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16 大元帥へ

 16 大元帥へ



 武村は大総統に呼ばれ、鷹匠家の屋敷の一室で二人は会談を行った。

 話の内容は今朝の新聞の事であると推察した。『鷹匠家の闇』という何とも不名誉な記事だ。

 武村も目を通した。超名門の当主であり、ガイア帝国軍の頂点である大総統の一大スキャンダルだ。

 それは大総統の娘が、究極生命体に騙されてカプセルを飲まされ、究極生命体となった。

 だが、すぐに解毒剤を飲み、人間に戻って事なきを得たという内容。

 真実は麗花が自分の意志で究極生命体になったのであるが、大総統が先手を打ち、偽の内容を新聞社にリークしたのだ。

 その迅速な行動は流石は帝国十万の兵を統括する最高司令官であると言える。

 そのことを想いながら、部屋へと入室すると大総統がコーヒーを自ら入れて待って居た。


「大総統……」


 大総統はやつれていた。オールバックの髪に白髪が目立っている。

 余程の心労をきたしているのが、十二分に伺えた。


「武村、座り給え、今、コーヒーを入れた。大総統自らが注いだコーヒーの味は格別だぞ」


 大総統は冗談を交えながらも、その顔には厳しさが表れていた。


「大総統閣下、遂にご決断成されたのですね?」


 武村は冗談には反応せず、単刀直入に本題に入った。


「ああ、私は決断した。引退を表明する。ガイア帝国軍をお主に託す。

 大総統という名称は廃止し、大元帥としてガイア帝国軍全軍十万を与える。これより、ガイア帝国軍はお主の物だ」


 大総統……これより、翼徳は目を瞑り、そう述べた。

 ガイア帝国軍全軍を与えられる栄誉を遂に武村は手にした。

 十五歳で初陣を飾り、数々の戦果を残して出世を果たしてきた。

 これまでの走馬灯が武村の脳内で再生された。


「英断です。謹んで引き受けいたします。

 私の代で究極生命体とガイア帝国の因縁の歴史を清算いたします。

 その為には王侯将軍を解任させたいと思います。お許しくださいますか?」


 武村は最後の進言を翼徳に聞かせた。

 翼徳はいきなり建国以来の英雄である王侯将軍を解任させるとして驚き目を見開いている。


「何と……? あの英雄王侯を解任させるだと。何故だ?」


 翼徳は王侯将軍に絶対の信頼を置いている。

 武村にとっても王侯将軍は子供の頃から憧れを抱いてきた英雄なのだ。


「はい。王侯将軍はガイア帝国の完全支配を成し遂げた英雄であります。

 しかし、五百年掛けても究極生命体を打倒出来ない事には変わりはありません。

 王侯将軍は不老の加護を持ち、類まれな軍才を持ちますが、五百年にも及ぶ戦いで手の内を晒し過ぎました。

 彼らに戦いの癖や戦術が読まれています」


「確かに」


 武村の言葉に翼徳は頷いた。それは否定できない事実であった。

 王侯将軍は不老の加護を持ち、千年にも及ぶ戦歴とガイア帝国の完全支配を成し遂げた英傑。

 今のガイア帝国が抱える将軍の中で王侯将軍に匹敵する者は少ない。

 だが、戦いの癖や戦術が完全に読まれており、究極生命体を滅ぼすことなど到底出来はしないと断じた。


 ――悪魔どもを殲滅できるのは王侯将軍ではない。


 武村は急に重圧が圧し掛かるのが分かった。

 読まれてはいない自分こそが、彼らを地獄に送ることが出来るのだ。

 大総統の愛娘までもが、究極生命体の毒牙が及んでいたことを踏まえた。

 ガイア帝国は王侯将軍の力にあぐらをかいてきたツケが回っただけだ。


「神孝太郎博士の野望を打ち砕くことが出来るのは私と新島だけだ。

 私の統率力と新島の武力がそれを可能にするのです」


「分かった。好きにしたまえ。ガイア帝国軍は最早、お主の物だ」


 翼徳は娘の一件もあり、武村の進言を聞き届けた。

 王侯将軍を大将軍の任を解き、武村がガイア帝国軍全軍十万を掌握し、大元帥とした。

主人公は大元帥に昇格しました。


今回はここまで。

読んでくださりありがとうございます。

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