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第二十一話 巨大な野菜!!

 おじいさんの家に住まわせてもらえる事になり、ひと安心。


 ナンテン村は孤児院があった村よりもだいぶ小さいし、若い人が少ない。

 少ないと言うか…… 若い人はいない。年配の方しかいない。

 そして、建物やみんなの来ている服等、見た目は貧乏そうな村に見える。


 しかし!! 実際はわん太が大活躍していて凄く豊かな村だった!!


 わん太は田んぼや畑を耕したり、重い荷物や取れた野菜を運んだり、水路を掘って整えたり、木をへし折ったり、切り株を掘り返して引っこ抜いたり何でも出来る便利な犬だった!!

 わん太が耕した畑は、種さえ撒いておけば手入れせずとも豊作になり、巨大な野菜が実る。

 収穫等の細かい作業は人がやるしかないけど、力仕事全般をわん太がしてくれる。


 そしてわん太が耕した畑で育った野菜を食べた村の人達は、みんな体調が良くなり元気になる。

 巨大な野菜に育つのもびっくりだけど、その野菜はやっぱり栄養価も高いのかも。

 わん太の上で寝ている私の体調がどんどん良くなっているのもわん太のおかげかな?


 森の中に行く時はついてきて一緒に獲物を狩ってくれたり山菜やキノコを探してくれる。

 どこへ行ってもわん太がいれば基本的に安全!! 

 魔物も動物も怖がって逃げて行くし、少しくらい強い動物がかかってきてもわん太が撃退してしまう。


「おじいさん。わん太っていつからこの村にいるの?」

「10年くらい前じゃな。村の入り口に倒れておった」


「最初からあんなに大きかったの?」

「今よりはもっと小さかったと思うが、見た目は今と同じじゃ。でっかい子犬が倒れていて、何故か死にかけとった。魔物かと思ったが、見た目が子犬だったのと死にかけていたので。みんなで水を運んで飲ませてやったり、食えそうな物を適当に食わせていたら、起き上がるようになって、なんとか生き延びおった」


「最初から喋ったり風吹かせたりしていたの?」


「いや。大きいだけの普通の子犬じゃったな。ワンとかキャンとかの鳴き声も聞いた事が無い。最初は会話が出来んかった。ウロウロしたりお供えの饅頭を食ったり野菜を食ったり鶏を襲って食ったり。食ってばかりおった」


「最初は喋らなかったんだ。いつから喋るようになったの?」

「数年したら、村の人間がわん太が話すぞと言いだしてな、年寄りばかりなのでボケたのかと思っとったわ」


「おじいさん達が話すのを聞いて覚えたのかな?」

「みんなで魔物じゃないのか? でも人は襲わないし畑仕事とかも手伝ってくれるし、どうしたものかと迷っていたが、わん太は話が通じるので、人前で喋っちゃいかんと躾をしたんじゃ。頭もいいので人前ではめったに喋らん」


「喋ると魔物と間違われちゃうもんね。私も最初見た時は殺されると思ったの」


「身体が大きいからな。ただ言えるのはわん太は優しい。本当に優しい犬じゃ。ナンテン村の全員がわん太には感謝しておる」


 この村でわん太は重宝されているようだ。

 わん太は毎日当然のように畑仕事の手伝いに行くので、私もついて行く。

 馬小屋がある。当然中には馬がいる。

 そして、馬小屋の近くに、この村の中でもひと際大きな……

 いや、通常では考えられない大きさの野菜のなっている畑がある!?

 この村の野菜は全部普通より大きいが、この畑の野菜は別格だ!!

 もはやこの世の物とは思えない大きさの野菜達!!


「おじいさん。この畑の野菜何!? 本当に野菜なの!?」

「畑の横に馬小屋があるじゃろ? 馬の毛並みを手入れをする時に、ブラシをかける事があるんじゃ。わん太の毛が伸びてモコモコしているので、馬のついでにわん太をブラッシングした事があるんじゃ」


「わん太の毛長いもんね」

「そしたら、とんでもない大量の毛が抜けたんで、この畑で燃やそうと思ったんじゃが、驚くことにわん太の毛は燃えないんじゃ!!」


 そう言えば、こないだフーゴさんと会った時、たき火を踏み消してた時も毛が焦げたりもしてなかった。熱くもなさそうだった。


「燃えないから、どうしようかと思っていたら、わん太が毛をそのまま畑の中に混ぜ込んで埋めて耕してしもうたんじゃ。そしたらそこの畑の作物だけが異常な大きさに育つようになったんじゃ。大きいだけで食っても大丈夫じゃぞ。美味いぞ。」


 食っても大丈夫だとは言っても、あまりにも巨大なので普通は躊躇すると思う。

 人参と思われる野菜も、輝くようなオレンジ色で、馬の顔くらいの大きさがある。

 馬でも一本食べきれるかわからないような大きさだ。

 燃えない毛。作物が巨大に育つ毛。

 普通の畑もわん太が耕すと、抜け毛が混ざるから大きな野菜になるのかな?


 恐ろしい大きさの野菜を見たり、わん太が仕事を手伝っているのを見ながら一日過ごす。

 わん太はたまに畑の野菜を勝手に食べたりしている。怒られないかな。まぁお手伝いしているからいいのかも。


 見ていて気持ちがいい位にガシガシと畑を掘り返している。

 作物の根っことか雑草も残ってるし、土自体もカチカチだったり石が混ざっていて硬いのに、わん太は楽々と掘り返して耕してしまう。


「わん太、ちょっと手見せて?」

「前足だゾ」


 前足か。そりゃそうだ。

 太くて大きい前足。爪は硬いけど、肉球はフワフワ柔らかい。

 この足でどうやって土を掘り返しているんだろう。

 便利な足だ。


 私だって負けてられない!! 

 ぶらぶらしているだけじゃいけない!!

 ちゃんとお手伝いして役に立てるようになりたい。と思いながらあちこち見て回る。

 そして夕方になり家に帰る。


 これから寝床はずっと牛小屋かぁ……と思うと少し気が重い。

 お風呂に入り、ご飯を食べた後、おばあさんに呼ばれた。


「アヤ、とりあえず今日からはここで寝るといい。納屋だけど、一応壁も屋根もある。おじいさんも私も家にいるから何かあったら大きな声を出せば聞こえるよ」


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