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第三十九話 みんなに説明

 KKKサーカス団のみんなで、黒い魔物の確認作業をしてもらう事になった。


 全員で相談し、団長さん達6人と私とわん太で、街から出て人気の無い場所へ移動。

 私とわん太が離れて、わん太はそのままどこかをウロウロすると言う作戦だ。

 毎回血まみれになって帰ってくるので身体を洗えるように、そばに川がある場所を選んでもらった。


 コージさんはたくさんのナイフが入ったカバン、ヨッシーさんは大きなマットを肩に担いでいる。

 空中ブランコの練習の時とかに下に敷くやつだと思う。

 魔物と戦う準備だと思うけど。マットでどうするのかな?


 最初に会った村でも、ナンテン村でも私とわん太が離れてから数時間で魔物は現れていた。

 今回もたぶん数時間で出てくるはず。


「わん太、気を付けてね。この場所覚えられる?」

「俺は犬だから大丈夫だゾ」

 相変わらずよくわからない返答だ。


「あ。カバンだけ先にちょうだい。今のうちに説明しとく」

「いいんだゾ。取るんだゾ。」

 わん太からカバンを受け取る。


 団長さんが杖で地面をコンコンと叩きながら説明する。


「アヤ、わん太、二人とも準備はいいか? コージ、アーボ、ヨッシーの三人は魔物をなんとかしろ。ナオとアユは魔物をよく目に焼き付けて、何らかの対策を考えろ」

「わかりました」

 全員で声を揃えて返答してくれる。


「わん太は、魔物が現れたら、いきなりアヤに助けを求めるんじゃなくて、そこの大きな木の近くで数秒でいいから踏ん張ってくれ」

「なるべく頑張るんだゾ。でも痛いから早くしてほしいんだゾ」


「コージ、アーボ、ヨッシーと俺は黒い魔物を何とかする。絶対にナオとアユに近づけさせないように」


「団長、俺もっすか? 俺、手品とか腹話術は出来るけど攻撃手段とか無いですよ?」

「お前は本当に役に立たない奴だな。それでもピエロか!!」

「ピエロだから攻撃手段無いんですよ!! こんなところで玉乗りしても魔物がダメージ受けるわけがないでしょ!!」


 アーボさんへの扱いは相変わらず酷い。

 運動神経抜群のコージさんと筋肉ムキムキのヨッシーさんは頼りになる。


「頑張ってくるんだゾ!!」

「ウロウロして変な物食べたり捕まえて来ないでよ!!」

「大丈夫だゾ。行ってくるんだゾ!!」


 どこかへ歩いて行ってしまった。


 アユさんが不安そうな顔をしている。

「アヤちゃん、変な物って何ですか?」

「野良犬だから。そもそもの原因の蛇や呪われた森の中の果実もそうだし、大きな蝙蝠とか、石の亀とか、とんでもなく辛い唐辛子とか、口に入る物なら食べちゃうの」

「石の亀ってなんなのでしょう? 石亀の事? わん太って野良犬なんですか?」


「あ。石の亀の事も言わなきゃ。わん太は野良犬だよ。大きいから散歩も行けないし、今は男の人のベルトつけてるけど、普通の犬の首輪も無いし。犬小屋も無いし、家にも入れないし。ナンテン村でも誰も飼ってくれないんだって」


「あらら。あのサイズじゃ人と一緒に散歩は無理ですね」


「村では餌が貰えるし、パトロールとか言ってウロウロして、外で勝手にタヌキとか鹿とか捕まえて食べているよ。風が使えるから鳥とかも簡単に落としちゃうし。村の人を噛んだりはしないし、畑仕事とかお願いしたら言う事聞いてくれる。基本的にはめちゃくちゃ強いんだけど、何でも食べちゃうから変な魔物に取りつかれて村にもいられなくなったの」


「なんか……大変ですね。ここの男の人はみんな強いですけど、その魔物に勝てるかどうかはわかりません」


 団長さんとコージさんが話している。

「団長、風吹いたままですよ?」

「わん太の魔法の風じゃないのかな? 普通の風?」

「うぅん、わん太の風魔法だよ。私がいる場所にわん太が風を固定してくれるの。この風に動物や魔物が触れるとわん太が気づいて戻ってくるの」


「わん太が張った結界みたいな物かな? 離れていても使えるんだね」


「それより、みんなちょっといい? 見てもらいたい物があるの」

 マジックバッグから、大金貨を数枚と、石の亀を出す。


 コージさんが手に取る。

「んー? おおおっ!! この大金貨は本物だ!! あとガラスで出来た亀の置物? そのバッグはわん太が首輪にぶら下げていた奴だよね? ペラペラで中身入ってないように見えたけど」


