エピローグ
私は彼と前へと逃げた。
あの森で、平原で、氷の世界で、彼は私と一緒に戦ってくれた
一緒に逃げてくれた。
私が傷ついた時、彼は私を助けてくれた。
下手に動けばまた魔物や政府軍に見つかる危険だってあったのに。
彼と私が過ごした最後の街。
世界最大の遊園地だった。
楽しい時間は一瞬で終わり、また彼と共に戦う時間になった。
でも、それももう終わり。
私たちは負けて、旅は終わった。
私と彼はマグフェルトの部下。
自由を許されない。
私がマグフェルトを裏切れば、彼はメタルメカを殺すらしい。
だから、私もまた彼の部下だ。
でも、その生活の中で私はあるモノを手に入れた。
『もう、逃げなくていい』
自由はなくなった。
マグフェルトの命令には逆らえない。
でも、その代わりに追われることもなくなった。
不自由な世界での幸せ。
今の状況をを言葉で言い表すなら、『不幸せな幸せ』なのかも知れない――。
進む『ラグナディス計画』。
世界は『ラグナディス計画』から逃げられない。
国際政府代表マグフェルト。
財閥連合総帥パトフォー。
世界は操られる。
不幸せな幸せが続くだろう。
黒い夢が世界に牙をむくその日まで――。




