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第二十八話 出発進行!!

「俺は最後に畑仕事してくるんだゾ」

 わん太は出て行ってしまった。


 バッグの中身、大金貨が山ほどある。普通ならこれだけで生きていけるはず。

 フーゴさん達に貰った小銭。これも山ほどある。お金の心配は無いんだけどなぁ……

 服とか食料は入るだけだ。あまりたくさんは入れられない。邪魔になるし予備でいろいろ持つとマジックバッグ以外の荷物になってしまうので、変な人に盗まれる気がする。


「おじいさん。腐らない野菜ってある?」

「腐らないわけでは無いが。腐りにくいと言えば、干した野菜か漬物くらいじゃが、干した野菜はそのままじゃ食えんから。持っていくなら漬物でええか? そのままで食えるぞ」

「ありがとう。お漬物だけ持ってたら、パンとかご飯貰っておかずにする」

「あと、鷹の爪は腐りにくいがな。わん太がまた変な物食べた時の為に持って行ってもいいぞ」


 鷹の爪。わん太が絶叫していた食べ物。あれは絶対食べる物じゃ無いと思う。武器とか毒に近い。でもわん太が変な物食べる可能性は十分ある。火の鳥を見つけたらわん太は本当に食べるだろう。

 学者さんとかにわん太の事を色々説明する時も、石の亀とか唐辛子とかの現物を見せた方が話が通じやすいかも知れない。

 小さいし、いくつかはあってもいいかな。


「何かの役に立つかも知れないし、いくつか持っていくね」

「わかった。皮の袋に入れて準備しておく。素手で触らないように気を付けるんじゃぞ」

「ありがとう。ちょっとわん太を見て来るね」


 準備はおじいさんとおばあさんにお願いして、わん太を見に行く。

 畑を掘り返したり荷物を運んでいるわん太を見ながら考える。


 本当に必要な物、それは大人の人。

 おじいさんでもおばあさんでも、村の人でもいいから着いてきて欲しい。

 数日の旅ならお願いしたいけど、旅の終わりは見えない。

 だから無理な相談なのはわかっている。

 旅人みたいな人がいれば、着いて行く事も出来るかも知れないけど。


 選択肢を考える。

 業務としてお金を払って旅に着いてきてもらう。

 旅人がいれば逆に私達が着いて行かせてもらう。


 うーん。フーゴさん達の時みたいに、私たちが必要とされる状況があればいいのかな?

 わん太に狩りをさせて一緒に連れてってもらえれば。

 でもフーゴさん達は狩猟だから山から山へ行くのがメインか。

 旅の商人とかいないかな。

 わん太に荷物を持たせて、馬の代わりに輸送の手伝いをさせてもらうとか?


 輸送の手伝いかー。わん太は畑仕事得意だから村に着いたら畑耕してもらおうかな。

 今だって自ら進んで畑仕事をして楽しんでいる感じだし、野菜も大きくなるし。

 大金貨が山ほどあるから、お金が必要なわけじゃないけど。行った先の村で畑を耕してくれたらお金は貰えなくてもご飯と寝床くらいは貸してくれるかも。お風呂も借してもらえるといいな。


 夜ご飯をみんなで食べる。

「村のみんなには適当に言っておくからな。たまには帰ってくるんじゃぞ」

「わかってるんだゾ。すぐに治るんだゾ」


 たぶんわかってないな。まぁ深刻に考えた所で早く治るわけでもないし気が重くなるだけなので、気楽に考えてくれた方がいいのかも知れない。


 旅の準備も出来た。焼きおにぎりもたくさん作ってくれた。

 普通のおにぎりより日持ちするらしい。米粒も大きいしおにぎり自体も大きい。

 バッグにたくさん入るように力いっぱいにぎってくれている。

 瓶に入ったお漬物山盛り。

 着替えとわん太のお鍋と……鷹の爪。何かに使えるかな?

 わん太が変な物食べたら口に入れるくらいかな?

 透明な石の亀。これも一応持っていく。使い道は無いけど、これが何なのかを尋ねる時に、現物があった方が説明がし易いと思う。


 ナンテン村での生活は一旦終わりだ。



 準備を終えて翌朝。出発だ。


「気を付けて行くんじゃぞ。アヤは子供だしお前は犬だし。ワシも行きたいが。年を取ってしまった自分が歯がゆくてならんわい」

「わん太。早く治すんだよ。アヤも気を付けて。いつでも帰ってくるんだよ」


「大丈夫だゾ!!」


 何故かわん太は楽しそうだ。散歩に行くくらいの気分なのかも知れない。

 行先は、西に向かって歩いてみる。それだけだ。

 方角も適当に決めただけ。

 どこに行けばいいのか、どうすればいいのか全く分からない。

 どこかの大きな街で、動物学者とか魔物研究家とかがいれば相談できればいいけど。

 わん太が喋るとか風の魔法の事とかは、なるべくばれないようにしないといけないし、行動に制限が多い。


「西ってどっち?」

「太陽が沈む方向だゾ。俺は犬だから方向がわかるんだゾ」

「そうなんだ。とりあえず私背中に乗っかっているから運んでね」


 あいかわらず犬だからわかるとか、よくわからない事を言っているけど方向も何もわからない私はただ乗っているだけだ。


「行ってくるね」

「行くんだゾ!!」


 おじいさんとおばあさんの二人に見送られて村を出た。


 一人と一匹の旅を再開する。


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