は何が潜んでいるか分からんし、逃げるにも狭い。」
「そうだな……じゃあ、見張りを多くして警戒を強めよう。」
「分かった。……しかし、最早俺達がエンドレシアに来るとはな。妻を持たなくて良かったとこういう時は思うよ。」
「バーク……それは寂しく聞こえるから止めろ。というか無事に帰ることができたら嫁探ししよう?」