(18)迷宮での問題
正直迷った。いや別に、迷宮の中の道に迷ったわけじゃない。ここを出るかどうかで迷ったのだ。食事をあまり必要としない俺とサザナミはともかく、ゴブリンちゃんとキメラちゃんは食事をして活力を得る。この迷宮はあまり食い物になる物を堕とす存在はない。精々動物系の魔物がとしたときに可食部を残した肉が落ちるだけだ。
「下は何が出るんだろ?」
“サポートさん。この下の階層には何がでる?”
“検索完了。豚の顔に太った人間の体を持った、【オーク】という魔物が出ます。剛力を持ちますが知能が低いのが特徴です”
“何を落とすんだ?”
“豚肉です”
“そうか”
「下に行こう。先ずは食料の確保が先だな」
「分かった」
「ガゥッ!」
「はい!」
元気な返事だ。下への通路はもう見つけてある。そこを通って全員で下へ向かう。と、その前に、人間に身体を戻しておかないと。
「きゃーーー!」
「ガアウンッ!」
「ひゃっ!」
ん? なんだ、そんな顔をして。おかしな所はないと思うが。
「服! 服が、破けてる!」
「服? あ、本当だ」
長い間連れ添ってきた服が破けてる。残念だ。結構気に入ってたのに。
「いや、前! 下くらい隠して!」
「いやー、見られてると思うと変な感じがするな」
「早く隠して!」
「分かったわかった」
サザナミに言われた通りに急所を隠す。格好はふんどしに近いだろうか。前掛け位しかないが。
「凄い変態的」
「ありがとう」
「褒めてない」
それじゃ、気を取り直して下に行くか。
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「そういや、二人は名前がないな」
「あ、はい」
「よし、俺が名前を付けようか」
「え?」
なにが良いかな、ゴブリンの方は肌は緑色だしな。何か関係する事を。うーん。…………緑、自然、うーん、葉っぱ? …………若葉。
「よし、ワカバにしよう。君の名前はワカバだ」
「んっ…………んんっ、ふうっうん」
名前が付いたことで何かが変わったのか少し体が発光すると、ワカバは体を震わせる。サザナミでも見た光景だ。
さて次はキメラちゃんの方だな。
「よし、君は、そうだな…………」
黒い色だな、うーん、女の子なら何かこう、似合うのが良いかな。黒、ううん、あっ、黒曜石。よしっ。
「黒曜、良しお前の名前はコクヨウだ!」
「がうっ!」
「おお、喜んでくれるか」
名前を喜んでくれてるようだ。気に入ってくれるなら俺も嬉しいぞ。
「よし。サッサと下で食料を調達しよう」
俺は三匹を抱えて下に向かう。オークはうまいかな。
❖ ❖ ❖
下に来た。すると、直ぐに豚男がやって来た。なんかフゴフゴ言ってる。近づいて剣で切りつける。反応できなかったようで簡単に首が飛ぶ。すると、1ブロック塊の豚肉が出てきた。包む布解かないから、口の中からの熱線を上手く使って焼くか。塩とこないから味しないけど。んっ、危ない。
ワカバの後ろに豚が立っていた。狙っているとは奇襲が主な戦法らしい。
「大丈夫か?」
「あ、はい」
「そういや、簡単な背負子は背負っているけど、武器はないんだな」
「あっ、作れなくて」
「…………そういうもんか」
「っ! あ、はい」
「なら、これでも持ってろ」
俺は、腹から肉厚の鉈の様に加工した骨を渡してやる。
「す、すごいですね。えー、これ、骨?」
「文句言うなよ。それでも強度はあるから気にすんな」
「あ、いや、ありがとうございます」
「よし、先を進むぞ」
この階層で彼女たちのレベルを上げ、長期の食料確保、この2つが此処での目標になるかな。水魔法で肉の水分は抜いたから、多少は、もつ、かな? 自信がない、サバイバルなんて初心者なんだ。味は文句言わないで欲しいな。
さて、進んでいこう。何があるかは分かんないけど。
新しい仲間のステータスです。
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名前:ワカバ 種族:ホブ・ゴブリン 状態:従魔 Lv29
称号:異世界転生者 村を焼かれた者 逃走者 器用 悪食
HP:390/390
MP:390/390
SP:390/390
コモンスキル
健脚(Lv7) 運搬(Lv2) 鑑定(LvMax) 魔力感知(LvMax)
固有スキル
防護殻(Lv3)
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名前:コクヨウ 種族:キメラ 状態:従魔 Lv12
称号:異世界転生者 悪食 友達想い
HP:620/620
MP:620/620
SP:1120/1120
コモンスキル
健脚(Lv9) 跳躍(Lv8) 鑑定(LvMax) 魔力感知(LvMax) 爪撃(Lv4) 咆哮(Lv2)
固有スキル
身体変形(Lv3) 多重撃(Lv3) 天ノ逆矛(Start-up)
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