(68)仕事は無難に終わらせて
蜘蛛糸は蜘蛛の巣を見つけると棒で巻き取って取っていく事になる。村の周囲をグルグルと回って、綿花集めと蜘蛛の巣集めをやっていく。
「この綿花は何処から生えていくんでしょうね?」
「菌の一種って言われてるみたいだけど、他の地域では植えても生えないみたいだし、特殊な植物みたいだね」
「変な所に植えて大繁殖しても問題だと思いますけどね」
「それもそうか」
数時間はこうしてくるくるするしかないな。
「冬が近いけど、何か出るって話はあるっけ?」
「冬眠しそこなった奴は出て来るっていうけど、それ位かな?」
「警戒は続けないとか、面倒だな」
「いつもと変わんないでしょ」
そりゃそうか。つっても、本当になんかが出て来るとは思わないけど。
「冬になると雪猿ってのが出て来るらしい」
「ウサギじゃなくてサルなんだ」
「別に本物の猿じゃなくて、なんか猿の形をした魔力生命体らしい」
「そうなんだー」
倒すの難そうだなーくらいにしか思わないな。まぁ、いいや。それより、真面目に集めるか。
❖ ❖ ❖
数時間経つと綿花が大袋五つ程手に入って、蜘蛛糸も二袋ほど手に入った。
「村を使うのは馬鹿らしいし、野宿で良いか」
「さんせーい」
「野宿用の用具はここにありまーす」
「よし、薪をを集めて火を焚くぞ。ノンナ、サザナミ、ワカバは食事の下拵えをしてくれ」
『はーい』
十分ほどで薪を集め終えて、火を付けて鍋を用意してその中に食材を突っ込んで、迷宮通販のコンソメスープを入れると、キャベツとニンジン、ジャガイモを入れて、厚切りの豚肉を敷き詰めてじっくり煮る事数分。正直、食えるスープが作れればいいので結構適当に作っている。
「レシピとか知らないしな」
「私も」
「わはは」
美味しい料理の作り方なんぞ分からないが、案外この方法で作ってると美味しくできる。企業努力に感謝だな。
全員のお椀によそって配り、焚火を囲む。
「あー、最近冷えてきたからなー、染みるわー、あー」
「あー」
「うー」「おー」
おー、ってなんだよ。冷えてる体にスープが染みる。味は分かんないけど。




