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(72)サザナミが動く(その2)

 タンク役とアタッカー役は互いに相性の悪い相手と戦っていた。タンク役は相手に対して防御力が意味なく、有効打も持っていない。アタッカー役は攻撃が防がれるうえに防御に徹さないと一撃で崩されるほどの攻撃力を受けないといけないことがそれぞれにとって不運であった。なので、タンク役は足音で合図を送り、それに乗ったアタッカー役は一瞬で二人の位置を入れ替える。


があああぁぁぁ!!

「しゃっ、オラァ!」


 タンク役はコクヨウの攻撃を自慢の大楯と足腰で何とかガードする。しかし、タンク役にはコクヨウでも懸念点はあった。それはコクヨウが素早い事だった。幸いコクヨウはタンク役にだけ興味を持っていてくれるが、注意を引き付け続けないと自分を抜かれて仲間を狙われてしまう、そんな危機感を書かけて懸命に自分へのヘイトを向けさせる。

 対して、アタッカー役は相性が良かった。彼女の持っている剣は魔力をよく通す素材で作れていて、魔力通し、纏わせてサザナミを切る事で、魔力によって自分の身体へ命令を下しているサザナミの命令系統を阻害することが出来る為、ダメージを与えることが出来る。その為、有利に戦況を進められそうではあったが、サザナミはサザナミで側溝と排水路を上手く活用してモグラたたきのように相手をほんろうしつつサポート役の彼女を狙う。


「せやっ!」


 それにサザナミへの攻撃も受けなければ問題はないので、ひょいひょい避けてなんかの液体をサポート役に浴びせる。

 アタッカー役はサポート役の状態を見て直ぐに命にかかわるようなモノではないと考えたが、撃たせ続けるのもマズいと考えてて射線を塞ぐようにして陣取る。こうなるとアタッカー役は動きを制限されるが、サザナミはどこからでもサポート役を狙うことが出来る。一進一退の攻防であったが、アタッカー役が異変に気付いた。

 鎧のベルトや留め具が外れて外殻が下に落ち、その下に来ていた服も溶けているのだ。


「変態スライム――///!!」


 人体に影響がないのは分かったが、それでも乙女の尊厳が汚されて激昂し、苛烈に剣を振う。しかし、アタッカー役のスピードでは上手くサザナミを捕らえられないのでさらに服を溶かされて、最後は腹に丸く固めたサザナミの一撃を喰らって倒された。

 アタッカー役を倒し、少し安心していたサザナミだったが直後に後ろから鎌鼬を浴びせられる。バラバラになるがすぐに再集結する。だが、結合してもうまく動かせないため、一時的に排水路へと避難した。恐らく、アタッカー役に油断している所を責める気だったのだろうが、意外に早く倒されたので油断している所に一撃を喰らわせたかったのだろうが、直ぐに逃げられてしまう。その隙に、サポート役は支援魔法をタンク役にかける。タンク役は上がった身体能力を利用してコクヨウの攻撃をかわしカウンターで横っ面を大楯で殴打する。コクヨウは自分から吹き飛んで後方に跳ぶ。支援魔法をかけられたことにより、タンク役は一気に攻めていく。コクヨウは充分警戒して距離を取りつつ、隙を見つけると巨大な肉球で張り手を打ち込む。

 一人潰れても冒険者との攻防は続いていく。

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