表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/38

7 座学(鷹匠翼)

 7 座学(鷹匠翼)



 鷹匠翼は戦士団に入隊を決めた。

 そして鬼瓦訓練教官を下した結果、戦士団分隊長(千人将)の座が与えられエリートコースが確定した。

 しかも憧れの将軍であり、副戦士長にして最強の戦士と称される新島彰敏の副官の座に就いた。

 しかし、訓練兵としての訓練を受けていないので、翼は座学を訓練兵団で受ける事になった。

 訓練所の古びた家屋の座学の教室に入ると、一斉に訓練兵全員が、翼に視線を向けた。

 その眼差しは憧れと羨望、そして嫉妬だった。しかし、翼は意に返さず全く相手にしてはいない。

 その視線は教壇に立つ一人の人物に向いていた。

 その人物は守谷文明もりやふみあき。戦士隊参謀を務め、全てにおいて高い資質を持つ逸材。


「君が、武村の娘か。会えて光栄だよ。僕の名前は守谷文明。

 戦士隊参謀を務める逸材さ。座り給え、座学の講義を始めるから」


 守谷は大人しそうで何処か悟ったような表情の青年だった。

 高い身長が自慢らしい。武村戦士長の方が、6センチ程高いが。

 守谷は翼が奥の方の席に座ったのを見届けると講義を始めた。


「諸君らは訓練兵を卒業したら、究極生命体との戦いが待っている。

 究極菟生命体の起源は五百年前、突如起こった。

 ガイア帝国より、滅んだ王国の末裔、神孝太郎博士。

 彼は祖国を滅ぼされた恨みから、究極生命体を作り出した。

 見た目は人間と変わらないが、凄まじい身体能力を持ち、人間を食べる性質を持つ。

 半永久的に不死身の化け物だ。倒すには首を切断するしかない。

 そしてほとんどの究極生命体は自我を持たないが、五つの究極生命体。即ち神孝太郎の始祖道。

 天道、暗黒道、刹那道、生命道は自我を持ち、自我を持たない究極生命体を操ることが出来る。

 そして我々が、彼らに勝利する為には核である神孝太郎を見つけ出し討伐する他ない。

 究極寄生生物という寄生虫が入ったカプセルを人間の体内に入れると究極生命体になってしまうのも重要なポイントだ」


 守谷は悟ったような顔で退屈な講義をしている。

 どれも翼が知っている既存の知識だった。

 守谷文明……翼の眼には余り、際立って優れた人物には見えなかった。

 武村や新島と言った傑物ばかりが、身近にいるからなのかもしれない。

 そんなことを考えていると、隣に座っていた少女が声を掛けてきた。


「貴方が鷹匠翼ね」


 少女は冷たく輝く瞳を持った不思議な娘であった。

 着ている衣装が壮麗で高品質。端的に少女が高貴な生まれであることを物語っている。

 現皇帝の双子の妹である事実を明かせない翼とは住む次元が違うと肌で感じた。


「貴方は?」


「私は鷹匠麗花たかじょうれいか

 王侯軍第七将にして、ガイア帝国千弓の使い手……つまり、ガイア帝国の千人の弓の達人の一人よ。

 大総統の娘であり、そして貴方が目指す将軍ですよ」


 少女、鷹匠麗花はクスッと微笑を浮かべて答えた。

 翼は度肝を抜かれた。こんな自分と年の変わらない少女が将軍。

 間違いなく最年少の将軍であろう。

 翼が目指している将軍の座に自分より、先に付いているという事実が衝撃的であった。

 将軍様が、何で訓練兵の講義など受けているのだろうか。


「私が講義を受けているのは貴方と同じ理由よ」


 冷たい微笑を浮かべて補足した。

 鷹匠麗花は余りの出世の速さに十分な講義を受けていないのだろうと翼はすぐに理解した。

 何という才覚であろう。

 皆が知っている役に立たない既存の知識を悟ったような表情で講釈を垂れる守谷よりも遥かに凄い。


「その若さで将軍なのね。私なんかよりもずっと凄い」


 翼が呆気に取られていると、冷たく輝く微笑を浮かべて麗花は手を差し伸べる。


「私達、仲良くしましょう。よろしくね」


「ええ、此方こそよろしく!」


 翼は差し伸べられた手を迷わず手に取った。

 想いもかけない出会い。今日、翼は初めて友人を得た。

今回はここまで。

読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