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殺戮王③

 ロウマは足をつかんでいる手を払おうとしたが、手は足をしっかりと握っていた。それどころか、力が増すばかりだった。


「無駄ですよ。私の意思が働いている限り離れるなんて不可能ですから」


「お前……特殊能力者だったのか?」


「違います。私は異能者です。私を育ててくれた闇商人がこの死体を操る能力を持っていました」


 特殊能力者は生まれつき能力を持っている者であり、異能者は特殊能力者から能力を分け与えられた者である。


「お前は、そいつから能力をもらったのか?」


「いいえ、殺して奪ったのです」


 ハイドンは、あっさりと言った。表情も自信に満ち溢れていた。何も悪いことはしていないという自己満足の表情だった。


 無能力者が特殊能力者から能力を得る方法は二つある。一つは、特殊能力者が無能力者の首筋に噛みつくこと。


 二つ目は、無能力者が特殊能力者の死肉を喰らうことだった。


 ハイドンは後者をやったのである。


「能力が欲しかったのか?」


「一番の目的は彼の勢力が欲しかったのです。能力はついでにすぎません。でも結構便利ですね。この能力のおかげで仕事もはかどるようになりましたから」


 なんて悪辣あくらつな男だとロウマはいきどおった。殺しても飽き足りないくらいだ。


 ロウマの憤激に気付いたのかハイドンは鼻で笑った。


「何を怒っているのですか?あなただって、自分にとって邪魔な連中を何人も葬ってきたじゃないですか。こっちは一応、あなたを調べたのですから知らないなんて言わせませんよ」


 それを出されるとロウマは弱かった。確かに右宰相をしていた当時、自分に反対した連中を何人も処断したり左遷した。自分には憤激する資格は無いのだ。ロウマは唇を噛みしめた。


 一瞬のすきをハイドンは見逃さなかった。地面に倒れている複数の死体に目をやった。


 死体はハイドンの意思が働いたため動き出した。


 すぐに応戦したが、足をつかまれているため動きずらかった。

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