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ep-5 裕子の決断とその後

会社員になった裕子は、当たり前だが一生懸命働いた。


子供のために朝昼晩ご飯を用意し、遅くなってもお腹を空かせることがないようにしてから出勤。


繁忙期などは子供を送り出し、帰宅が20時を過ぎるなんて普通。


仕事の他に研修や会議に出るようになり、いつの間にか課長になっていた。


課長になるころには子どもたちは独立できる年齢になり、裕子の実家がある都会に進学させた。


仕送りがあったけれど、子どもの将来を考え今より広い世界で物事や仕事を選択できる環境を作りたかった。


それと、タカシの家での狭い物事の見方や、親子間での依存はある意味裕子にとってトラウマ。


タカシの家の考え方が子供たちに移らないようにしたかった。


裕子が稼ぐようになったころ、タカシもそれなりに会社員で成功していた。


それから数年後、今度はタカシの両親が高齢になり貯金がなくなる。


裕子は子供も育ってこれから自分たちの老後にと貯めたお金をタカシの両親に使うことになる・・


さすがにお金や労力をいつまでも吸い取られるわけにはいかないと決断した裕子は、自分の親も高齢ということを持ちだし、そのうち出て行くと匂わせ始める。


いつまでも貧乏に付き合って自分も巻き込まれるなんてまっぴら。


裕子はタカシに内緒で家探しを始めた。


定年のときにもらえる退職金とコツコツ貯めた貯金、少ないけれど計画した。


さすがに搾取され続け、リターンが見込めない生活を続ける意味がわからない。他人なんだから。


裕子の計画は、定年と同時に帰郷、数年後にタカシとは離婚、子供を介しての関係はあるけれどただそれだけ。


タカシとトラブルがあっての離婚ではないし、老後は住みたいところで生活する方がいいと説得するつもり。


別居でいいじゃないか、と言われても、その家族から籍を抜かなければ「負」がいつまでも追いかけてくる。


裕子にとってタカシとの結婚は職業的に奴隷に位置すると思っている。なんていったって働いた時間と苦労で得た給料がタカシの家に流れるわけで。


20歳のころの裕子の結婚=永久就職は思い描いたようなキラキラしたものではなかった。


恋人や妻より両親を優先するような男との結婚はすぐにやめるべき。裕子がそれを理解するには遅すぎた。

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