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(35)長旅の前に

 取りあえず、全員起きるまで、漫画を読んだり、パソコンに触ったりして待つことにする。

 その間にサザナミと共に探してみたこの部屋の能力としては以下の通り。


・PCで色んなものを注文できる。

・食料はPCから注文すれば、持ち物の内何かを換金して冷蔵庫に入れてくれる

・書籍は制限はなし、禁書クラスは国家予算並み。注文したら本棚に並ぶ。元の世界の本も買える。

・服、雑貨、武器は購入後、棚やクローゼットに入れられる。

・資金に関しては持ち物を換金する事で残高として管理できる。


「うーん、新刊はまだか」

「読み直しも熱いと思いますけどね」

「カッコ良さでは居合切りの場面が一番だよね」


 最後にワカバが目覚めるまで、サザナミとコクヨウと共にお気に入りの漫画について話し合う案外二人はノリがいい。


「んっ……んんっ………う、うあっ…」


 呻き声のような声と共にワカバが目覚める。それと同時に彼女のお腹から空腹を訴える音が聞こえてくる。


「………」

「………」

「………」


 三人で顔をも合わせ冷蔵庫の中にあったソーセージを焼いてやる。このソーセージも元の世界産だ。ケチャップを別の小皿に盛って。部屋の小テーブルに持ってきた。

 ワカバも完全に起きたようなので、取りあえず大量のソーセージを食しつつ、卓を囲んで話し合いを始める。


「どうする?」

「どうするって、何を?」

「これから何やって生きていこうかなぁーって」

「私は………折角、こうして人間みたいな姿を手に入れたわけだしさ、色々見回りたいんだよね」

「観光?」

「そんな感じ、うまっ」

「企業に感謝」

「私、頭に角が生えてんだけど」

「俺なんか半分死体だぞ」

「でも、生きてんでしょ」

「半分ね」


 ソーセージをパクパク喰いながら今後の予定を立てる。目標としてはこの世界の名所各所の探検と観光が今後の目標となった。


「そういや、此処って何の意味があるの?」

「迷宮の管理人の為の部屋だってよ」

「管理人、迷宮を自由に操れるの?」

「そうっぽい」

「それって迷宮に何の利があるの?」

「迷宮としては新しい知識を取り入れて自分の自己強化を促すためらしい」

「何で現代日本のモノが出せるんだろう」

「知らね。サポートさんに聞いてみるか」


 そうして俺はスマホでサポートさんに電話をかける。スピーカーで全員に聞かせる。


「どもども~、サポートさん~」

『おはようございます。ご主人様』

「質問なんだけど、何で迷宮の注文品に日本の商品があるの?」

『――検索失敗。現在の検索領域外の知識です、■■■ロト知■■■■■ベル■■げ■■■■』


 言葉が途中から聞こえなくなった。いや。意味のある言葉として認識できない感じだ。断片的に意味的な言葉が通じる。それにしても検索領域外か。図書館に目当ての本がない感じかな。


「そか、あんがと」


 感謝だけ伝えて電源を切った。一先ず、今回の迷宮攻略による報酬の大半を売って、お金に変えて長旅の準備を整える。

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