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(66)冬への懸念

 俺達は羊の頭を潰して毛に血が付かない様に慎重に血抜きをする。こういう作業には慣れてきた。毛をむしり取ると、血が付かない様に肉と革、毛、骨に分けて、しっかりと保存状態を作る。


「次は蜘蛛糸かな?」

「先ずはこれらを換金しないと」

「そうだなー」


 蜘蛛糸を狙うのは気が早すぎたか、反省しないとな。


「さて、安宿に泊まって内職でもするか」

「冬が来るっていうからね、防寒着も作りましょ」

「私も寒いと動けないし」

「俺も冷凍ミイラになっちまうし」

「私は毛皮があるから大丈夫だけどな」

「おっ、剥いで売り飛ばすか」

「いやん、エッチ」


 軽口をたたいて処理した羊をギルドの受付に提出し、料金を頂く。


「それなりではあるな」

「冬に向けて夏あたりに色んな所から要請が来ますからね、今回は足りなかった店舗からの要請の様です」

「成程、切羽詰まったからこそ料金が高いのか。じゃっ、運が良かったな」

「そうですね。期間が延びれば誰かに取られて依頼が終わっていた可能性もありましたし」


 料金を貰ったのでお勧めの宿を教えてもらって、そこへ向かう。

 宿の大将に宿泊金を支払って、一部屋借りるとそこへ向かう。中々、しっかりした造の部屋だ。多少は音を出しても大丈夫だろう。


「じゃ、内職するか」

「そだねー」


 全員で車座になって、サザナミ用の防寒着を作る。外気温に晒されると彼女は凍るので、なるべく外の空気が入らない様に革を繋ぎ合わせて密閉性を上げるだけでなく、服を二重にして中に綿を詰めて摩擦熱が起こる様にしておく、彼女は自身で体温を調整できないのでこうして体温を調整できる手段が欲しいのだった。


「なんか野暮ったいな」

「文句言うな」

「まぁ、普通の服装ではないよね」

「汚染物処理班みたいな服装だね」


 まぁ、なんかそんな感じなのは仕方ない。こうしなきゃ彼女は凍ってしまう。サザナミみたいな魔人はどうやって生活しているのか前に聞いてみたが熱帯気候の地域から出てこないらしい、暇なら行くかな。

 冬服を作りながら夕食までの時間を潰した。

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