(96)宿屋の料理
宿屋の息子をやってると、変な人も泊りに来る。大道芸人に、吟遊詩人、冒険者。大半は面白い人だから良いんだけど、新参者とかだと俺に突っかかってくるから面倒なんだよな。そういうのは父さんか常連にとっちめられるけど。
「ゴン、仕込み手伝ってくれ!」
「ほぉーい」
父さんに言われて夕飯の仕込みをすることに、今回は鶏肉が多く買えたので、それを使って何かを作ることに。加えて、最近香辛料が安く買えるようになってきたのと、付近に迷宮が作られた事を記念して少し豪華な料理にしようと思う。
という訳で、父さんにフライドチキンを提案。
「うーん、一回作ってみるか」
親父の許可をもらったので、作ってみる事に。
仕込み用の液を作る、味付け用に混ぜ合わせた粉モノを別のボウルに作り、鶏肉を薄く切ってそれを仕込み液に浸す。その間に付け合わせようの野菜を切る。十分待って取り出して。次にそれを粉モノをまぶしていく。そしてそのまま熱した油へポーン。五分ほど過熱して中まで火を通し、そしてもう少し温度を上げてフィニッシュ。
「完成したよ」
「いつもながら鮮やかな手つきだな」
父さんがしみじみと呟いた。父さんの方が鮮やかに見えるんだけどな。
それはさておき試食会だね。
「じゃ、実食」
「おう」
「うん」
うん、サクサク感は問題なし、味に関してはまぁこんなものだろもう少し香辛料の種類があればいいけど、高いからな。コレでも十分だろ。
……あれ、一人多いんだけど。
「うぉ! マードック!」
「やぁ、ゴン。この美味しい奴、頂いてるよ」
「金払ってくれるなら良いけど、どう、新作は美味しい?」
「うん、いけるよコレ。お金はここに置いておくね。今晩出すのかい?」
「ああ、仕込みに時間がかかるだろうけど、揚げる前までを冷蔵庫に冷やしておくか」
「そだね」
そこからは何故か、マードックも手伝ってフライドチキンの仕込みを終わらせた。
いや、大変だった。




