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(19)新たな仲間と探索中

 ワカバとコクヨウに名前を付けてから、何ヶ月か経った。食料用にかき集めている肉は乾燥させて、腐敗を防いでいる。それでも防ぎきれずにいくつかはカビが生えている気がする。そういうの怪しい奴は俺とサザナミが食べている。ワカバとコクヨウに食べさせたら食中毒で多分逝ってしまう。食料収集中で食べていたのを除いても結構肉が集まってきた。


「これでいいかな」

「多分、良いと思います」

「足りなくなったら、現地調達かここまで戻ることにしよう」

「がうっ!」


 満場一致でこの階層での豚肉収集は十分だと判断された。なら、ここにいる意味もない。下に向かうか。


「じゃあ、これが半分になったらここに戻ろう。それまでは次の階層でレベル上げだな」

「はーい」

「………下でも調達できるようになったら?」

「そりゃあ、そこを食料拠点にして、乾燥食を作ってもっと下に潜るよ」

「はい、了解」


 俺はサザナミを肩に載せて、ワカバとコクヨウを小脇に抱えて下へと続く階段に向かい。数十秒で到着すると、ワカバとコクヨウを地面に下ろす。


「じゃあ、俺が前衛でコクヨウは後方を警戒してくれ」

「ガァウッ!」

「ワカバはコクヨウの援護」

「はいっ!」


 気合の入った良い返事だ。え? サザナミはなにするかって? そんなもん窒息用の武器として使うに決まってんだろ。


「よし、行くぞ」


❖  ❖  ❖


 先にサポートさんに聞いていた事だが、この階層では人っぽいのが出て来るらしい。何なのかは分かってない。サポートさんの説明が分かりづらかったからだ。なので、俺は【ヒトもどき】と呼ぶことにする。

 数分歩けば、そのヒトもどきに会う。


「ウウ゛ッ………ウ゛ッウ…ウウゥ」

「本当に人間みたいだな。なんか違う感じだけど」

「そうですね。なんか違う感じ」

「ぐぅう」

「…………」


 ヒトもどきは違和感がある。ヒトでない、けどなんか人を感じる。理性がないことはそうだが、外見は人に似ているんだが表し辛い違和感がある。何だろう?


「上の階層とやる事は変わんないし、始めようか」

「はい」


 俺が踏み込み敵を斬り付けて、ワカバとコクヨウが止めを刺す、サザナミは俺のサポート。これが連携のパターン。七層での連携はこれでどうにかなったのでわざわざ変える必要もない。

 連携のパターンに従って切り込んでいく。ヒトもどきの胸を切ろうとしたが、反応されて骨断剣を弾かれる。しかし、強引に体勢を立て直して思いっ切り、剣を振り抜く。


「ぐっ、う、ぅぅ」


 苦悶の声を残してヒトもどきは死んだ。俺が倒してしまったが、数が増えたら対応するのが難しそうだった。


「囲まれないようにしたいから、コクヨウは複数の敵が接近したら教えてくれ」

「がうっ」

「こいつらは数が集まったら面倒だから、なるべく複数の奴等は避けよう」

「はい」

「ガァウッ」

「…………」


 そこから先は単体でいるヒトもどきを後ろから奇襲したりしている。奴等は少し知能もある。武器を使ったり待ち伏せの知能はあるがそれ位だ。武器と言ってもなんかの骨だし、待ち伏せも姿がほとんど見えていて意味をなしていなかった。一番脅威に思ったのは数の多さだ、集団で動くのも少ないが、単体でいる奴等がそこら辺にいる。角を曲がって複数匹を見つけて引き返したら、別の奴等が集まっている感じだ。


「数が多いな」

「人っぽい首とか手とかが飛んでいくのにも慣れちゃいました」


 ワカバは最初の時は斬り付けられたヒトもどきを見て、わー、きゃー、騒いでいたが最終的に何も言わなくなった。


「ん? サザナミが」


 気付くとサザナミが震えて、ピコピコ光ってる。そして、何となくぐだぁっとしている雰囲気を感じる。これは、進化?


“サポートさん、サザナミはこれどうなってるの?”

“検索完了。進化が始まろうとしています。進化先を個体名【サザナミ】は選択中です”

“そうか。進化が終わるまでは待機の方が無難かな?”

“推奨します”


 サポートさんの同意が得られたならそうするか。


「お二人。サザナミは今、少し体調が悪いみたいだから治るまで待機にしよう」

「分かりました」

「がう」


 サザナミの進化が終わるまではここで待機を決めて俺達はこの場で待機することになった。

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