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第五十四話 魔物と遭遇!!

「オオカミ使い~!! 止まれ~!!」って叫んでいるのが私にも聞こえる。


 ん? 犬じゃ無くて、魔物でもなくて、オオカミ使い? なんであの人たち、わん太見てオオカミってわかったんだろ?

 私達の事がサーカス団ってわかって言ってるのかな?


 追いかけて来てるけど、わん太が本気で走れば、人間なんかわん太の相手にはならない。

 あっと言う間に海辺まで辿り着いた。

 私もわん太も初めての海。

 砂だ。砂浜って言うのかな?貝殻とかが落ちている。


「辛いんだゾ!!」

 わん太が水を飲もうとして苦しんでいる。

 塩水だとは聞いていたけど、飲めない程の塩水なんだ。

 喉が渇いているのに更に塩水を飲んでダメージを受けているようだ。

 大丈夫かな。


 遠くにぽつんと島が見える。かなり遠い。

 島まで泳ぐのは大人の人でも難しそうだ。わん太でもどうだろう?

「わん太、あそこまで泳げそう?」

「うーん。走って行くには遠すぎるんだゾ。俺だけだったら泳いで行けるけど、アヤが乗っているとわかんないゾ」


 ありゃ。やっぱ私が足手まといになっちゃうか。

 上に乗っているだけとは言っても、水に入れば体力は無くなるだろう。

 塩水だから喉が渇いても飲み物無いなぁ。


 人が来る前に隠れる所を探す。海辺を走り続けると、小屋らしき物が立ち並ぶ所に来た。

 後ろを振り返ると、諦めたのか誰も追いかけては来ないようだ。


 近づくと……… 全ての小屋が壊されている。

 叩き潰された様な、牛とかが突進したような壊され方。

 壁に穴があけられたり、柱が倒されたり。


 そして陸地に置いてある全ての船も潰されてボロボロになっている。

 もう船としては使えないだろう。

 海の上には船は一艘も浮かんでいない。釣り人もいない。

 大丈夫なのかな?


「小屋も船もボロボロね。魔物とかかな?」

「近くにはいないゾ? 動物も人もいないゾ」


 私達の回りには風が吹いている。

 わん太の風だ。風に何かが触れればわん太が教えてくれる。


「なんだろうね? 日差しが暑いし、とりあえず壊れていてもいいから小屋に入る?」

「入るんだゾ」

 小屋の中で休憩させて貰おう。

 屋根があって日差しが無いだけでもそこそこ涼しい。

 しばらく休憩させてもらう。


「喉が痛いんだゾ。海の水辛かったんだゾ」

 塩水を飲んだわん太がブツブツ言っている。

 お水をあげたいけど小屋の中には無さそうだ。


 暑くて私も喉が渇いたけど飲み物が無い。マジックバッグに飲み物と食べ物入れておくべきだったなぁ。

 わん太がゼーゼー言っているがどうにもしてあげられない。

 街に行けば水くらいどこかで貰えるだろう。それまでの我慢だ。


「ん~? なんか来たんだゾ?」

「なんかって何? 人間?」

「なんかわかんないゾ? 俺の知らない生き物だゾ?」


 なんだろう? 山の上と海辺を走り続けて、更に海の水を飲んでしまったのでさすがのわん太もへばっている。

 わん太が動かないので私が小屋の外を確認すると。

「どれどれ? うわああああああっ!! 気持ち悪い!! 逃げるよわん太!!」


 海辺一面に、大小さまざまなカニの群れ!!

 何百匹いるのかわからない。

 川や池にもサワガニとかいたから、カニって言うのはわかる。

 大小さまざまとは言ったが、小さいカニでも一メートル以上ある。

 小さいのでも私より大きいかも。大きいのはわん太よりもっと大きい!!

 大きなハサミを振り上げてジャキンジャキンと威嚇してくる!!


「早く!! 早く!! 逃げるよ!! 早く!!」

「うわぁあああああ。魔物だゾ!!」


 慌ててわん太に乗って小屋から飛び出したが、既に囲まれかけている。

 素早くわん太が風で飛ばそうと風を起こしたが、小型のカニは飛ばされまいと地面にへばりついて、飛ばせない。

 いつもみたいな強風じゃない。走りつかれて魔力が足りないんだ。


 ジャキン!! ジャキン!!

 巨大なカニは重くて飛ばないようだ。そのまま私達に迫ってくる!!

 ただ動きは遅い。横向きにしか歩けないのか横を向いて迫ってくる。


 風の魔法で飛ばないように伏せている小型のカニにわん太が突進、甲羅を爪で叩き割った!!

 そのまま数匹のカニを叩き殺した後、カニの包囲を抜け出した。


「こいつら結構強いんだゾ!! 数も多いし甲羅も硬い。小屋はたぶんこいつらがあのハサミで壊しちゃったんだゾ!!」

 ジャキンジャキンと音を出して威嚇してくるカニ達、ハサミの威力は伊達じゃなさそうだ。わん太の身体でもちぎられそうだ。私なんて一溜りも無いだろう。


「もう魔力も体力も尽きそうだゾ。走りすぎたんだゾ」

「わん太逃げよう。数が多すぎる!!」


 逃げるのは、それほど難しくは無かった。

 足も速くは無いし。海から一定以上離れると、カニ達はそれ以上は追ってはこなかった。


「小屋にいる時、魔物があんな近くまで来ているのにわかんなかったの?」

「わかんなかったんだゾ」


 なんであんな大群なのに。わからなかったんだ。

「もしかして、風って海の中はわかんないの?」

「たぶんそうだゾ。海の中とか砂の中から来たのかも知れないゾ」


 あー。海の中に風は無理なのか。砂も穴がボコボコ開いてたから、本当に砂の中を掘ってきたのかも知れない。


 小型のカニは何匹か倒したし、一対一ならわん太でも負けなさそうだけど。

 ちょっと数が多すぎるのかも知れない。


 流石のわん太もへばっている。

 水も飲めないし、走りっぱなしだし、風魔法も思い切り使ったし。

 街の人とか団長さんに怒られちゃうかも知れないけど、しょうがない。

 バンブーの街に戻ろう。



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