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和解④

 場が水を打ったように、静かになった。真実を突き付けられたシャリーは、口を開けたまま固まっていた。


 確かにシャリーの胸は、他の姉妹の比べたら格段の差があった。ぺったんとまではいかないが、小ぶりと言ったところだろう。


 ライナ達も気付いていたが、普段は口に出さないで過ごしていた。


「それがどうしたのよ……師匠はもしかしたら、私のように、おしとやかな胸が好みかもしれないじゃない」


「姉貴、現実から目を背けるな。ナナーとアリスのスタイルを思い出せ」


「わ、忘れたわ……」


「あの二人、軽くあなたを超えていたわね、シャリー。この事からロウマは、大きい胸がお好みと見られるわ」


 ディナが横から口を挟んだ。


 弟のロバートに言われてもなんともないシャリーだったが、妖艶なディナからだと重みがあった。シャリーは床にがくりと崩れた。すっかり意気消沈していた。


「仕方ないから、姉貴は放っておこう。ところでピルトン、ディナ姉さん、外の様子はどうだった?」


「やはり今日もいました」


 ピルトンが言った。


「段々と増えているようだわ」


 いつも冷静なディナにしては珍しく深刻な表情だった。


 不審な連中が屋敷の周辺に現れたのは、三日前からだった。気のせいでないことは最初から分かっていた。


 連中は全員、殺気を放っていた。わざと放っているのか、気配を隠すのが下手なのか分からないが、尋常でないことは確かだった。


 見た目から、この土地の者ではない。なぜよそ者が大量に、やって来たのだろうか。考えられることは、たった一つだった。


 ロウマである。この間のグレイスのようにロウマを連れ戻しに来たのだろうか。


 いや、それはない。だったら、殺気なんて放たないはずである。


 ありえるのは、暗殺だろう。何者か知らないが、ロウマを殺しに来たのである。させるわけにはいかなかった。向こうが来るのなら、こっちもやり返すまでだ。


 しかし、まだ大した動きが無いため、下手な動きができない。もう少し様子を見ることにした。


 ロバートは窓から外の様子をうかがった。

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