「これは、さっき話した私とわん太が出会った村、私を貴族様に売ってお金にしようとしていた村でわん太が村の人から貰ったバッグ。ドワーフが魔力で作ったマジックバッグなんだって。」

「見せてくれるかな?」

「はい。これが鍵。 このリングをはめている人だけがバッグを使えるみたい」


 腕輪とバッグを団長さんに渡す。


「ふむ。マジックバッグか。王家や有力な貴族が持っているという噂は聞いた事がある。人身売買で儲けたお金でドワーフに作らせたんだろう」

「団長さんはドワーフに会った事あるの?」


「あるよ。ルーマの街や昔に王都に出入りしているドワーフに会った事がある。人間と違ってみんなが魔力を持っているんだよ。金属や石、土の加工が得意で色々な物を作ってて、優しいけど偏屈で頑固で普段は集団で洞窟みたいなとこに住んでいるらしい」


 洞窟に住んでいるのか。蝙蝠いたら嫌だな。

 魔力で色々な物作っているのか。もしかしたらわん太の治療に役立つ物とか作ってくれないかな?


「ドワーフがいるならエルフも会った事ある?」

「エルフは無い。人前には滅多に出てこない。全員が美形で好戦的だって言う話は聞いた事あるけど。霊珠って言う不思議な木の魔力を借りて生きていて、そばに霊珠があれば更に強力な魔法が使えるんだって」


 エルフも魔法使えるんだ。

 魔法でわん太を治療してくれるかも知れないけど。

 好戦的だったら、わん太を捕まえて悪い事させたりするかも知れない。


 エルフやドワーフは魔力持っているのに、何故人間は魔力持ってないんだろ?


「この皮袋の中の赤い実はなんだ? 唐辛子?」


「あー!! それは素手で触らないで。説明するから」


 馬に使うブラシをわん太にかけた時に出てきた抜け毛。

 わん太の抜け毛はたき火にくべても燃えなくて、しょうがないから畑に埋めたら、その畑から巨大な作物が取れるようになった事と、畑で取れた激辛の唐辛子を説明する。


「おじいさんが触っただけで手が腫れるって。食べられないので納屋に放置していたんだけど、わん太が納屋に放置されていた唐辛子を勝手に食べちゃって、あまりの辛さに水をガブガブ飲み続けて吐き出したのがさっきの石の亀なの」


「この石で出来た亀って生きていたの? 透明でガラスとか氷で出来ているみたいだけど。ヨッシーさんこの亀知っていますか?」

 コージさんに尋ねられるがヨッシーさんも首を降る。知らないらしい。

 他のみんなも大金貨やバッグや亀を不思議そうに見るけど誰も知らないらしい。


「うーん。こりゃ誰もわからないな。マジックバッグや大金貨は盗まれると危ないから俺が預かっておく!!」


「いやいや!! 団長に預けるのが一番危ない!!」

 コージさんに突っ込まれて頭をかいている。

「真面目な話、このマジックバッグも、山のような大金貨もとんでもない価値がある。知ってしまうと、善人の俺でも悪い心が出てきてしまいそうな位の価値がある」


「いや、団長はそもそも善人じゃないでしょう」

「コージ!! お前は俺と言う人間をわかっていない!!」

「私も団長が善人とは思っていませんが……」

「ナオ!! お前達はほんとに!! 俺は悲しいよ」


 アーボさんが団長さんからバッグを奪い、渡してくれた。

「はい。このサーカスは悪人しかいないから、アヤちゃんが自分で管理しとくんだよ」


「そうだ。俺達が善人か悪人かは置いといて、バッグ自体も中の大金貨もヤバすぎる。人に見せる物じゃ無い。全員バッグの事は人に話さないように。記憶から消し去れ」

「わかりました」

「アヤ、そのバッグは信用できる人でも絶対に見せないようにするんだ。本当に親切な人でも、それを見てしまえば欲に駆られてしまう事もあるからね」


「うん。わかった。でもお金あっても使えないんだ。大金貨見せただけで盗んだって思われちゃうし、大金貨も取られちゃうし」

「そうだな。金銭は人を狂わせる。俺達も見なかったことにする。アヤも気を付けるんだ」

「わかった。わん太の首にぶら下げておくね」


 バッグの中身は大金貨が山盛り入っている。

 今の所使う機会が無いけど。お金だからいつか役に立つのかな?

 大人になって一人で買い物出来るようになったら使えるだろうけど。

 その前にわん太の身体を治さないと!!



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