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(63)赤虎の力

 冒険者達は奥に進み階段を見つけるとそこを下っていく。


「此処はボスの間か?」

「みたいだな、上から降ってくるぞ」


 上から二足歩行の大虎が降ってきた。トラは黄色い所が赤く染まり、爪先は血の様に染まり、禍々しく脈打っている。


「デッドリータイガー。厄介なのが出てきたな」

「グウゥゥゥ!! ッウ!」


 大虎は後衛の人間を狙って突っ込む。しかし、直線で突っ込めば前衛の人間が大楯で防がれる。

 二、三回、同じことを繰り返すと大虎は一旦距離を取ってパーティーを観察する。パーティーは計五人。前衛が二人、斥候役が一人、後衛が二人、内一人は回復役。前衛に何回か大怪我を負わせたことで後衛をやらないといけない感で感じ取った。


「グウォオオオ!!!」


 大虎は爪を地に打ち付けて地面を砕くと、その瓦礫を打ち上げて冒険者の周囲へ振るように投げ飛ばす。大虎はそこを足場に一気に後衛を目指して強襲する。


「な、めんなぁ!!」


 攻撃を加える前に、斥候役が間に入って蹴りで軌道を変えて、攻撃を逸らし、剣士役の人間が大虎を切りつけて口の中に爆薬瓶を入れる。大虎は直感に従ってそれを後衛の魔法使いに吐きつける。


「嘘ッ!」

「カナンっ!」

「後にしろっ!」

「ぐっ、ローニャはカナンの回復、残りはアイツを引き付けるぞ。回復終わったらデカいのを食らわせろ!」


 剣士役がリーダーなのか指示を飛ばし、敵を囲んで攻撃を加えていく。大楯を持った戦士が大虎のヘイトを買って盾で防ぎながら集中的に攻撃を受ける。

 その隙を突き、剣士と斥候役が攻撃を加えていく。


「おらっ!!」

「そらっ!」


 剣士が大虎の顎を狙ってかち上げて脳をゆする。大虎は立ち眩み後ろに下がる。傷による失血の影響も大きいが、移動や攻撃の能力に影響はなく。力を振り絞って暴れはじめる。爪の軌道から赤い衝撃波が放たれて周囲が吹っ飛んでいく。


「まだ、元気か」

「いや、あいつも決死の攻撃だったみたいだ、息も絶え絶えになってるな」

「衝撃波は俺が弾く、ボンダはアイツが攻撃を叩き込む前に弾け、ガロンはアイツの首に一撃噛ませ」

「わかった」

「承知」


 リーダー剣士が衝撃波を弾いて、ボンダが近づいていく。大虎が爪を振り下ろそうとするとボンダが振り切られる前にそれを何とか防ぎとめる。ボンダの後ろには斥候役のガロンが控えており懐に潜り込んで大振りのナイフを首に突き入れる。剣士はその後ろから肩から脇にまで一気に引き裂く。


「ガアアアアアァァァァ!!!」


 決死の咆哮を大虎はあげるが、それに誰も怯みはしなかった。


「お待たせ」


 特大の炎の槍が大虎の心臓を突き刺して、紅い獣は絶命した。


❖  ❖  ❖


「はぁ、は、はぁ、コイツはとんでもねぇな」

「これが此処の平均かな? きついな」

「ボスだしな、そんなにあてにならん」

「上から来たんだよね。穴は見えないが」

「安全地帯に移動しましょ、話はそこでもできるわ」


 そう言ってボス部屋を出ると、そこには日本のバックルームの様な部屋があった。


「おいおい、随分と快適そうな部屋だな」

「罠はなさそうですね」

「完全に休息所ってところか、休んでおこうぜ」

「そうね。休めるなら休んでおこう」


 全員が腰を下ろし、休息と武器の手入れを開始する。女性陣はソファで寝転がり、休息を始め、男性陣は大虎との戦いで気付いた武器の手入れをしていた。


「ん? これはなんだ?」

「なんか書いてるな、えーと、」


“お疲れ様でーす。仲間は死んでいないようだね。ココでは何時までも休憩してくれていいよ。帰りたいなら、奥の部屋にある転送装置に手を付ければ帰れるよ”


「目的、達したな」

「いや、全面的に信用する理由もねぇだろ」

「あいつらが起きたら話して相談しよう」


 冒険者はふざけた文章の書かれた木の板をもって、女性陣の方へ戻っていった。

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