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第五十七話 わん太リベンジ!!

 美味しいご飯を食べさせてもらい、コージさんとナオさんもそのまま集会場で寝てしまった。オヤジ達は帰って行ったらしい。

 わん太の体調も一晩寝れば復活するはず。



「アヤ!! 散歩に行くんだゾ!!」

 翌日、体調の戻ったわん太が海へ行きたがっている。

 昨日カニにやられたのが気に入らないのか。海で泳ぎたいのか。島に行きたいのか。魚を捕まえたいのか。

 全部かも知れない。尻尾をブンブン振り回している。


「コージさん。わん太と朝の散歩行ってきていい?」

「団長達は昼に到着予定だから、それまではいいけど、海には近づかないようにね」

「わかってるんだゾ!!」


 うん。どうせわん太がわかってないのはわかっている。

 海に近づかないようにと言われたばかりなのに、集会場を出た瞬間、私を乗せて海へ向けて一直線に走って行く。

 体調は完全に治っているらしい。魔力も回復したのかな?


「あんたあのカニの大群どうするの? 私近づきたくないと言うか見るのも嫌だよ」

「あのカニは陸の方まで来ないからアヤはどこかで待ってるんだゾ。風の魔法はちゃんとかけておくからなんかあったらすぐに戻るんだゾ!!」


 うーん。どうしよう?


「おーい。オオカミ使いの子!!」

 知らない女性に声をかけられたが、わん太を怖がって近づいてこないので、わん太から降りて話しかける。


「アヤって言うの。オオカミはわん太」

「アヤちゃんか。本当にオオカミ使いなんだね。今は魔物がいるから海に近づいたら危ないよ」

「わかった。この辺に買い物出来る所無い?」

「向こうに市場があるよ。今は魚が獲れないから魚は無いけど」

「ありがとう」


 わん太に乗り、市場へ向かう。

 マジックバッグから小銭を取り出す。

「あんたどうせ海行くんでしょ? 私は市場でウロウロしているから」

「行くんだゾ!! 頑張るんだゾ!!」


 わん太から降りて市場の中をブラブラする。

 わん太は一直線に海に向けて走って行った。


 魚屋さんがたくさんあるんだろうけど、魚はほとんど売っていない。

 昨日食べた魚は美味しかったな。


 お菓子を買って食べながらブラブラ歩く。


「あっ!! もしかしてお前、オオカミ使いか?」

 知らないオジサンが話しかけて来る。


「うん。オオカミは今一人で海に遊びに行っているの。オオカミいないのによくわかったね」

「まぁ……特徴をちょっと聞いていたからな。それよりも大丈夫なのか? 海辺の魔物の事は聞いてないのか?」

「聞いているよ。オオカミ強いから大丈夫と思う」

「そうなのか。オオカミは大丈夫だとしても、お前は海に行かない方がいいぞ」


 特徴。顔のアザの事だろう。

 顔に呪と読めるアザがある子供。

 それがオオカミ使いって言う話が広まっているようだ。


 ビュオオオオオオオオ!!!


 突如!! 海の方で突風が巻き起こった!!

 間違いなくわん太が戦っている。

 昨日は山登りでヘトヘトのままだったが、今日はゆっくり寝て体力も魔力も満タンのはず。

 ここから海までは結構距離があるのでよくわからないが、竜巻のように巻き上がっている。小型のカニなら巻き上げるかも知れない。

 ただ昨日もわん太より大きなカニもいたからどうだろう?

 数も山ほどいたし。


「おいおい、海の方がなんかおかしいぞ?」

「行ってみるか?」

「いや。どう見てもヤバい。そもそも誰一人絶対に近づくなって言われているからな!!」

「とにかくオヤジ呼んで来い!!」


 竜巻が水と砂を巻き上げて砂嵐のようになっている。

 風の中にカニらしき物もいる。昨日とは風の力が違うのだろう。


 海辺で竜巻が起こっているので市場の中は大騒ぎだ。

 どうしよう。わん太が戻るまで待つしかないけど。

 万が一わん太がカニに食べられていたらどうしよう?

 あんまり長く離れるとわん太の中の魔物も出てきちゃうし。

 早く帰ってこないかなぁ。



 数分後、不意に突風が止み、海は静けさを取り戻した。

 わん太がやられたか、もしくは全部やっつけたのか。


 どうしようかな? とお菓子を持ってボーっとしていたら、通りの方が大騒ぎになっている。

 血まみれになったわん太がヨタヨタと歩いてきた。

 既に怪我は治っているらしいが、どう見てもやられた感じだ。

 市場の人は血まみれで大きな身体のわん太を怖がって近づけない。


「わん太!!」

 持っていたお菓子を落としてしまったが、気にせずわん太に駆け寄る。


「お……おい!! オオカミ使い!! 大丈夫なのか?」

「大丈夫。たぶんサーカスが来ているから戻るね」


 みんなが道を開けてくれる。


「わん太。戻るよ」

 血まみれのわん太の背中に乗り、集会場へ向かわせる。

 わん太の血の臭いとカニの体液か何かの臭いと海の臭いが混ざっている。


 ヨタヨタと歩くわん太、死んでなくてよかった。

 海にでも引きずり込まれていたらどうなるのかさえわからないけど、怪我だけならすぐ回復するから心配ない。


 一応聞いておこう。


「カニにやられちゃったの?」


「いや。花にやられたゾ」


 え? 花……?



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