(88)一転攻勢クラーケン狩り
クラーケンの足は五本ぶった切ったけど、三本くらいは先の方を切ってしまってまだ足は使える状態。行動可能な足は六本。クラーケンはまだこっちを警戒して、近づいているが無暗に足は伸ばしてこない。戦艦からの砲撃は日本ほど足を使って急所だけ守っている。
ジリ貧だな。攻めに行きたいが、俺以外に足に対処できる奴はワカバしか知らんが、何とかなるか?
………行くしかないな。
「船長! 俺が海に入って奴を消耗させる、なるべく目立つように動いてくれ。ワカバ、足が絡まる前にお前の腕力でぶっ飛ばせ!」
「おう、わかった!」
「分かりました!」
大剣を背中に付けて海に飛び込む。水の中から水上の風景はみえねぇが光が瞬き始めた。火の魔法を使っているのかもしれない。それよりサッサと近づいていくか。都合のいい事にクラーケンは俺に気付いていない上に船を追って俺の方に来てくれるから遊泳距離が短くて済む。出来れば仕留めたい。タコは後ろの頭に内臓が詰まっているって聞いた事がある行けるか?
一気に近づいていき、奴の身体を駆けあがって水面から出る。脛の辺りから骨を出してスパイクにしつつ登っていく。
「ウォオオオ!!」
俺は奇声を出して自身を鼓舞しつつ、頭に向かって大剣を投げつける。今度は蛸足のようにはしてない、足の改造はさっきの通りだが大剣の柄には俺の骨が付いている。しっかり突き刺さった事を確認すると、俺をあっちに引き寄せる様に骨を戻していく。体が引っ張られて足の付け根から頭の下部に来る。
「もういっちょ!」
左腕をクラーケンに突き刺して、右腕で大剣を上に投げて同じ様にして一番上に乗る。
「解体だああぁぁ!!」
大剣を根元まで突き刺して奥の方へ引き摺っていく。十メートルほど掻っ捌くと、クラーケンも蛸足伸ばして俺を掴もうとしてくる。俺は剣を引き抜いて自身を回転させつつ、迫った蛸足を弾く。
「内臓捕食じゃ!」
傷口に飛び込んで内臓を喰っていく。味は感じないけど食べる速さは上がった気がする。内臓の海を捕食しながら泳ぎ進む。動きにくいし、消化液もかけられるけど気にせず突き進む。外の様子は分からんが、何とかなってるだろ。
数分暴れると、なんかおとなしくなった。ようやくくたばったか。うん、あ、死体が消えた。うお、落ちる!




