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客人⑥

「お前はこれからどうするつもりだ?」


「俺ですか?反乱を起こします」


「どうしてだ?」


「えっ?」


「どうして反乱を起こすのか、尋ねているのだ。わしはお前がここでエレンや仲間達と平穏に暮らすと思っていたが、まさかお前まで反乱を起こすとは考えもしなかったぞ。どうしてそんなことをするのか、わけを聞こう」


 ゴートの目は真剣そのものだった。明確でない答えだったら殴るつもりだろう、とセイウンは悟った。


 気まずい沈黙が流れた。


 セイウンとゴートはお互い見つめ合った。


 エレンとセングンは黙って様子を見守っていた。


「……ある男を討ちたい」


 セイウンが、重い口を開いた。


「ある男?」


「ロウマ=アルバートです」


「ジュリアス=アルバートの息子か?」


「そうです」


「クリスト殿の敵討ちか?」


「違います。それだったら、ジュリアスを直接狙います。ロウマには、関係ありません」


「ならばどうしてだ?」


「奴は卑劣な手を使った。それが許せなかった」


 賊の殲滅せんめつのために、連中が近隣の村を襲うまで待ち続けた。そのために、多くの村民が犠牲になった。


 ロビンズの姉も、その時死んだ。ロウマは平気な顔で、セイウンにそれを告げた。許せることではなかった。必ずこの手で討つ。そう誓ったのであった。


 反乱はセングンとバルザック=ドミムジーの提案だった。ロウマを倒すなら、一人では駄目だ。大規模な勢力でかからないと、成就できないのは間違いない。


 セイウンから、大体のことを聞いたゴートは納得したようだった。


「それがお前の道なら存分に進め。くだらない理由だったら、この場で殴っても止めるつもりだった。そうじゃないと、絶対に立派に育てると約束したクリスト殿に対して申し訳ないからな」


「院長、俺はやるよ。必ずやり遂げてみせる。そうだ、院長も仲間に……」


「ありがたい話だが、わしはもう老いた。戦場では役に立たない。だが、よい場所を紹介してやる」


「よい場所?大人のお店ですか?」


「馬鹿。話を茶化すな。クリスト殿が率いた反乱軍の残党が住んでいる村だ」


「残党?」


「そうだ。クリスト殿は負けたが、軍は全滅していない。生き残った者もいる。そういう連中がつくった村だ。行ってみる気はあるか?」


「行きます」


 セイウンは頷いた。

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